太陽光発電は20年後でも売電できる?買取期間後の運用方法や3つの注意点を解説 | 太陽光 | 再生可能エネルギー | 株式会社グッド・エナジー

太陽光発電は20年後でも売電できる?買取期間後の運用方法や3つの注意点を解説

太陽光発電は20年後でも売電できる?買取期間後の運用方法や3つの注意点を解説

産業用太陽光発電の固定価格買取制度の期間は20年で、「20年後は売電できるのか心配」という声を聞きます。

結論から言えば、20年を過ぎても売電はできますが、価格は下がる予想です。

しかし、日本政府はCOP26のパリ協定や2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言していることから、今後も国内での太陽光発電の需要は高まるでしょう。

それぞれのフェーズでの運用方式とメリットを解説します。

固定価格買取制度終了(20年)後の太陽光発電はどうなる?

産業用太陽光発電の固定価格買取制度(FIT制度)の期間は20年で、法律で電力会社の買取が義務付けられています。

では、買取期間が終了した後も、電力会社に買い取ってもらえるのでしょうか。

産業用太陽光発電の固定価格買取制度は2012年に開始されたので、まだ終了を迎えた太陽光発電所はなく、決まっていることは何もないと言える状況です。

しかし、20年後も発電事業者と電気事業者との合意により買取価格を決め、買い取ってもらうことも可能でしょう。

買取期間終了後の売買
引用:経済産業省・資源エネルギー庁

日本国内の太陽光発電の需要は高まることが予想される

パリ協定を受け、日本では2030年度のCO2排出を、2013年度の水準から46%削減することを目標として定めました。

厳しい目標を達成しなければならないので、再生可能エネルギーへの大幅なシフトを余儀なくされており、国の再生可能エネルギー政策においては太陽光発電が有力な電源とされています。

GW(億kWh)2019年度導入量現行ミックス水準改訂ミックス水準
太陽光55.8GW(690)64GW (749)103.5~117.6GW(1,290~1,460)
陸上風力4.2GW(77)9.2GW (161)17.9GW(340)
洋上風力   -0.8GW (22)5.7GW(170)
地熱0.6GW(38) 1.4-1.6GW(102-113)1.5GW(110)
水力50.0GW(796)48.5-49.3GW(939-981)50.7GW(980)
バイオマス4.5GW(262) 6-7GW(394-490) 8.0GW(470)
発電電力量1,853億kWh2,366~2,515億kWh3,360~3,530億kWh
引用:再生可能エネルギー政策の直近の動向

また、日本は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言していることや、エネルギー安全保障の観点から、今後も太陽光発電の需要は見込まれます。

固定価格買取制度終了後の売電単価

20年間の産業用太陽光発電の固定価格買取制度(FIT制度)は2012年に開始された制度なので、2032年まで終了する発電所はありません。

実績がないので売電価格がどうなるのかはまだわかりませんが、固定価格買取制度が終了すると電力会社は買い取る義務がなくなるので、売電価格が低くなることが予想されます。

ただし、地球温暖化対策として日本政府は再生可能エネルギーを推進しており、現在も太陽光発電が主な電力になっています。

今後も再生可能エネルギーは、太陽光発電を中心に拡大していく目標を定めているので、買取制度がなくなることは考えにくいでしょう。

住宅用太陽光発電の買取期間後は?

