太陽光発電の企業の倒産は増加している?件数や理由をわかりやすく解説
2012年に始まった「FIT制度(固定価格買取制度)」を皮切りに、企業が太陽光市場に参入し、市場の活性化や新規設備の建設工事ラッシュが起こりました。
しかし、2014年以降は、太陽光発電の企業の倒産件数は増加傾向にあります。本記事では、太陽光発電の企業が倒産する理由など、以下について解説を行います。
- 太陽光発電の企業が倒産する理由
- 太陽光発電のメーカー企業が倒産するとどうなるのか
- 実際の倒産事例や倒産した企業の特徴
- 信頼できる企業を選ぶポイント
売電事業を行っている、太陽光発電の企業の倒産状況について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
太陽光に関連する企業の倒産が増えている
太陽光に関連する企業の倒産は増加傾向にあります。東京商工リサーチによると、2020年の太陽光発電の企業の倒産件数は54件となっています。
また、帝国データバンクによると、2021年度上半期(2021年4月〜9月)の期間では、太陽光発電の企業の倒産件数は39件と発表されていて、倒産する主な要因は以下の通りです。
- 販売不振に陥る
- 事業資金が不足する
- 事業計画の甘さ
上記の中でも一番多いのは「販売不振」で、2020年の販売不振での倒産件数は、37件となっています。太陽光発電も投資先として人気ですが、販売できないと事業資金・投資資金を回収できない状態に陥ります。
出典:【東京商工リサーチ】2020年度「太陽光関連事業者」の倒産状況
出典:【PRtimes】太陽光関連業者の倒産、21年度上期は39件発生 3四半期ぶり増加
太陽光に関連する企業の倒産が増えている理由
具体的に、太陽光関連企業はどのような理由で倒産してるのか?主な理由について解説します。
販売不振に陥ってしまう
2012年の「FIT制度(固定価格買取制度)」開始以降、全国各地で太陽光発電所の建設ラッシュが始まりました。
2012年以降の工事件数は増加の一方を辿り、当時は1つのゼネコン・サブコンでは処理しきれない工事件数となっていました。
そのため、技術力や実績がない企業なども太陽光発電の施工に参入していました。知識や実績がない企業が工事を行う場合、以下のような事態が予測されます。
- 予定の工期までに竣工しない
- 予定人員を超えて予算オーバーになる
- 予定の工期と出来高請求が合致しない
上記のような理由を背景に、2015年頃より、倒産する企業が増加傾向にあります。
不祥事が発覚して事業継続が困難になる
不祥事が発覚して事業継続が困難になるケースもあります。過去には、太陽光関連事業の名目で金融機関より約11億円の融資を受け、実際に融資金は事業には使用されず、借金返済などに充填された事例もあります。
太陽光関連業者の信頼性を調査する場合は、過去の不祥事を確認しておくと安全です。
また、もし不祥事を発見した際には、発注を控えるようにしましょう。信頼できる業者の特徴は、後ほど詳しく解説します。
固定買取価格が下落傾向にある
FIT制度(固定買取価格制度)の買取価格は下落傾向にあります。一例として、2012年度(FIT制度発足時)と2023年度の買取価格について、以下の表にまとめました。
年度 | 売電単価(1㎾h) |
2012年 | 40円 |
2023年 | 10円 |
表より、売電単価は約10年間で約1/4まで下落していることが分かります。売電収入を軸に経営方針を考えていた企業にとっては痛手となるでしょう。
さらに、売電単価の減少から、設備の投資意欲の低下にも繋がり「保守・メンテナンス」などを軸にしていた業者も新規の受注が難しくなっています。
数百億円規模の売り上げを献上していた企業も、倒産に追い込まれる事態となっています。
メーカーが倒産した場合どうなるのか?
