バイオマス発電の将来性は高い?メリットや課題、普及が遅れている理由も解説 | 太陽光 | 再生可能エネルギー | 株式会社グッド・エナジー

バイオマス発電の将来性は高い?メリットや課題、普及が遅れている理由も解説

バイオマス発電の将来性は高い?メリットや課題、普及が遅れている理由も解説

バイオマス発電は、木質系の素材や家畜の糞尿を燃料として発電を行う方式です。「燃料枯渇」のリスクが低いという観点から注目を浴びています。

一方で、バイオマス発電は太陽光などの再生可能エネルギーと比較して普及が遅れているなどの課題もあります。

本記事では、バイオマス発電の普及が遅れている理由や対処法、将来性が高い理由について解説しています。バイオマス発電について詳しく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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バイオマス発電とは

バイオマス発電所は、以下の言葉が由来の発電設備です。

  • Bio(バイオ):生物資源
  • mass(マス):量

上記2つの語句を組み合わせ「バイオマス発電」と呼称されています。

バイオマス発電は太陽光を電力に変換するシステムとは異なり、廃棄物を高温で燃焼又は蒸すことで発生するエネルギー源を元にタービン(大きな歯車)を回転させ発電を行います。

燃料として使用する廃材も種類が多く、以下の種類の燃料が使用されています。

  • 木質系
  • 農業・畜産・水産系
  • 建築廃材系
  • 食品産業系
  • 製紙工場系
  • 生活系

上記の燃料は、人間が活動している以上「燃料枯渇」の心配が少なく優れています。

一方、安定した出力を得られるのか?という部分も課題となっており、火力・原子力とともにバランスを取り普及することが重要です。

バイオマス発電は、発電工程でCO2の排出・吸収量が実質的にプラスマイナスゼロで発電できるクリーンな発電設備となり注目を浴びています。

バイオマス発電の将来性が高い理由3つ

「廃棄物を有効活用できる」など、バイオマス発電の将来性が高い3つの理由を解説します。

カーボンニュートラルの実現に寄与する

カーボンニュートラルとは、日本政府が「2050年までに温室効果ガスの排出を実質的にゼロを目指す」取り組みになります。(植物が吸収する総量と排出量がゼロを目指す)

バイオマス発電の場合、燃焼で出た温室効果ガスは燃料である廃棄物から出たガスであり、物理的に空気中の温室効果ガスを増やさないため、エコでクリーンなエネルギーです。

生産活動で出た廃棄物を燃料として発電することで、エコでクリーンな「循環型社会」の構築に繋がり、地域活性化・地域雇用活性化も期待されています。

参考:カーボンニュートラルとは

発電量の調整を行いやすい

バイオマス発電は発電量の調整が容易です。すでに生成されている廃棄物を利用して発電するシステムのため、廃棄物量を調整することで需要に合わせた発電量を得ることができます。

そのため、以下のような発電量調整が容易に可能です。

  • 発電量上昇場面では燃料を多く使用する。
  • 発電量を制限したい場面では、燃料を減らす。

上記とは異なり、太陽光・風力発電などは、以下の気象条件に大きく左右されます。

  • 日照時間
  • 天候
  • 外気温
  • 風量
  • 日射角度

バイオマス発電は需要に合わせた発電量の調整が可能なため、生物資源などの燃料があれば安定した電力供給が可能です。

廃棄物を有効活用できる

バイオマス発電の魅力は、廃棄物を有効活用できる点です。廃棄物は今まで、ゴミ焼却施設などで燃やされ、灰となり埋め立てられている現状がありました。

廃棄物を燃料とすることで、家畜の糞尿や食品廃棄物などを有効活用することが可能です。

そして何より、新たなビジネスモデルの構築も可能で、「廃棄物生成~廃棄物回収~運搬」などにより地域雇用の活性化にも繋がります。企業も再生可能エネルギー事業を大々的にアピールすることが出来るので、イメージアップすることが可能です。

日本国内でバイオマス発電の普及が遅れている理由

将来性に期待が持てるバイオマス発電ですが、なぜ日本国内の普及が遅れているのか?その理由を解説します。

発電コストが高い

バイオマス発電は、太陽光などの自然エネルギーを使い発電する設備とは違い、別途燃料が必要になり、コストも上昇します。

燃料供給するビジネスモデルも、現在形にはなっておらず、サプライチェーンなどの構築も進んでいないのが現状です。

サプライチェーンとは、最終消費者に届くまでのサイクルを表し、商品の製造→運搬→販売→消費の一連の流れを表した言葉になります。

このような現状から、「発電のための燃料代が高くなる=発電コストが高い」ということに繋がっています。

発電コストを下げるには、原価を下げる方法や運搬製造費などを下げる方法などもありますが、コストを下げて利益になるのか?という部分も新規事業者の参入を妨げている原因です。

