再エネ特措法とは?内容や2024年改正点などわかりやすく解説
再エネ特措法は、「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」の略称です。
再生可能エネルギーで発電した電気を国が固定価格で買い取る制度で「FIT制度」とも呼ばれます。
再エネ特措法は2023年に改正が行われ、2024年4月より改正再エネ特措法が施行されます。
本記事では、再エネ特措法の内容や改正点について解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
再エネ特措法とは
再エネ特措法は、「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」の略称です。
「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」の後継として制定された制度で、再生エネルギーで発電した電気を国が決まった金額で一定期間買い取ります。
再エネ特措法は、2011年8月に成立し、2012年7月より施行されました。
再エネ特措法は、固定価格買取制度やFIT制度の通称で呼ばれています。
また、2023年に改正が行われ、2024年4月1日より改正再エネ特措法が施行されます。
制定された目的
日本の再生エネルギー普及率は、海外と比較して低いことが課題になっています。
2020年時点で、日本の再生エネルギー発電率は19.8%と世界と比較して低いことが分かります。
FIT制度は国内の再生エネルギーの普及を向上させるために導入されました。
設備に投資した金額を早期に回収できることがメリットで、FIT制度の影響もあり再生エネルギーの普及率は10.4%(2011年度)から19.8%(2020年度)まで増加しました。
また、日本では2030年時点での電源構成の再エネ比率を36~38%まで上げることを宣言しています。
このことから、今後も再生エネルギーの普及は高まることが予測できます。
対象となる再生可能エネルギー
再生エネルギーは石油や石炭など有限の資源ではなく、太陽光や風力などの自然界に存在するエネルギーを指します。
再生エネルギーの主なメリットは下記の通りです。
- エネルギー源が枯渇しない
- CO2の削減に貢献できる
- エネルギー自給率向上へ貢献できる
また、再エネ特措法で対象となる再生エネルギーは下記の通りです。
- 太陽光発電
- 風力発電
- 水力発電
- 地熱発電
- バイオマス発電
再生エネルギーの詳細を詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
再生可能エネルギーとは?種類とそれぞれの特徴・メリットについて
財源として再エネ賦課金を新設
再エネ賦課金は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の略称で、再生可能エネルギーの普及を目指すための重要な財源です。
再エネ賦課金は、再生エネルギーで発電した電力を、電力会社が買い取る際に発生する費用を賄うために設けられました。
費用は電力を消費する全国民が、電気料金に上乗せして支払います。
再エネ賦課金の単価は経済産業大臣が毎年度決定しており、支払いが不平等にならないように、利用した電気量に比例して請求される仕組みになっています。
FIP制度の導入
FIP(Feed In Premium)制度は、2022年4月に導入された制度です。
FIP制度は再生可能エネルギーの普及促進を目的とし、FIT制度と比較して電力の買取方法に大きな違いがあります。
FIT制度の電力を固定価格で買い取る仕組みに対し、FIP制度は電力市場価格に基づくため、売電価格が変動します。売電価格に一定のプレミアム補助金が上乗せされることが大きな特徴です。
電力市場の変動に対応しながら再生エネルギーの普及を促進できるため注目が集まっています。
再エネ特措法の内容
調達価格と調達期間
調達価格と調達期間については、経済産業大臣が毎年度の開始前に、電気事業者が行う再生可能エネルギー電気の調達につき調達価格と調達期間を定めます。
もし、国内の電気供給量や経済事情の変動から、調整の必要があると判断した場合は、半期ごとに調達価格や調達期間を定めることができます。
調達価格は、事業者が再生可能エネルギーで発電した電気を供給するときに受ける適切な利潤や国内の再生可能エネルギーで発電した電気の供給量を考慮した上で定められます。
事業計画の認定