太陽光メーカーが倒産した場合は、設備認定などが取得できなくなる場合があります。
設備認定とは、2017年4月に「事業計画認定」に変更された、発電設備の法令に対する適合性、および事業計画の実現性の審査のことです。
メーカーが倒産すると、保守・メンテナンス時の出力保障が受けられなくなる可能性も高まります。
出力保障とは、パネル・パワーコンディショナー・変電設備などの重要機器が一定期間出力が低下したときに、メーカー修理により対応できる保証です。
ほとんどのメーカーは、以下の数値を出力保障としています。
公称最大出力の90%
メーカーが倒産すると上記の保証が受けられなくなり、設備のトラブルに対してのリカバリー方法が無い場合、継続して事業を行うことが難しくなります。
事業者としては、「メーカー倒産時のリカバリー方法」を考えておくことも重要です。
実際に倒産した企業の事例
実際に倒産した企業の事例を以下の表にまとめています。
倒産要因 | 具体的なフローチャート |
事業資金の枯渇 | 工事入札で低入する(低価格入札) ↓ 低価格での工事受注 ↓ 下請け・孫請けにシワ寄せが来る ↓ 利益が薄くなり倒産する |
放漫経営 | バブル期に工事を大量受注 ↓ バブル期が終わると、失注が増える ↓ 技術・トータルサポート力に差が出る ↓ 工事受注難に陥り倒産する |
安価な価格での売却 | 設備を持たずに事業をする ↓ 余剰電力に粗利益を含め売電する ↓ 価格競争となる ↓ 粗利益を確保できず倒産する |
このような上記のケースに該当しないよう、FIT制度に頼り過ぎない経営方針と太陽光企業としてのブランド力や技術力を高めることが重要です。
倒産の可能性がある企業の特徴
続いて、倒産の可能性がある企業の特徴を紹介していきます。
工事の質が低い
倒産しやすい企業の特徴として、工事の質の低さが挙げられます。コストを抑えるために効率よく工事を進めるのは重要ですが、手抜き工事をする悪徳業者も存在します。
工事の質が低いと、台風でパネルや接続箱が飛んだり、雨で地盤沈下が進みアレイ全体が崩れることも危惧されます。
対処法の例として、目に見えない地盤工事などは、地盤が設計で指定された「N値(サウンディング試験)」に合格しているか、業者に確認しておくことも重要です。
過去に、N値の基準に達していないために、アレイが崩れてパネル同士が接触し、パネルが割れたケースが報告されています。
施工実績や販売実績が少ない
会社設立後、時間が経過しているのにも関わらず、施工実績・販売実績が少ない企業は注意が必要です。
特に「施工実績0」の企業については、事前に情報収集することを心がけましょう。施工実績がないという事は、発注者から何らかの理由で受注出来なかった可能性があるためです。
例えば、以下のような理由があります。
- 価格提示が相場から大幅にずれている
- 人員不足のために専属担当者がいない
- アフターサービスを専門業者以外に外注している
- 工事に関する専門性が欠けている
- 顧客に丁寧な対応をしていない
特に工事仕様の打ち合わせで、専門性がない会話が続く企業は注意が必要です。設計に対する根拠・適合法令などのエビデンスが出ない企業も同じく注意が必要となります。
アフターサービスが実施されない
アフターサービスが実施されない企業にも注意が必要です。安心できる企業は、「竣工してからが本当の企業としての価値」と考えています。
アフターサービスを口約束だけで行い、費用を請求してくる企業なども多いのが現状です。アフターサービスの実施を確認するためには、以下のようなポイントがあります。
アフターサービス種類 | 実施できる対策 |
現場保守点検 | 可能な限り現地立ち合い |
修繕工事 | 施工写真の提出・立会検査依頼 |
上記の方法を取ることで、口約束ではなく必ず現場で確認することができます。アフターサービスに疑問や不安がある場合は、一度業者に相談してみましょう。
倒産を避けるために太陽光発電所を売却する方法もある
倒産を避けるため、売電収入を軸に所有していた太陽光発電所を売却する方法もあります。
