太陽光パネルは夏に弱い?適切な気温や発電量が落ちてしまう理由を解説 | 太陽光 | 再生可能エネルギー | 株式会社グッド・エナジー

太陽光パネルは夏に弱い?適切な気温や発電量が落ちてしまう理由を解説

太陽光パネルは夏に弱い?適切な気温や発電量が落ちてしまう理由を解説

太陽光パネルは熱に弱いというデメリットがあり、熱は発電効率に直接影響を与えます。熱対策をすることで、パネルの寿命を延ばしたり、発電効率の向上を見込めます。

本記事では、パネルの熱対策として以下の項目についてまとめました。

  • 太陽光パネルの発電に最適な温度
  • 太陽光発電所の高温対策方法
  • 高温以外で発電効率が低下する要因
  • 太陽光発電所を早期売却する方法

太陽光パネルの熱(温度)対策について解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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太陽光パネルは高温に弱い

太陽光パネルは高温に弱い性質があります。現在主流のシリコンパネルは、「シリコン材料+半導体」で構成されているため、高温になると「電荷キャリア」の移動時、抵抗が増加するため発電効率が低下します。

一般的に電力は以下の式で求めることが可能です。

電力=電流×電圧×Ω(抵抗)(使用状況・環境で係数が異なる)

反対に低温時は、電荷キャリアの移動がスムーズに行くことで、電圧が上昇します。

パネルの表面温度は、夏場は80度、冬場は40度程度です。シリコン系パネルには、以下のような種類があります。

パネル種類特徴
単結晶発電効率20%前後(高価)
多結晶発電効率15~18%前後(リーズナブル)
HIT夏場での変換効率が46%(高価だが、温度上昇に伴う発電効率が高い)
アモルファス発電効率8~12%前後(折り曲げ可能なフレキシブルパネル)

各太陽光パネルの特性を考慮した上で、パネルの選定を行うようにしましょう。

太陽パネルの発電に最適な温度は25度

太陽光パネルの発電に最適な温度は「25度」とされています。25度を境目に、温度が1度上昇するにつれて発電効率は「0.5%ずつ」低下するので注意が必要です。

真夏は表面温度が約80度に達することもあり、その場合は約30%発電ロスしていることになります。

パネル性能と発電量の違いがある理由は、メーカーが紹介するパネル性能には、パネル温度が25度の条件時と国際的・太陽光発電協会表示ガイドラインに定められているためです。

発電効率の観点から、熱対策は重要になります。

参考:【JPEA】表示ガイドライン

太陽光パネルの温度が低いほど発電効率は良くなる

パネルに搭載されている半導体は、低温状態を維持できれば発電効率が上昇します。

具体的には、ブレーカートリップしなかった回路でも、冬場の電圧上昇でトリップする事例などがあります。

ブレーカートリップとは、設計を超える電流が流れた時に、ブレーカー先の重要機器を守るための保護動作のことです。

また、夏場に発電効率に影響を与えるのは気温以外にも、以下の要因があります。

  • 台風
  • ゲリラ豪雨
  • 積乱雲
  • 雑草などの影を作る障害物

【自社事例】季節ごとの発電データ

太陽光パネル

グッド・エナジーが群馬県太田市に所有する発電所のデータを見てみます。

2023年発電量(kWh)
1月4,531
2月5,636
3月6,130
4月7,595
5月6,988
6月6,168
7月7,859
8月6,522
9月5,627
10月5,383
11月4,079
12月4,342

上記の表より、太陽光の発電量は季節に大きく左右されることが分かります。

発電量が多い月発電量が少ない月
3月~7月「特に安定している月→4~7月」11月~1月「特に少ない月→11月」

発電量は日射量が強くて長い夏場に出力が上がると思われがちですが、最も発電量が多いのは「3月~7月」になり、特に安定しているのは「4月~7月」です。

前述した通り、8月・9月の夏本番になると、日射時間・日射強度とも高く好条件が揃いますが、以下のような理由から発電量が低下します。

  • 気温が高温になる
  • 台風・ゲリラ豪雨などの自然災害
  • 急な雨雲などの発生

11月からの冬場に関しては、気温は下がり熱に対しては条件が良くなりますが、以下のような理由から発電量が低下します。

  • 日照時間の減少
  • 積雪
  • 凍結

春先~初夏は、気温・気象条件・日射時間・日射強度ともバランスがよく、発電効率が上昇する傾向があります。

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太陽光発電所の高温対策3つ

収益拡大を図る上で、パネルの高温対策は必須です。次章では、パネルの高温対策3つを紹介していきます。

耐熱性が高い太陽光パネルを設置する

太陽光発電所の高温対策としては、耐熱性が高いパネルを選定することも可能です。現在主流のシリコン系パネルは、以下の通り4種類あります。

シリコン系パネル素材耐熱性
単結晶低い
多結晶低い
HIT高い
アモルファス高い

耐熱性は、各パネルの素材により大きく異なります。例えば、単結晶・多結晶パネルは夏場に出力が下がり、冬場は上昇します。

一方で、アモルファス素材は、夏場には単結晶・多結晶に比べ発電効率が上昇し、冬場には発電量が減少傾向にあります。

各素材の特性を理解して、パネルを導入することが重要です。また、シリコンを使用しない化合物系の「CIS・CiGS(銅インジウムセレン・銅インジウムガリウムセレン)」も、耐熱性が高く温度上昇による発電のロスが少ないパネルになります。

