太陽光発電がもたらす環境問題は?環境破壊に対する取り組みについても解説
太陽光発電はクリーンなエネルギーでありますが、環境面の問題があるのも事実です。
本記事では以下の項目についてまとめています。
- 太陽光発電が関係する環境破壊
- 環境問題に関する配慮と対策
- 太陽光発電には大きなメリットがある
太陽光発電の事業に興味がある方、すでに太陽光発電の事業を行っている方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
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太陽光発電は環境に優しい?
太陽光発電は、世界的に認められているエコでクリーンなエネルギーです。
一方、太陽光を設置するには、森林伐採が必要になる場合があり、環境破壊と捉えられることがあります。太陽光発電は環境に対してどのようなメリットがあるのか以下にまとめました。
- CO2排出量が火力発電所に比べて少ない
- 使用していない土地などでも設置可能
- 火力発電所などと異なり追加の燃料が不要
- 耕作放棄地などを再活用すれば害虫被害なども防げる
続いてデメリット面をまとめています。
- 光合成をする森林を伐採する必要がある
- パネル有害物質などの後処理が問題となる
- 生態系へ影響が出てしまう可能性がある
デメリットもありますが、法令に沿って正しい運用・破棄を行えば大きな環境問題に発展する確率は低いです。
太陽光発が関与する環境破壊の事例5つ
太陽光発電所が関与する環境破壊の事例を5つご紹介します。運営されている設備や地形に、条件が当てはまるか確認しておきましょう。
①メガソーラーの設置による森林破壊
大前提として、メガソーラーを建設するには広大な土地が必要です。太陽光パネルの1枚当たりの出力数値は決まっており、メガソーラー級となると「数千枚」のパネルが必要になります。
日本国土の「3/4」は、山岳地帯で、メガソーラーの建設予定地には山岳地帯や森林地帯が選ばれています。
工事に関しては、まずは土地を確保する地盤確保工事を行うので、森林伐採が主な工種です。中には、地域住民の許可を得ず森林伐採を行う業者が報告されており大問題となっています。
②太陽光パネルに含まれる汚染物質問題
太陽光パネルには、以下の有害物質が含まれています。
- カドミウムテルライト
- 銅
- インジウム
- ガリウム
- セレン
上記の有害物質は、環境に悪く人体に悪影響を及ぼします。太陽光パネルが破損すると上記の有害物質が土壌に散らばるリスクがあります。
カドミウムテルライトは不溶性の物質のため、万が一、河川に流失すると水質汚染や生態系に影響する危険性があります。
日本は台風などの災害が多い国であり、飛んできた浮遊物によりパネルが割れたり、ひび割れすると、上記の有害物質が流失してしまう危険性があります。
日頃のメンテナンスをしっかり行い、破損を早期に見つけることが重要です。
③太陽光パネルの不法投棄問題
太陽光パネルの設置には多額の費用が必要ですが、撤去時にも「総工事費×5%」程度の大きな費用が発生します。
そのため、古くなったり使用不可となった太陽光パネルを不法投棄する事業者がいるのも事実です。
太陽光パネルやパワーコンディショナーは、電気製品であり専門知識が無いと撤去する際に危険が伴います。太陽光パネルは、常に電気を発電しているパネルです。
そして、前項で説明した有害物質も含まれます。
現在このような不法投棄を防ぐため、環境省より「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」が策定されているので、事業者の方は適切な処理を行っていきましょう。
参考:太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン
④土砂崩れによる土地の問題
太陽光パネルは、土砂崩れの危険性と隣り合わせになります。元々自然排水出来ていた土地を森林伐採して、太陽光パネルを設置するためです。
本来自然吸収できていた雨水などが吸収できず下流で一気に流れたり、設置により水の流れが変わり、局所的に雨水が流れ土壌が耐えられなくなり土砂崩れが発生します。