安定した燃料を確保しづらい

バイオマス発電の燃料となる木質素材は、安定した確保が難しくなります。1つの理由として、木質素材を採取する農林などの一次産業は、就業者が減少傾向にあります。

厚生労働省の発表では、「1971年は、17.4%」となっていますが、「2017年は、3.3%」と労働人口は約1/5まで減少しています。

また、バイオマス発電は一般家庭の排泄物なども資源として活用できますが、生産量が大きく変動するリスクがあります。

将来的に、燃料の安定供給ができるビジネスモデルとサプライチェーンの構築が必要になると言えるでしょう。

参考:【厚生労働省】産業別の就業者数(就業者シェア)の推移

設備が小規模分散型になっている

バイオマス発電は、小規模分散型設備になる特徴があり、コストがかかる点が課題となっていました。

ただ、小規模分散型の設備は、地域で収集した資源を地産地消できる観点から注目を集めています。広範囲より廃棄物を仕入れる必要性がなくなるなどの理由より、今後は小規模分散型の設備への期待が高まっています。

近隣住民から苦情が入ってしまう

バイオマス発電を運営する場合、地域住民とのコミュニケーションが重要です。環境エネルギー政策研究所によると、以下のような近隣住民とのトラブル例が発表されています。

  • 騒音
  • 異臭
  • 景観悪化
  • 光害
  • 低周波振動

長期運用にあたり、周辺地域住民との適切なコミュニケーションが大切です。

参考:【環境エネルギー政策研究所】自然エネルギーと社会的合意形成

バイオマス発電の種類

続いて、バイオマス発電の種類について解説します。

直接燃焼方式

直接燃焼方式とは、バイオマス燃料を直接燃焼して発生した水蒸気を利用し、蒸気タービンを回転させて発電を行う方式です。

一般的な火力発電所と同じような仕組みになります。直接燃焼方式は、小規模設備では効率が悪く、大型設備向きの方式です。

そのため、安定した燃料供給が重要となります。

生物化学的ガス化方式

生物化学的ガス化方式とは、下水汚泥や家畜の糞尿が発酵することで発生する、メタンなどのガス(バイオガス)を燃料としてタービンを回して発電する仕組みです。

水分が多く燃えにくい廃棄物なども有効活用でき、ガス発熱量が高く高効率な仕組みとなります。

この方式で使う微生物は、空気を嫌う性質があり、空気に触れない状態で有機物を分解できるよう密閉した設備が必要となります。

熱分解ガス化方式

熱分解ガス化方式とは、空気(酸素)や蒸気などのガス化剤を利用して発電を行います。

高温で蒸し焼き(熱処理)にすることで、発生するガスを使用してタービンを回して発電する仕組みです。燃焼温度が比較的高く燃料を最大限活用できるため、規模の小さい発電所に向いています。

バイオマス発電普及のために国が行っている取り組み

バイオマス発電を普及させるために、国が行っている取り組みについて解説します。

FIT制度(固定価格買取制度)

バイオマス発電の電力は、他の再生エネルギー同様に2012年7月1日よりFIT(固定価格買取制度)の対象となっています。

バイオマス発電の売電単価は、太陽光発電と比べて高く、事業を展開する上では好条件がそろっています。

以下に、「2024年度におけるバイオマス発電と太陽光発電の売電単価」をまとめています。

太陽光発電売電単価バイオマス発電売電単価
住宅用(10㎾未満)16円一般廃棄物・その他17円
事業用地上型(50㎾以上)9.2円メタン発酵バイオガス35円
事業用地屋根型(50㎾以上)12円一般木材(10,000㎾未満)24円
出典:経済産業省 FIT買取価格

バイオマス発電は太陽光発電比べて売電単価が高く、事業効率という点で魅力がある投資先です。

バイオマス発電の補助金制度

バイオマス発電を導入する際に、国からの補助金を活用できる場合があります。以下に、補助金の事例を紹介します。

  • 木質バイオマス等の安定的・効率的な供給・利用システム構築支援事業(資源エネルギー庁)
  • 森林・林業・木材産業グリーン成長総合対策のうち木材需要の創出・輸出力強化対策(林野庁)

以下のように、各都道府県が独自に実施している補助金もあります。

都道府県補助金名
茨城県森林・山村多面的機能発揮対策交付金
山形県地域主導型再エネ導入支援事業
大阪府バイオプラスチックビジネス等推進事業補助金
東京都地産地消型再エネ増強プロジェクト補強
佐賀県佐賀市ゼロカーボン推進事業補助金

