太陽光発電の発電量が少ない原因は?パワコンの出力低下についても解説

もし発電量の減少が続いている場合、設備に問題や異常があるかもしれません。放置すれば、売電収入が減少するリスクがあります。
本記事では、以下の項目について解説を進めます。
- 太陽光パネルの経年劣化
- 太陽光発電システムの問題
- 発電量を最適化するポイント
発電量の減少が続いている場合は、原因調査と対策を講じることが重要です。ぜひ最後までご覧ください。
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目次
太陽光発電の発電量が少なくなる原因
太陽光発電の発電量が減少する原因を理解するために、「発電効率と変換効率」について知ることが重要です。
発電効率とは、太陽光パネル1枚が、太陽光エネルギーの何%を電気エネルギーに変換できるのかを示す指標です。
変換効率は、太陽光パネルを構成するセルなどが、太陽光エネルギーをどれだけ電気エネルギーに変換出来るかを示す指標となります。一言で例えると、太陽光パネル1枚の効率=発電効率となり、太陽光パネルを構成している最小部セルの効率=変換効率です。
太陽光発電の発電量が減少する理由は、大まかに5つあり、以下にまとめました。各項目に関して、次の章で詳しく解説します。
- 経年劣化
- 天候
- システムの故障
- 環境
- メンテナンス
太陽光発電の経年劣化
太陽光発電の経年劣化により、発電量が減少する可能性があります。
太陽光パネルが経年劣化する
太陽光パネルは、経年劣化する製品です。太陽光パネルの劣化割合は、一般的に、年数ごとに「約0.5~1.0%程度」とされています。
メーカーにより劣化割合は異なりますので、確認を行いましょう。太陽パネルが劣化する要因を、以下にまとめました。
- 設置環境
- 土壌に適していない
- 自然災害
太陽光パネルは、事業環境に適した性能と耐久性を有し、正しい施工方法(安全係数考慮)で設置すれば、年間の劣化割合を低減させることが可能です。設置から時間が経過している場合、今一度、太陽光パネルの設置環境を確認しましょう。
太陽光パネルに汚れが蓄積する
太陽光パネルに汚れが蓄積すると、発電効率は低下します。太陽光パネルが汚れてしまうと、吸収できる太陽光の量が減少し、放置すれば破損や電気的短絡に繋がります。
太陽光パネルが汚れてしまう原因と対策について、以下にまとめました。鳥の糞の場合、雨で流れにくいため、太陽光パネルの表面に汚れが残りやすくなります。
一方、花粉や落ち葉などは、雨で流れやすいですが、水下の太陽光パネルフレーム面に汚れが溜まり「腐食・錆び」の原因となります。定期的なメンテナンスと清掃をこころがけることが重要です。
設備に破損している箇所がある
太陽光発電設備が破損している場合は、発電量が減少する可能性があります。太陽光パネルを含む周辺機器は、破損するリスクがあり、定期的なメンテナンスが重要です。
例えば、太陽光パネルは目視点検により破損状況を確認可能です。一方で、パワーコンディショナーや受変電設備、その他電子機器などは目視による点検が難しいです。
普段より、「発電量が少ない、異音がする」「普段受信している信号が無い」などの異常がある場合は、専門業者によるテスター診断が必要となります。
目視点検による判断が難しい設備の場合は、積極的に専門業者に相談しましょう。
気温や天候による影響
続いて、気温・天候による発電量への影響を解説します。
太陽光パネルは高温に弱い
太陽光パネルは熱に弱く、高温環境では発電量が減少します。太陽光パネルの仕様により異なりますが、単結晶・多結晶シリコン系半導体は、熱に弱い特徴があります。
太陽光パネルは、「表面温度が25℃」の時に最大の発電量を生み出し、25℃を超えると、1℃上昇あたり約0.5%の発電量が減少します。
夏場では、パネルの表面温度は「約60℃」にもなり、発電効率は15~20%低下することが予測されます。
太陽光発電は、日射量が強い(多い)夏場に発電量が増加するのでなく、気温が低く日射量が強い(多い)春先(3~5月)に発電量が増加する傾向があります。
雨や曇りの日は発電量が落ちる
