自家消費型の太陽光発電とは?種類や5つのメリット
近年、電気料金の高騰は、企業運営にとって大きなコスト負担になることから、自家消費型太陽光発電への関心は益々高まっております。
同時にCO2の排出量を削減することで企業価値を向上させることを目的として、自家消費型太陽光発電を導入する企業も増えております。
これら、現実的課題である「電気料金の削減」と将来的課題である「CO2の削減」のように実益性と社会性を兼ね備えた自家消費型太陽光発電について解説していきます。
目次
自家消費型の太陽光発電とは
自家消費型太陽光発電とは、自社の建物、工場、店舗などの屋根や、敷地内の空いている土地(遊休地)に太陽光発電を設置し、創られた電気を建物内で利用している自社の電気設備(照明、空調、パソコン、エレベーターなど)の電気へ優先的に割り当てることを「自家消費型太陽光発電」と呼びます。
太陽光発電は午前から午後に掛け、太陽が出ている時間帯に発電することから、昼間の電気使用量が多く、かつ土日や祝日などの休業日がない365日稼働しているような施設は、太陽光発電で創られた電気を極力余すことなく消費に割り当てることが可能になるため、自家消費型太陽光発電に向いている傾向にあります。
自家消費型の太陽光発電の種類
自家消費型太陽光発電は、「全量自家消費型」と「余剰売電型」に分かれます。
完全自家消費型とは、太陽光発電で創られた電気を建物内の電気で全て消費することです。もし発電した電気が利用する電気よりも多い場合、全て消費することが出来ない為、余剰電力が発生します。
そこで、余剰電力が極力発生しないよう、設置する太陽光発電の容量を調整し、余剰電力が発生しても逆潮しないようシステムでコントロールする必要があります。
一方、余剰売電型は自家消費後の余った電力は売電します。もともとの電気使用量が少ない企業や、設置する太陽光発電の容量が大きい場合に余剰電力を売電することで売電収入という経済効果を得ることも可能になります。
自家消費型太陽光発電の5つのメリット
自家消費型太陽光発電を導入することで多くの企業はどのようなメリットを享受できるのか。自家消費型太陽光発電のメリットをご紹介します。
電気料金の削減ができる
家消費型太陽光発電は、創られた電気を今使用している電気に優先的に割り当てるため、使用電力量を減少させることで、結果的に電気料金を下げることが可能になります。
電気料金は年々高騰しているなか、企業のコスト負担軽減を考えたとき、太陽光パネルを設置できるスペースを確保できるのであれば、自家消費型太陽光発電は強力な解決策となります。
また、土日や祝日の休業日や日中でも使用する電気料金が少ない場合、余剰電力が発生しますが、売電させることで収益の期待が出来ます。自家消費型太陽光発電は電気料金の削減だけでなく、プラスの経済効果を生むメリットがあります。
災害時の非常用電源として利用できる
太陽光発電設備に自立型のパワーコンディショナーを利用することで、太陽光発電が稼働する日中の時間帯に限られますが、停電時などに非常用電源として利用することができます。
また、蓄電池を併用し、余剰電力を蓄電池へ蓄電させることで、太陽光発電が稼働しない夜間の電気に利用することも可能となります。もちろん、蓄電池の電気は停電などの発災時用に非常用電源として確保しておくことも可能となります。
CO2の削減による企業価値の向上
太陽光発電は「クリーンエネルギー」として注目されています。では、クリーンエネルギーとは何を指すでしょうか。
分かりやすく対比される発電方法として火力発電が挙げられます。火力発電は、化石燃料を燃やすことで得られた熱エネルギーを電気エネルギーに変換することで電気を創り出す方法になるため、電気を得られる代償としCO2を排出します。
一方、太陽光発電は太陽光さえあれば電気を創り出すことが可能です。つまり、太陽が動き続ける限り、発電自体でCO2を排出することなく、半永久的に電気を創り出すことが可能となります。
近年、RE100、SDGsを始めとするCO2削減による脱炭素化社会を実現するための様々な取組みが世界的に広がりを見せています。また、ESG「環境/Environment」、「社会/ Social」、「ガバナンス/Governance」へ積極的に活動する企業に対する投資「ESG投資」も普及が始まりました。
自家消費型太陽光発電を導入は、CO2削減という世界的な課題解決へ貢献するため、企業価値を向上させることが可能となります。