再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を供給する場合は、「再生可能エネルギー発電事業の実施に関する計画」を作成し、経済産業省大臣まで認定の申請を行います。
実施に関する計画に記載する内容は下記のようなものがあります。
- 法人の代表者氏名や住所
- 役員の氏名
- 再生可能エネルギー発電事業の内容及び実施時期
- 再生可能エネルギーの区分
- 再生可能エネルギーの設置場所や出力、管理方法
また、太陽光発電設備が積立対象区分に該当する場合は、解体等に使用する積立金額や積立方法を記載できます。
電気事業者の義務
電気事業者は、利益を不当に害する恐れがない時以外は、認定事業者から電線と認定発電設備に関する申請を拒むことができません。
また、経済産業省令で定められる基準に従って、電気を供給・使用する必要があります。
- 卸電力取引市場の売買取引による供給
- 小売電気事業者が行う小売供給用の電気として供給
経済産業省が適切に供給・使用ができていないと判断した場合は、基準に従って共有・使用することを命ずることができます。電気事業者が正当な理由なく措置を取らなかった場合は100万円以下の罰金になります。
再エネ特措法の改正について(2024年4月1日施行)
ロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、世界情勢が悪化しているためエネルギーの高騰問題は続いています。
また、温室効果ガス削減の観点から、グリーン・トランスフォーメーションの促進が求められています。
脱炭素電源や電気を安定供給するための制度の必要性が増していることから、2023年に「GX脱炭素電源法」が制定されました。
GX脱炭素電源法で「地域と共生した再エネの最大限の導入拡大支援」が導入されることから、再エネ特措法も2023年に改正が行われ2024年4月に改正再エネ特措法が施行されます。
追加投資部分への新買取価格の適用
既存の再生エネルギー設備を有効活用するために、太陽光パネルの増設・更新に関するルールが制定されました。
部分的に設備のパネルが破損している場合、新規でパネルを取り付けて最新価格で適用させることが可能です。
例えば、出力が200kWの既存設備に50kW分のパネルを増設した場合、価格の内容は下記になります。
既存の設備(出力200kW) | 既設の価格 |
---|---|
増設した設備(出力50kW) | 最新の価格 |
設備内に余っている遊休地を有効活用できるメリットがあります。
説明会等のFIT/FIP認定要件化
FITまたはFIP認定要件として、地域の住民に対し説明会の実施を求めることになりました。
説明会に関する概要は下記の通りです。
説明会をすべき再生可能エネルギー発電事業の範囲
- 高圧、特別高圧は説明会の開催を求める
- 低圧は説明会以外の事前周知を求める
- 屋根設置、住宅太陽光は事前周知の対象外
説明事項
- 事業計画の内容
- 関係法令の遵守状況
- 土地権原の取得状況 など
違反事業者へのFIT/FIP交付金の一時停止
作成した事業計画に従わないまま太陽光発電の運営を続けていると、経済産業省から指導の対象となり、場合によっては事業認定を取り消される可能性があります。認定が取り消されるまでの間、認定事業者は売電収入や供給促進交付金を受け取れることが問題になっていました。
改正再エネ特措法では、事業計画に反して事業を続けている事業認定者に対して売電収入や供給促進交付金を受け取れないようにしました。
委託先事業者に対する監督義務
太陽光発電の導入は、認定事業者が専門企業に各工程の作業を依頼して運用するのが一般的です。
改正再エネ特措法では、認定事業者に委託先に対する監督義務が生じます。監督義務は太陽光発電を運用するために必要な作業に生じ、主な例は下記の通りです。
- 設計
- 施工
- 完工後の保守点検
改正が施行される前から、委託先に対する監督義務が生じることを押さえておくことが大切です。
再エネ特措法や太陽光発電についてはグッド・エナジーにご相談ください
再エネ特措法が改正されることで、既存の再生エネルギー設備にパネルの追加投資を行いやすくなりました。
一方で、FIT/FIPの交付金取り消しや委託先に関する監督義務など規制が強化される項目もあります。
グッド・エナジーは、提案から施工、メンテナンスまで一貫して行う太陽光発電の専門企業です。
改正再エネ特措法やFIP制度に詳しい、導入前に念入りなシミュレーションを行うなど、お客様に最適な太陽光発電を提案するために日々技術を磨き続けています。
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