雨や曇りの日は、晴天時より発電量が減少する傾向があります。雨や曇りの日は、太陽光が雲などで遮られ、日射量が減少し発電量も減少します。
具体的な対策としては、以下のとおりです。
- 高効率パネルの導入
- 影の影響となる障害物の排除
- 蓄電システムの併用
- 精密シミュレーションの導入
特に「精密シミュレーション」「蓄電システムの導入」は、最も有効な対策です。事業地域の、季節変動や時間の影の影響も考慮したシミュレーションを行い、電力を貯めることが出来るシステムを併用すると、日射条件が悪い地域も発電量が見込めます。
太陽光発電システムの問題
太陽光発電システムに問題がある場合は、発電量が低下します。その要因に関して解説します。
パワコンが故障している
発電が止まっている場合、パワコンが故障している可能性があります。パワコンとは、太陽光パネルから出力された、直流電力を交流電力に変換する重要機器です。
パワコンが動かないと、電力は変換されず、電力会社への売電が不可能となります。(電力会社送電網は交流電力のため)
以下の現象を確認した場合、パワコンの故障を疑いましょう。
- 異音がする(機械音、電気短絡音)
- 異臭がする(焦げ臭い、生臭い)
- エラー信号が出る
過去には、パワコンハウス内の溝に動物が入り込み、ブスバー(電力端子バー)に接触して運転停止した事例も報告されています。施工業者と相談を行い、獣害対策も講じることが重要です。
接続不良が起こっている
電気部分の接続不良が起こっている場合、通常運転は不可能です。太陽光発電所は、以下のように各機器が接続されています。
- 太陽光パネル
- 接続箱
- 集電箱
- パワーコンディショナー
- キュービクル(受変電設備)
- 気中開閉器(PAS)※責任分界点
各重要機器は、上記のような流れで電気的接続が行われることで、太陽光パネルからの電力を売電することが可能です。
接続不良が一カ所でも発生すると、接続不良個所前後の電気回路が遮断され、電気が流れない可能性があります。
接続不良が起こる原因としては、以下のような項目があります。
- 施工不良
- 締め付けトルク不足
- 適正端子の知識不足
- 無資格での作業
専門的な分野のため、異常がある場合は、お抱えの施工業者に確認を行いましょう。
配線状況に問題がある
電気の接続不良と同様に、配線に問題がある場合も通常運転は不可能です。太陽光発電所では、配線(ケーブル)は電気的接続が行われるため重要な役割となります。
配線に不備があると、電気が遮断され、売電が行えません。配線状況に不備が起きてしまう主な原因は、以下のとおりです。
- 設置者の知識不足
- 適正ケーブルを使用していない
- 飛散物によって絶縁被覆が剥がれる
- 害獣により絶縁被覆が剥がれる
- メンテナンス中に、誤って傷をつける
配線(ケーブル)は人間で例えると血管の役割を担っています。配線に関する作業は、専門家が対応することが重要です。
設置環境の問題
太陽光パネルの設置環境も、発電量を大きく左右します。その要因について解説します。
太陽光パネルに影がかかる
太陽光パネルに影がかかると、発電量は減少します。影がかかることにより、一部のセルが発電不可能になり、全体的な発電量の減少につながります。
以下に、改善点と対策をまとめました。
- (北緯・緯度により)入射角を出しシュミレーションする
- パネル配置を工夫する
- 影の影響がある列のパネルの電気回路をまとめる
影を完全に排除することが難しい土地もあるため、まずは専門業者に相談することが重要です。
太陽光パネルを設置する角度
太陽光パネルを設置する角度は、発電量と関係するため重要な項目です。
一般的に、太陽光パネルの角度は30度が最適とされ、北海道のような高緯度地域では「35〜40度」、沖縄のような低緯度地域では「18〜20度」が理想とされています。
太陽光パネルの設置角度は、太陽光を最大限受光するために、よく検討することが重要です。施工業者と打ち合わせし、最大限の発電を期待できる角度を導入しましょう。
太陽光パネルを設置する方角