土地の有効活用ができる
自家消費型太陽光発電は太陽光パネルを設置できる建物があれば実現できますが、中には建物が小さく太陽光パネルの設置スペースが確保できない、屋根スペースは確保できるものの高さが30mを超える、屋根にキュービクルや室外機などが設置され、太陽光パネルを設置するスペースを確保することが難しい、新耐震基準が施工された1981年6月以前の建物で建物強度に不安がある、などの理由で設置することが難しいケースがあります。
もし建物の敷地内に遊休地があるならば、自家消費型太陽光発電を設置することが可能になり、土地の有効活用をしながら電気料金の削減とCO2の削減を実現できます。
税制優遇や補助金を受けられる
税制優遇
自家消費型太陽光発電の主な税制優遇制度は、「中小企業経営強化税制」、「中小企業投資促進税制」、「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」の3つの中でいずれかを利用します。また、一定条件のもと固定資産税を軽減する「固定資産税の特例措置」についても受けられる可能性があります。
「中小企業経営強化税制」では、「即時償却」または「税額控除10%、7%」
「中小企業投資促進税制」では、「30%の特別償却」または「7%の税額控除」
「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」では、「通常の減価償却費とは別に50%までを追加で特別償却」または「投資額の10%の税額控除」もしくは「投資額の5%の税額控除」
「固定資産税の特例措置」では、3年分の固定資産税に限り、設備の課税標準額が3分の2に減税されます。
ただし、いずれも導入する自家消費型太陽光発電の条件や法人規模などにより受けられる税制優遇は変わりますので、注意が必要となります。
補助金
自家消費型太陽光発電は補助金を利用することで導入がしやすくなってきています。
特に各自治体では中小企業を中心に補助金による導入支援を受けられます。東京都と神奈川県の補助金は以下の通りです。
<東京都>
【再エネ発電・熱利用設備】
中小企業:3分の2以内(上限:1億円)
その他企業:2分の1以内(上限:7,500万円)
【蓄電池(再エネと同時導入)】
中小企業:4分の3以内(上限:1億円)
その他企業:2分の1以内(上限:7,500万円)
<神奈川県>
神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金
再生エネ設備:1kWあたり6万円(大企業の場合は上限1,000万円・中小企業は上限なし)
蓄電システム:1台あたり15万円
自家消費型太陽光発電の4つのデメリット
ここまで自家消費型太陽光発電について、電気代を削減しながら社会貢献し、尚且つ税制優遇を受けらえる可能性があるとメリット先行ですが、一定のデメリットも存在することもお伝えします。
設置するためのスペースが必要になる
自家消費型太陽光発電で自社の電気をある程度賄うためには、相応のパネル枚数が必要になってきます。
もちろん、現在使用している電力量がそこまで多くない企業にとっては、少ないパネル枚数でもある程度の電気料金削減は可能でしょう。しかしながら、大規模な電力消費が必要な工場や施設では、広範囲な設置スペースの確保が必要になってきます。
一般的には100㎡で10kW程度のパネル設置が可能です。屋根が狭小の場合は発電量が不足する可能性があります。
そこで、屋根以外でも「駐車場」や「敷地内の遊休地」を活用することで、屋根だけでは不足する発電量をカバーすることが可能となります。
古い建物や屋根の補修を定期的に実施していない建物など、もともと設置要件に満たない建物に該当する場合は、屋根以外に設置することも検討する必要があります。
初期費用がかかる
自家消費型太陽光発電の導入には、初期費用として数百万円からの投資が必要になってきます。
初期費用の大きな内訳として、一般的には1kWで15~25万円の相場で設備代金、工事代金等と言われていますが、設置する太陽光発電の設備容量の他にキュービクルなどの受変電設備にも大きく左右されるため、あくまで参考数値にしかありません。
しかしながら、発電した電気を100%近く自家消費で利用できる場合、一般的には10年かからずに削減した電気代で初期費用を回収することを想定されるお客様が多いのも現状です。