2017年頃より拡大を続ける「太陽光セカンダリー市場(中古市場)」は、2017年と比較し、2021年時点で4倍もの成長が見込まれるため活況となっています。
設備を売却することで、設備維持費・修繕費が不要になるのと同時に、新たな投資への事業資金を確保することが可能です。
中古の太陽光発電所は、新規設備より導入費用が抑えられることや、以前の売電単価が固定されているので投資家からも高く人気があります。
資金繰りに困っている場合は、無料買取査定のサービスを活用してみることもおすすめです。
以下の記事では、太陽光発電所を高く売却するポイントを解説しているので、合わせてご覧ください。
信頼できる企業を選ぶポイント
信頼できる企業を選ぶポイントについて解説を進めます。太陽光事業を始める事業者や、新たな設備導入を検討されている事業者は参考にしてみてください。
実績が豊富にある
過去の施工実績数は、企業における信頼度を表す1つの指標になるため、重視したい項目です。例えば、信頼できる企業の特徴として、以下の項目があります。
- 施工実績数が豊富にある
- 様々な土地・地形での施工実績がある
- 区役所受注案件などが豊富にある
- 自社で発電所建設を行い運営している
特に、自社で施工からメンテナンスまで一貫して行える企業は、技術力・サポート力に優れています。
また、掲載されている場合は、顧客からの口コミなども参考にしておきましょう。
技術力が高い
技術力の高さも信頼できるポイントの1つです。過去の施工実績数や、実際に施工した場所(土地の種類・場所・形)なども見ていきましょう。
こうした企業は、経験・技術が豊富で、顧客担当者だけでなく、施工管理する現場代理人も卓越した技術・知識力を保有しています。
日々変化する太陽光のトレンドに対応できるように、最新の機器・技術を駆使して施工を行い、過去の施工経験から基づいた判断で施工が進むので、安心して依頼することが可能です。
顧客アドバイスも適切で、悩みを抱えている事業者へ適切な選択肢を提示してくれます。
許認可の有無を確認する
工事を依頼する企業が「建設業の許可」を持っているか確認しましょう。
建設業の許可とは、1,500万円以下の工事を受注する場合、建設業事業者には必須の許可証になり、工事が適切に行えるかの指標です。
太陽光発電の建設工事では、電気工事がメインとなりますので、「電気工事業」の許可証についても確認しておきましょう。
電気工事業とは、500万円以上の電気工事を請け負う際に必要な許可証となり、専門技術が必要な電気設備工事で必要です。
例えば、工事種別としては以下の項目があります。
- 変電設備工事
- 構内配電設備
- 電源引込工事
- 照明工事
- 高圧配電工事
メガソーラー級の太陽光発電設備では、上記の工事が全て該当となります。また、許可証の確認と合わせて、現場代理人の経歴証明なども合わせると安心に繋がるでしょう。
まとめ:太陽光発電の倒産リスクに備えて設備の売却を視野に入れる
本記事では「太陽光発電の企業の倒産」に関して、以下のことを解説しました。
- 太陽光企業が倒産する理由
- 倒産しやすい企業の特徴
- メーカーが倒産した場合の対処法
- 信頼できる企業を選ぶポイント
- 設備を早期売却する方法もある
前述した通り、販売不振の理由等により太陽光発電の企業の倒産は増加しています。
実際の倒産件数を見てみると、2020年の倒産件数は「54件」に対して、2021年度上半期には「39件」と減少はしていますが、油断はできない状態です。
信頼できる企業を選ぶためには、施工実績や技術力の高さを確認しておくことがポイントです。
グッド・エナジーは2014年に創業した太陽光発電の企業で、中古太陽光の買取実績は累計300件以上と豊富です。
2023年頃より、出力抑制が拡大した影響などから買取査定を希望する事業者様が増加しています。弊社では無料の買取査定も行っており、最短即日で査定させていただきます。
太陽光発電所の運用でお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。
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