太陽光パネルを設置する方角は、発電量に影響します。太陽は東から登り南を通るため、南向きにソーラーパネルを設置することが理想です。
例えば、真南向きと比較した場合、真南向き以外では、以下のように発電量が減少する場合があります。
方角 | 発電量(%) | 減少率(%) |
---|---|---|
真南 | 100 | 0 |
南東・南西 | 95 | 5 |
東・西 | 85 | 15 |
北 | 65 | 35 |
適切な方角へ太陽光パネルを設置することが重要となります。
メンテナンス不足の問題
メンテナンス不足は、発電量に大きく影響します。以下に、メンテナンス項目と効果をまとめました。
メンテナンス項目 | 効果 |
---|---|
ケーブル絶縁測定 | ケーブルの早期劣化発見 |
パワーコンディショナー点検 | 電力変換効率の低下防止 |
雑草抜き、整地 | パネルにかかる影の影響を取り除ける |
遠隔監視装置の接点確認 | 太陽光発電所の異常の早期発見に繋がる |
太陽光パネル目視点検 | 太陽光パネルの変換効率低下を防ぎホットスポットの早期発見に繋がる |
定期的なメンテナンスは、長期事業を行う上で重要なポイントです。専門知識が必要な点検項目もあるため、詳しくは専門業者に相談しましょう。
太陽光発電の発電量を最適化するポイント
太陽光発電の発電量を最適化するポイントを3つ紹介していきます。
定期的にメンテナンスを行う
定期的なメンテナンスを行うことで発電量の最適化が図れます。特に、以下のメンテナンス項目は、優先的に行いましょう。
メンテナンス項目 | 優先する理由 |
---|---|
太陽光パネルの清掃・点検 | ホットスポットの早期発見 |
パワーコンディショナーの機器点検 | 異常電圧の感知・落雷などからの保護 |
各機器接地抵抗値確認 | 落雷などからの保護・安全設備作動 |
上記の表は、「発電量と設備の安全保護」の観点でまとめています。特に、「パワコン点検・接地抵抗値確認」は、設備や事業者の安全を確認できる内容になります。
接地抵抗値とは、自然災害(落雷)により、電気が発電所内に帯電せず、地面に流れる抵抗値(数値)のことです。
安全に事業を行うために、定期的にメンテナンスを行いましょう。
機器が故障していないか確認する
機器が故障していないか確認することで、発電量の最適化が可能です。重要機器も同様で、基本構造を知れば目視点検が行えます。
例えば、パワーコンディショナーは電力変換時に大量の熱を発生させますが、その発生した熱を別電源(100V)の冷却ファンで冷やす機能があります。
冷却ファンが故障すると、「パワーコンディショナーが温度異常」となり、発電しても売電ができずに機器故障に繋がります。遠隔監視装置などで、毎月の発電量の確認も重要ですが、太陽光発電の重要機器の基本構造を理解することで目視点検が可能です。
発電に最適な環境になっているか確認する
環境を見直すことで、発電量の最適化が可能です。太陽光パネルは、影の影響を受けると、一部のセルが発電不可能になり、全体的な発電量が減少してしまいます。
長期的な運用を前提に、以下のような影の要因を排除することが重要です。
- 雑草
- 木
- 住宅
- 電柱
- 柱上変圧器(電柱トランス)
全ての要因を排除することは難しい可能性があるため、可能な限り最適な環境へ整備しましょう。
まとめ:太陽光発電の発電量が少なくなる原因と対処法を解説
本記事では、「太陽光発電の発電量が少ない場合の原因と対処法」について解説を進めました。太陽光パネルの発電量が少ない場合、何かしらの原因が存在します。
異変や異常を感じたら速やかに調査を行い、自分自身で解決できない場合は専門業者への相談が重要です。
自分自身でも、最低限のシステム系統(システム構造)を理解しておくと、トラブル時に冷静に対処できるでしょう。
グッド・エナジーは、太陽光発電所の買取や販売、メンテナンスを行なっている企業です。太陽光発電の運用でお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
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