また、現在は補助金の利用や税制優遇を受けることで償却期間を更に短くすることが可能となります。
初期費用のご用意が難しい場合、リースやローンをうまく利用することで、導入しやすくなっているのも自家消費型太陽光発電の良い点の一つと言えます。
天候によっては発電ができない
自家消費型太陽光発電は、天候により発電量が大きく影響されます。晴れの日に比べると曇りの日の発電量は90%程度まで減少し、雨の日や雪の日は発電量は期待できません。
現在は過去の天候に基づいた精緻な発電シミューレーションにより、年間予想発電量を正確に算出することが可能になっていますが、天候はいつどうなるか予測不能であるため、必要以上に過度な期待はしてはいけません。
そこで、もう一つの手段として蓄電池の導入です。日中に自家消費に回しても余った電力を蓄電池へ充電しておき、昼間が曇りの日であっても蓄電池の電気を利用することで、太陽光発電の電気を有効活用することが可能になります。
蓄電池の導入も補助金の利用や税制優遇を受けられるものもあるため、自家消費型太陽光発電と同時に検討してみはいかがでしょうか。
定期的なメンテナンスを行わなくてはならない
自家消費型太陽光発電は電気設備の一つですが、簡単に故障する、発電が止まるような事象は置きません。ただし、定期的なメンテナンスを怠ると、思わぬ発電量の低下や故障・事故を引き起こします。
また、故障したことに気づかないまま放置することで、本来得られたはずの経済効果を捨ててしまう可能性もあります。よって、専門業者による定期メンテナンスが必要になってきます。
メンテナンス費用は、自家消費型太陽光発電の設備規模やメンテナス内容によって大きく異なりますが、2022年12月の資源エネルギー庁のデータによると年間5,400円/kWです。出力20kWではおよそ年間10万円になります。
メンテナンス方法としては、「目視点検」、「測定機器による数値測定」の2種類があります。
目視点検では、太陽電池アレイ架台(太陽光パネル)、中継端子箱(接続箱)、PCS、太陽光発電用開閉器を主にチェックします。
測定機器による数値測定では、電気設備の安全試験(検電、接地抵抗、絶縁抵抗、耐圧測定、継電器試験)、発電状況調査(電圧測定、I-Vカーブ測定、故障位置測定)などが挙げられます。
詳しくはこちらで解説していますので、確認してみてください。
自家消費型の太陽光発電を導入する流れ
自家消費型太陽光発電は、屋根に設置して発電を開始すれば終わりというものではありません。最初の設計で20年を目途に導入を検討するのが一般的です。
つまり、最低でも20年間は屋根に設置されているものになるため、電気工作物を屋根の上で長期間、安全に稼働させる必要があります。
太陽光発電の工事について、いかなる許可を有する業者が受注できるかについては、再エネ特措法が施行された当初必ずしも明らかではありませんでしたが、国土交通書の最終改定令和4年12月28日付総合政策局建設業課長発「建設業許可事務ガイドラインについて」においては、「屋根一体型の太陽光パネル設置工事は『屋根工事』に該当する。太陽光発電設備の設置工事は『電気工事』に該当し、太陽光パネルを屋根に設置する場合は、屋根等の止水処理を行う工事が含まれる。」と明記されています。
一般的な屋根設置型の太陽光発電はパネルと架台が屋根材と別であるため、これら屋根工事に抵触しませんが、屋根工事に関する建設業許可を得ていることは業者選定の一つと言えるでしょう。
その他、複数の業者から見積りを取得して、お客様の予算と工事内容に合致する工事を行うことができるかどうか、総合的に判断することが求められます。
詳しい手続きについてはこちらをご参照ください。
【まとめ】自家消費型の太陽光発電は、グッド・エナジーにお任せ下さい
当社は、当社が売りたいプランではなく、お客様に一番メリットがある最適なプランを提案させていただきます。
自家消費型太陽光発電は、
- FITを使う・使わない
- 完全自家消費にする・余剰にする
- 補助金を使う・使わない
- 税制優遇を使う・使わない
など、様々なプランの取捨選択が考えられますが、販売店によっては、販売店にメリットのある提案内容を固定化する傾向があります。
当社ではこれまで培ってきた専門知識と技術を生かし、お客様の現状と今後を見据え、お客様にとって一番のメリットがある最適なプランを提案させていただきます。
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