自家消費型太陽光発電に必要な手続き|設置の流れや補助金、電力会社への申請など
太陽光発電には、発電した電気を自社設備で使用する「自家消費型」と使いきれなかった電気を売電する「余剰売電型」の2種類があります。
本記事では、自家消費型太陽光発電の設置・導入までの流れや事前に必要な書類など、自家消費型太陽光発電の手続きに関して解説しています。
企業を選ぶときのポイントも解説しているので、自家消費型太陽光発電を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
自家消費型の太陽光発電の設置手続きの流れ
まずは太陽光発電の事業会社にお問い合わせをします。
比較・検討のポイントは、なるべく太陽光発電設備の提案から工事までを通して行っている企業を選定するようにしましょう。自家消費型太陽光発電の設置は、主に下記の流れで進行します。それぞれ詳細を解説します。
- お問い合わせフォームから相談
- 事業者による現地調査
- 見積もりの確認
- 契約・施工開始
- 設備の引き渡し・利用開始
①お問い合わせフォームから相談
太陽光発電の事業会社は、大きく「販売会社」と「施工会社」の2つに分かれています。
太陽光発電の販売会社は、お客様に最適なプランの提案やシステムの設計を行うことが主な業務です。パネルの特徴や保証について詳しいので、お客様に適した自家消費型太陽光発電を始めることができます。
太陽光発電の施工会社は、販売会社から依頼があった際に太陽光発電の施工を行います。設置に必要な部品は、パネルや配線、パワコンなどです。施工は、第一種電気工事士など、専門の資格を持った担当者が責任をもって行います。
中には、売電のみで自家消費型太陽光発電を扱っていない販売店も存在します。検討の際は、自家消費型太陽光を専門で行っている企業への問い合わせがおすすめです。
グッド・エナジーは自家消費型太陽光発電を専門に取り扱っているので、お気軽に無料問い合わせフォームよりご相談ください。
②事業者による現地調査
お問い合わせ後は、太陽光の専門家が現地調査を行います。「そもそも搬入路を確保できない」「設置後、パネルに影がかからないか」など、様々な観点から念入りに設置場所の調査を行います。
後に太陽光発電を設置できないことを防ぐためにも、現地調査は重要な作業です。
現地調査の作業例としては、下記のものがあります。
- 建物図面通りに自家消費型太陽光を設置できるかの確認
- 配線の取り回し
- 屋根の状態を確認
中には、現地調査を行っていない企業も存在します。
企業を調べる際は、現地調査の有無や補助金の代行サービスなどサポート面について確認しておくといいでしょう。
③見積りの確認
現地調査が行われた後に、見積もり書が発行されます。見積もり書は複数の企業からもらうことを推奨します。
内訳を記載せずに、合計費用だけ送付する企業も存在するからです。見積もり書を依頼する時は、下記の項目を注意してみてください。
- 見積書依頼から発行までがスムーズ
- 費用の内訳が細かく記載されている
- 明らかに費用が高い箇所がないか
後々のトラブルを防ぐためにも、見積書の内容はしっかりと確認しておきましょう。
④契約・施工開始
契約前の現地調査や見積もり書の発行は、基本的に無料で行われることが多いです。
太陽光発電の提案内容や見積書の内容に同意できたら、契約の手続きを進めていきます。
工場の屋根などに太陽光発電設備を設置する場合は、稼働状況を事前に把握して工事日程を調整する必要があります。事前に企業の担当者へ連絡し、工事日程について打合せをしておきましょう。
⑤設備の引き渡し・利用開始
施工が終わったあとは、施工の担当者が設備の稼働や配線の整備状況などを最後に確認して、設備の引き渡しを行います。問題がなければ、太陽光発電の利用を開始できます。
余剰売電型は認定通知書の取得が必要
余剰売電型においては、接続検討のほかに、国から事業計画認定通知を取得する必要があります。事業計画認定通知は、FIT制度を活用して売電を行う時に必要な手続きです。認定通知書には、下記の項目が記載されています。
- 所有者の情報
- 発電設備の情報
- 事業の認定日
認定通知書を取得するまでには、3~4ヵ月の期間を要するので覚えておきましょう。
自家消費型太陽光発電の設置に必要な申請
太陽光発電を設置する際は、以下の3つに手続きや申請が必要です。
- 経済産業省への申請
- 電力会社への申請
- 消防署への申請
経済産業省に申請は、法律に基づいて太陽光発電事業を行っている証明になります。
申請をしないまま太陽光発電を行うと罰則の対象になることがあるので十分に気をつけましょう。
申請・手続きに関して分からないことがある場合は、必ず太陽光発電の事業会社に相談しておくことが重要です。
経済産業省への申請
経済産業省への申請は、低圧区分や高圧区分、特別高圧区分、余剰売電など、出力によって申請する手続き方法が変わります。それぞれ特徴を解説します。
低圧区分の場合
低圧区分は、出力が10kW以上50kW未満の設備が対象です。後述する高圧と異なり、電気主任技術者の選任が免除される特徴があります。
低圧の太陽光発電は、電気事業法で小規模事業用電気工作物と定められています。導入に関する工事は、第二種電気工事士・第一種電気工事士のみ行うことが可能です。
2021年4月1日より事後報告の制度が改定されたことで、低圧区分の発電設備も事故発生時の報告が義務となりました。主な事故の例は、下記の通りです。
- 感電により人が入院した場合
- 太陽光パネルが原因で発生した火災
- 太陽光パネルの飛散
高圧区分の場合
出力が50kW以上の太陽光発電は高圧区分です。高圧の太陽光発電は、法律で自家用電気工作物に指定されていて、安全な運用・管理を心がける必要があります。