特に、安価な土地などは排水設備が整っていないことがあります。初期費用を抑えたいと考える事業者もいますが、安全性の低い土地は排水工事を行わないと土砂崩れに繋がり危険です。
専門業者にも相談し、安全に運用できるよう検討を進めましょう。
⑤企業の環境への配慮が低下
太陽光発電は「CO2を発生させないエコでクリーンなエネルギー」ですが、近年のメガソーラー建設ラッシュにより環境に対する配慮が欠けている企業がいることも報告されています。
以下には、モラルが欠如した企業の内容をまとめました。
- パネル製造工程での有害物質を河川に流す
- パネルの不法投棄
- 近隣住民の理解を得ず建設を進める
- 雨水排水計画の許可がないまま工事を進める
太陽光発電所の建設工事は必ず地方自治体の立ち合い許可が必要です。事業者として上記項目に該当しないよう努める義務もあります。
太陽光発電にはメリットもある
様々な問題が取り上げられる太陽光発電ですが、正しい運用を心がければデメリットを上回る大きなメリットもあります。
クリーンなエネルギーで地球温暖化にも貢献できる
太陽光発電の事業を行うことで、地球温暖化の対策に貢献できます。日本国内では、電力供給の「約75%」を火力発電に頼っているため、再エネ電源の普及が求められています。
企業が太陽光発電所を導入することで、CO2ゼロエネルギーが実現でき、企業としてのイメージアップにも繋がります。
パネルは適切なメンテナンスを行えば「20年〜30年」の寿命が見込めるため、長期で電力供給を賄える商品です。
日本は、2030年までに温室効果ガスを、26%削減(2013年度比)することを、パリ協定で発表しています。太陽光発電のクリーンなエネルギーは、地球環境の保全に貢献することができます。
参考:今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~
非常用の電源として使用できる
太陽光発電は非常用の電源として使用できる点が大きなポイントです。日本は、地震災害・台風被害が多く、気象庁によると年間台風発生件数は以下のような件数になります。
- 2022年には「25回」
- 2023年は「17回」
現在、主な情報通信手段として使用される電子機器は、電源が必ず必要です。
そのような災害時でも、パワーコンディショナーより変換された交流電流により、一般家庭で使用する電化製品などが問題なく使用できます。
メガソーラー級になると使用できる時間・容量なども大きくなり災害時の安心にも繋がります。
太陽光発電はSDGsに寄与する
太陽光発電は、SDGsを達成するためにも寄与します。
SDGsとは、持続可能な国際的な目標になり、「貧困や不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正」などといった持続的な目標を国際的に取り組む約束事です。
その中でも太陽光発電は「目標7:手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する 」と定義され注目されています。
SDGsの観点からも、「太陽光があれば継続的に発電できるクリーンエネルギー」が注目されています。
また、2021年日本での太陽光発電の発電量は約9.3%で、世界で見ると上位になります。
売電収入を得ることができる
事業として売電収入を得ることができる点も大きなポイントです。
電気代は、消費量が多い日中に単価が上がり、消費量が少ない夜間に単価が下がります。
東京電力ではプランにより異なりますが、「日中電気単価:42.60円」「夜間電気単価:31.64円」です。日中の消費量が多い時間帯に太陽光発電で電力消費をカバーできます。
参考:【東京電力】夜トクプラン
また、夜間電気単価が安い時に電気を購入して蓄電池に貯めて、昼間の消費電力に当てることも可能です。電力消費面・売電面で大きなメリットがあります。
原発に頼らない社会へ寄与する
日本国内では、原子力発電所によるエネルギー供給に依存しています。
2011年の東日本大震災により、福島第一原子力発電所がメルトダウンを起こし、原発の「止める」「冷やす」「閉じ込める」という安全神話が崩れたことがありました。