導入コストを抑えるためにも、国や各都道府県の補助金について確認しておくことが重要です。

第6次エネルギー基本計画における電力構成の変更

バイオマス発電は、政府が閣議決定した第6次エネルギー基本計画により、電源構成比が2.0%から3.7%〜4.6%まで上がっています。

第6次エネルギー基本計画とは、2030年を目標とした計画になり、第1次計画からスタートして国によって社会情勢などを考慮して定められたエネルギー基本計画です。エネルギー基本計画では、以下の項目(3E+S)が重要視されています。

  • 安全性
  • 安定供給(東日本大震災前20%を上回る概ね25%を目指す)
  • 経済性(2013年度9.7兆円→2030年9.2~9.5兆円にコストダウン)
  • 環境(欧米に引け劣らない、温室効果ガス削減 2013年度比-26%)

国が目指す、2050年カーボンニュートラルに向けてバイオマス発電所の普及も重要です。今後も第6次エネルギー計画に基づき、バイオマス発電の普及が重要視される中、新たな支援制度・補助金の導入が期待されています。

参考:【経済産業省】エネルギー基本計画の概要

太陽光発電所を売却してバイオマス発電に転換する方法もある

現在運営している太陽光発電所を売却して、バイオマス発電に転換することも可能です。太陽光発電の投資は長期間にわたり節税することが可能です。

一方、節税期間が過ぎてしまうと節税効果が無くなり、「運営を継続」や「設備の売却」など、出口戦略に悩みを抱えるポイントとなります。

ここからは、太陽光発電を関連付けて、以下のポイントを解説します。

  • そもそもバイオマス発電が向いている企業は?
  • 太陽光発電所を売却して資金を調達する
  • 太陽光発電所を高く売るためには?

生物資源を自社で管理している会社におすすめ

自社で生物資源を管理している企業とバイオマス発電所の相性は良いです。

生物資源を自社で管理しているため、燃料となる生物資源を他の地域より取り寄せる必要がなく、バイオマス発電に必要となる燃料コストを大幅に削減可能になります。

バイオマス発電は、売電単価が太陽光発電と比べて高く(バイオガス種別にもよる)、約2~3倍です。

今まで通り、生物資源を自社で廃棄物として処分するのではなく、バイオマス発電の燃料として活用することが可能です。

太陽光発電所を売却すれば資金調達できる

バイオマス発電所の導入には、参考までに以下の金額が必要とされています。

設備種別設備金額
ボイラー機器3,000~4,000万円
建屋・サイロ2,000~4,000万円
設計・計画・建設費用2,000~4,000万円
その他設備運営費用(メンテナンス・保守・点検)年間100万円

発電所の規模や使用するバイオ燃料によって金額は変動しますが、設備の導入費用が高額になることが分かります。太陽光発電所を売却することで、導入コストを抑えることが可能です。

買取業者に高価売却する

太陽光発電所を売却する際は、買取業者を活用することがおすすめです。買取業者は設備を直接買い取る業者で、売り手と買い手を繋ぐ「仲介業者」とは異なります。

太陽光発電所の売却を買取業者に依頼するメリット・デメリットを以下にまとめました。

メリットデメリット
中間業者をカットできるため、高価売却を期待できる相場を知らないと低い金額が提示される可能性がある
現金化まで1~2週間と買取までが早い売却までの期間が伸びると買取金額が下がる可能性がある

中古の太陽光発電所は「過去の売電実績が分かる」「運用までがスムーズ」などの理由から、投資家より注目を集め活況となっています。

太陽光発電の出口戦略に悩みがありましたら、設備の売却を検討してみるのも有効な手段です。

バイオマス発電はCO2排出量削減の観点から将来性が高い

本記事では「バイオマス発電の将来性」に関して解説を進めました。以下に本記事のポイントをまとめました。

バイオマス発電の将来性が期待されている理由
バイオマス発電の普及が遅れている理由
バイオマス発電の導入時に活用できる補助金
バイオマス発電の売電価格
バイオマス発電と相性が良い企業の特徴

バイオマス発電は政府が掲げているカーボンニュートラル実現のため、今後も普及が推進される設備です。サプライチェーンの構築が進めば、節税効果が高い事業・安定して収益を得る事業になる観点から期待されています。

すでに太陽光発電の投資を行っている場合は、所有している太陽光発電所を売却して初期導入コストを抑えることも可能です。

グッド・エナジーでは、中古の太陽光発電所の買取を行っています。無料の買取査定を行っており、最短即日で査定することが可能で、売主様からの問い合わせも増えています。太陽光発電所の運用でお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

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