安全な運用・管理を行うために、保安規定の策定が必要になり、保安規定の策定は電気技術主任者が行います。そのため、電気技術主任者の選定も必要です。
もし、社内で選定が難しい場合は、太陽光発電の事業会社に外部委託できるか相談してみましょう。
事故を最小限に抑えるためにも保安規定の策定は重要です。
電気技術責任者は、高圧太陽光発電の稼働前に、経済産業省保安監督部まで書類を提出する必要があります。
特別高圧区分の場合
出力が2,000kW以上の太陽光発電は特別高圧区分です。高圧の太陽光発電と同様に、「保安規定の策定」や「電気主任技術者の専任」が必要になります。
ただ、特別高圧の場合は、電気主任技術者を社内から選定しなくてはなりません。
また、設置工事30日前までに、「工事計画届出書」の提出が必要です。
高圧と特別高圧の太陽光発電の申請の違いは以下の通りです。
保安規定の策定 | 電気主任技術者の選定 | 工事計画届出書 | |
---|---|---|---|
高圧 | あり | 社内or外部委託 | なし |
特別高圧 | あり | 社内のみ | あり |
余剰売電型の場合
余剰売電型の太陽光発電の場合、通常の手続きに加えて「事業計画認定申請」を経済産業省に申請する必要があります。
事業計画認定申請が通ることで、法的な範囲で売電事業を開始することが可能です。
発電設備の容量によって申請方法は異なります。例えば、発電所が50kW未満の場合は、webページから申請を行うのに対し、50kW以上の場合は、封筒で経済産業省まで送付します。
申請に必要な書類には、パネルやパワコンの仕様について記載がある「発電設備の証明書」などが必要です。必要な書類の例として、下記のものがあります。
- 発電設備の証明書
- 構造図
- 配線図
申請は売電事業を始める前に行う必要があるので、申請の期間を見据えたスケジュールを事前に立てておきましょう。
電力会社への申請(電力申請)
電力申請の工程で必要になる主な書類は下記の通りです。電力会社によって必要な書類が異なる場合があるため、詳しくは各電力会社にお問い合わせください。
接続検討の申込み時に必要な書類
- 発電設備の仕様
- 単線結線図
- 平面図
- 発電設備の容量
- 負荷設備の容量
接続契約の申込みに必要な書類
- 発電場所
- 連系地点の電圧
- 発電場所の受電設備/負荷設備
- 発電電力/電力量の計画
- 連系サービスの開始希望日
消防署への申請
蓄電池設備を導入する場合は、消防署への申請が必要になるケースがあります。
具体的には、4800Ah・セル以上の蓄電池設備が当てはまります。
太陽光発電を設置する施設が「危険物設備」に該当する場合、火災などのリスクをより警戒しておく必要があります。
申請が未提出の場合は、罰則の対象になる可能性があるので注意が必要です。
消防署への申請が必要になるか分からなければ、事前に企業の担当者まで確認しておきましょう。
また、消防署への申請は、蓄電池設備を設置する7日前までに申請する必要があるのでこちらも注意が必要です。
自家消費型太陽光発電の補助金申請の手続き
太陽光発電を設置するときは、都道府県や地方自治体が実施している補助金を活用することができます。
補助金を活用すれば投資回収期間が早まることがあるので、太陽光発電の事業会社が補助金の申請代行を行っている場合は積極的に依頼しましょう。
2023年度の主な補助金には、下記のものがあります。
- ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業(環境省)
- 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金等に係る補助事業者(環境省)
- 地産地消型再エネ増強プロジェクト(東京都)
下記の記事では、自家消費型太陽光発電の補助金の詳細を解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
自家消費型太陽光発電を事業者へ相談する前に準備すべきもの
自家消費型太陽光発電の設置は、建物図面や直近1年分のデマンドデータなどの書類を揃えておくと、発電シミュレーションや現地調査の作業を円滑に進めることができます。
発電設備を自社施設の屋根に設置する場合は、建物の構造が示されている「建物図面」を用意します。施設の電気回路を単線で表した「単線結線図」も用意しておくといいでしょう。
事前に準備しておくと良い書類は下記の通りです。
- 直近1年分の電気明細書
- 直近1年分のデマンドデータ
- 建物図面
- 単線結線図
【まとめ】自家消費型太陽光発電の設置には多くの手続きが発生します。グッド・エナジーにお任せください
自家消費型太陽光発電の設置は、本記事で解説した現地調査や電力申請、補助金の申請など、多くの工程が必要です。特に、補助金の申請を自社で行うと負担が大きいため、補助金申請代行のサポートを行っている太陽光発電の事業会社を選ぶことが重要です。
グッド・エナジーではお客様の負担が最小限になるように、自家消費型太陽光発電の設置を行っています。
現地調査では、屋根の状態の確認や配線の取り回し、設置する機材の場所の確認など、丁寧なサポートを心がけています。
補助金の代行申請も行っていますので、自家消費型太陽光発電の設置を検討したらお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。
今が自家消費型太陽光発電の
導入チャンス!
自家消費型太陽光発電の導入なら、
累計500件以上 の
施工実績を誇る
私達が法人様向けの太陽光のお悩みを
トータルサポートします。