原子力発電所の事故は、周囲の環境を大きく変えてしまう危険があるのも事実です。原発所内で作業する作業員も、管理区域と呼ばれる「炉内」に近づくほど放射能レベルが上昇します。
一方で、太陽光発電は、ルールを守り運用すれば環境問題や人体に影響をもたらす可能性は低いです。
太陽光発電の環境問題に対する取り組み
ここでは、太陽光発電の環境問題に対する取り組みに焦点を当てていきます。「そういう方法もあったのか」と新たなことを知れるチャンスです。
耕作放棄地に太陽光発電所を設置する
耕作放棄地とは、農業者の高齢化や後継者不足により耕作地が放棄されている状態です。耕作地が放棄されていると、以下のようなことが懸念されています。
- 見栄えや景観が悪くなる
- 雑草が伸びきってしまう
- 害虫・害獣が発生する
- 廃棄物の不法投棄場所となる危険性がある
耕作放棄地は元々食料を育てていた土壌なので、保水性が高く柔らかい土壌なのが特徴です。
太陽光発電所を設置するには、地盤改良工事などが必要ですが、効率的かつ有効的にエネルギー源が確保できます。
一方で問題点もあり、耕作放棄地に設備を設置するには、「農地転用」という申請が必要です。農地転用とは、田や畑といった登記簿に載せられた地目を「雑種地」へ変更する手続きになります。
廃棄費用積立制度の義務化
廃棄費用積立制度は、太陽光の不法投棄などの問題を解決するために、2022年7月に導入された制度です。
対象となる太陽光発電所は「FIT制度(固定価格買取制度)を導入した10㎾以上の設備」です。この制度は売電収入より、廃棄費用が差し引かれ、太陽光発電の廃棄費用を管理する「推進機関」という団体に納められます。
積み立て費用は以下の式によって求められます。
「積み立て基準額」×「売電量」
上記計算式以外にも、「FIT認定年度・入札区分・容量」によって変動するので、確認しておくことが重要です。
環境アセスメント法の制定
環境影響評価法(環境アセスメント法)とは、事業を運営していく際、環境にどのような影響を及ぼすのかを自ら調査、予測、評価を行うことです。
その評価を公表して、国民や地方公共団体などからの意見を取り入れ環境保全に取り組む制度です。
政府は、2020年4月1日に、中央環境審議会(環境省)で太陽光を環境アセスメント対象にすることを発表しており、「設備容量40MW」はアセスメント必須の第一種事業、「30MW以上40MW未満」に関しては、必須ではない第二種事業に分類されています。
住民説明会の義務化
2024年4月より、「50kW以上」の設備は、住民説明会の実施が必須となりました。設備の建設工事に関係する土砂流出事故や、コミュニケーション不足から発生するトラブルなどが数多く発生したためになります。
住民説明会を開催しない場合は、固定買取価格上乗せ補助金を受けることができません。再生可能エネルギーは地域住民の理解を得て事業を継続することが重要になります。
グッド・エナジーの太陽光発電事業を紹介
グッド・エナジーでは、中古の太陽光発電所や耕作放棄地の買取を行っています。ここでは、事業を3つ厳選して紹介します。
農地や耕作放棄地の買取
グッド・エナジーでは、1,000㎡以上の農地や耕作放棄地の買取を強化しています。耕作放棄地を放棄し続けると、害虫の発生や景観損失など、近隣住民からの苦情につながる場合があります。
土地の処分に困っている、相続問題を解決したいなど、お困りごとや不安があればお気軽にご相談ください。
中古の太陽光発電所の買取
中古太陽光発電の市場は、以下の理由などから活況となっています。
- 過去の売電実績が分かる
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本記事では「太陽光発電の環境破壊」をテーマに解説を進めました。以下に本記事のポイントをまとめました。
太陽光が関与する環境破壊 |
太陽光発電所の環境問題に関する取 |
太陽光の大きなメリット |
耕作放棄地などにも設置が可能 |
太陽光発電はルールを守り運営を続ければ、非常用の電源として確保できる、SDGsの活動に寄与する、などのメリットがあります。
また、地域と良好な関係を築きながら運用を行うために、住民説明会の実施も大切です。
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