住宅用太陽光発電の買取期間は10年間です。

買取期間中は法律により市場よりも高い金額で買い取ってもらえていましたが、買取期間が終了した11年目から電力会社が買い取る義務がなくなります。

電力会社は新たなプランを用意していますが、市場価格に連動していくので価格が低くなっていきます。

実際に大手の電力会社では、2022年の価格は17円ですが、終了後は7円〜9円が相場です。

しかし、新電力の中には大手電力会社より高値で買い取ってくれる会社もあるので、電気事業者を乗り換える人も出てきています。

買取期間20年後の太陽光発電の運用方式

買取期間 20年後の運用方式

買取期間の20年が終了した後は、どのような運用が考えられるでしょうか。

売電せずに自家消費に切り替えるか、今までと同じか別の電力会社で売電を続け事業を継続する場合と、土地の返却や設備の売却などをして廃業する場合があります。

それぞれ解説します。

自家消費に切り替えを行う

買取期間の終了後、売電価格は市場価格と連動するため価格は下がります。一方、買電価格はガスや灯油などのエネルギーの高騰から、価格は高くなると予想されています。太陽光を工場や倉庫、店舗などで自家消費することができる場合には、電気代の大幅な削減が可能です。なお、太陽光に蓄電池を併設することができれば、夜間も太陽光の電気を使うことができ、利用範囲は一層広がります。

同じ電力会社で売電を継続する

固定価格買取制度が終了しても、売電ができなくなるわけではありません。

現在契約している電力会社と継続して契約を結ぶことができます。

ただし、契約や価格は二者間の合意に基づき決定されるので、現在と同じ契約ができるかどうかは不明です。

市場価格に連動し売電価格は下がる傾向を認識をしておく必要があります。

住宅用太陽光発電の中には固定買取価格が終了したものもありますが、新たなプランを電力会社が用意しています。

産業用でも固定買取価格が終了した時には、新プランの提供があるかもしれません。

電力会社を変更して売電する

電力自由化にともない新規参入した「新電力」と呼ばれる電力会社に、大手の電力会社から変更し売電する方法も考えられます。

買取期間の終わった住宅用太陽光発電の電力を買い取っている新電力もあることから、産業用太陽光発電に対する新たなプランも作られる可能性もあるでしょう。

今後の行方を見守りつつ、新電力各社のサービスを調査することも重要です。

賃貸の場合は土地を返却する

土地を借りて産業用太陽光発電の事業を行い、固定買取価格が終了後に廃業する場合は、まず土地の賃貸借契約を解除します。

契約にもよりますが、設備の撤去費用を負担し撤去をし、土地の原状回復を行って返却しなければなりません。

契約内容を確認し、撤去費用と土地の整地などの費用を用意しておく必要があります。

太陽光発電設備/土地を売却する

太陽光発電所の土地と設備を両方所有しているなら、まとめて売却することもよいでしょう。

買取期間終了後は評価が低くなる可能性がありますが、売却費用で利益を得ることができます。

売電実績・メンテナンス保守管理・事故歴などを残しておくことで、買い手が付きやすくなるので、売却するしないに係わらず、きちんと整えておくべきでしょう。

太陽光発電所を売却するには、買い取り業者に依頼するか仲介業者に依頼するとスムーズです。

太陽光発電を20年間運用する時の注意点3つ

太陽光発電を20年運用していくには、3つ注意する点があります。

  • 売電しても赤字になるかもしれない
  • メンテナンス費用がかかる
  • 20年売電できるかわからない

それぞれ解説します。

①売電しても赤字になる可能性がある

固定買取価格が終了した20年後は電力会社と協議しての価格での売電となるので、価格の予測は立てにくいです。

住宅用太陽光発電の現状を見ると、2021年に固定買取価格が終了した後は、どの電力会社も軒並み低い価格になっています。

2023年6月時点での大手電力会社では、1 kWhあたり7円〜9円の買取単価となっており、固定買取価格で売電していた時と比べ半額前後になっています。

市場価格がベースとなるため、産業用太陽光発電の売電価格も下がると考えるべきでしょう。売電価格が大幅に下がると維持管理費が賄えないことを考えられるため、注意が必要です。

②設備が故障すればメンテナンス費用がかかる

太陽光発電設備の経年劣化は避けられません

通常、太陽光パネルの期待寿命は20~35年、またパワーコンディショナーの期待寿命は15年程度と言われています。

周辺装置である架台やケーブルなども劣化するため、交換や修繕が必要となります。

太陽光パネルやパワーコンディショナー、周辺装置も含め、交換する費用を考えておかなくてはなりません。

近年では、ケーブルの盗難も多く発生し、数千万円の被害が出ており、防犯カメラや保険対応など、今まで必要とされていない費用も計算しなくてはならなくなりました。

③売電を20年間継続できるか分からない

近年の気候変動で自然災害も頻発するようになりました。

太陽光パネルは何事もなければ20年〜30年使用できますが、集中豪雨による土砂崩れ設備もろとも崩壊したり、突風で吹き飛んだりと大きな被害が出ています。

設備が壊れてしまうと、継続するためにはより多くの費用が必要です。

メンテナンスを怠ると途中で故障することや、発電効率が下がることもあります。

また、エネルギー政策の転換により、売電できなくなる可能性はゼロではありません。

20年以内に運用方式を決めておくメリット

太陽光発電の固定価格買取制度終了までの20年の間に、運用方式を決めておくとよいと言えます。主なメリットを4つ紹介します。

また、早めに運用方式を決めることで制度が変更や終了しても慌てません。

設備を売却しやすい

固定価格買取制度の終了前に、その後の運用方式を決めるメリットは、太陽光発電設備や土地を売却しやすいことです。

太陽光発電に関することで何か問題が起こったり、国のエネルギー基本計画が変更したりすると、関係する法改正はたびたび行われます。

実際に太陽光パネルの廃棄問題が起こった時も、法改正が行われリサイクルすべき物になりました。

法改正で制度が変わると、売却や撤去するハードルが高くなり売却益が少なくなる可能性もあります。

固定価格買取が終わる20年よりかなり前の段階で方式を決めておくと、設備を売却しやすくなるでしょう。

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予期せぬ故障を防げる

太陽光発電設備は当たり前ですが経年劣化するので、架台、配線、パワーコンディショナーなどの周辺機器や、本体の太陽光パネルなど、定期的に交換や修理をする必要があります。

メンテナンスを怠ると故障を起こしやすくなるので、信頼のおけるメンテナンス専門業者に依頼すべきでしょう。

売電収入の見通しがあまりよくないと判断した場合や、様々な要因で事業を継続することが困難な場合など、早めに売却できるようメンテナンスの運用方式も決めておくことが大切です。

出力制御の影響を避ける

出力制御とは、電気の需要と供給を合わせるために、発電する量をコントロールすることです。

需要より供給量が上回ると、出力制御の対象となる発電所で出力が抑制されます。

出力抑制の影響を避けるためには、地域によって出力制御のルールが違うので物件選びが重要なポイントになります。

出力制御がかかると、発電した電気を電力会社に売電することができません。出力制御の影響で、太陽光発電の売却を検討する事業者もいます。

廃棄物の積み立て費用制度を避ける

2022年7月から、10kW以上の産業用太陽光発電設備の認定事業者に対して、太陽光パネルの廃棄費用の積立が義務化されました。

この制度は、発電事業終了後のパネルの放置や不法投棄を防ぐために作られました。

対象期間は固定価格買取制度が終わる日の10年前からなので、 2012年に運転開始した発電所は、すでに2022年7月から積立を開始しているので収益が減少しています。

収益が良いうちに発電所の売却を検討しておけば、積立制度による売電収入の悪化を防ぐことができるでしょう。

【まとめ】買取期間20年後に備えて太陽光発電の運用方式を考えておく

産業用太陽光発電の固定価格買取制度が終了する20年後について解説してきました。

20年を過ぎても売電はできますが、市場価格に連動するため売電価格は下がることが予想されます。

エネルギーに関する国際的な要請や、日本政府の政策に左右され不確定なことが多いですが、買取期間の20年間運用する時に注意することや、20年後の運用方式を早めに決めておけば慌てずに対処できます。

「売却のベストタイミング」や「所有物件の価値を知りたい」など、太陽光発電所に関する悩みがあれば専門業者に相談することが大切です。

グッド・エナジーは、太陽光発電の設計や施工、メンテナンスまでを一貫して行う企業です。産業用太陽光発電の買取実績は、300件以上と業界でもトップクラスです。太陽光発電の運用について、不明点があればお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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