太陽光発電所にスプリンクラーを設置する

パネル熱対策として、スプリンクラーを設置する方法も効果的で、数%の発電効率の上昇が見込めます。

スプリンクラー設備は、受水槽と呼ばれる水を貯めるタンクから大型電動ポンプなどで水を送り出すシステムで、パネル表面を直接散水します。

このシステムにより、夏場は散水により表面温度を低下させ、冬場は積雪などを溶かすことが可能です。

しかし、太陽光発電所は敷地が大きいため、設置工事はコストが高くなり、スプリンクラー配管は塩化ビニル製が多く、割れ劣化も多くなります。

夏場は散水により雑草の成長もリスクとなる可能性もあり、費用対効果や注意点を考慮してスプリンクラーの設置を検討しましょう。

太陽光パネルの過積載を検討する

太陽光パネルの過積載とは、パワーコンディショナーの出力以上のパネルを設置することです。

パネルより、出力された電力を全てパワーコンディショナーで変換することは不可能になり、余剰電力に関しては「ピークアウト(発電量カット)」されます。

パネルの過積載は、夏場・冬場とも有効な方法です。例えば、設計設置枚数が1,000枚だったと仮定します。

気象条件により、予定していた発電量から「約10%」減少した場合は、設計設置枚数1,000枚+100枚(+ 10%)を過積載することで通常と変わらない発電量が得られる仕組みです。

しかし、設計回路以上に電圧・電流が増大する恐れもあるので、各機器のメーカー保証などが受けられない可能性もあるので注意しましょう。

高温以外で太陽光パネルの発電効率が落ちてしまう要因

高温以外で太陽光パネルの発電効率が落ちてしまう要因

気温以外にも太陽光パネルの発電効率が落ちてしまう可能性があります。パネルの経年劣化など、原因を解説します。

太陽光パネルの経年劣化

太陽光パネルは経年劣化する製品で、出荷時の出力を何十年も維持することは難しいです。そのため、将来を見越してパネルを選定することが重要です。

パネルの耐用年数は「20年~30年」と言われていますが、京セラ製の太陽光パネルは「1984年稼働から約36年間」も発電した記録があります。

設置年数で何%劣化が進むのか、およその数値を表にまとめましたので、参考程度にご覧ください。

パネル材質5年後の劣化率(目安)
多結晶(シリコン系)2.3~2.8%
単結晶(シリコン系)3.2~3.9%
ヘテロ接合(HIT)(シリコン系)2.0%
CIS(非シリコン化合物)1.4~1.5%

参考:【京セラ】京セラ佐倉事業所の太陽光パネル

太陽光パネルに影がかかる

太陽光パネルは影が当たると出力が低下します。そのため、定期的なメンテナンスを行い、影の要因を排除する作業は重要です。

しかし、影の排除だけではどうにもならないケースも多々あります。

ここでは、電気回路を見直して発電効率を改善する事例を紹介します。

例えば、電気回路を構成している「アレイ(4×4段・16枚・2回路構成)」などの大きな枠で考え、日中を通して影のかかる可能性が高いパネルだけで1回路を作成します。

その後、日当たりがいいパネルだけで、1回路作成します。そうすることで、限られたアレイの中で最大限の発電電力を得ることが可能です。

影の対処が難しい場合、施工業者に相談して回路を組み換えることも1つの方法です。

太陽光パネルが汚れている

太陽光パネルの汚れは、発電効率に直結します。パネル表面の汚れで特に注意したいのは、「鳥の糞」です。

鳥の糞が金属に付着した場合、溶けて金属の強度が低下することがあります。パネル表面はシリコンで覆われていますが、端部や水勾配最下部・切り欠き部分などは金属です。

太陽光パネルのメンテナンスは重要ですが、パネルの電圧は440VにもなりC種接地と呼ばれる工事が必要です。

電気の知識がない状態でメンテナンスを行う場合、感電の危険性があるため専門業者に依頼した方が安全です。

ホットスポットにも注意が必要

ホットスポットとは、パネルが局所的に発熱してしまい、パネルの正常動作範囲を超えてしまうことです。

ホットスポットは局所的に100度を超えてしまい、発電量低下や火災の原因にも繋がります。

一例ですが、「1回路(ストリング)16枚直列回路」の場合、回路スタート位置のパネルより10枚目にホットスポットが発生すると、「パネル11枚目〜16枚目の6枚分」の電圧しか供給されません。

すなわち、パネル1枚目〜11枚目までの直列回路は損失となってしまいます。以下にホットスポットが発生する原因をまとめました。

  • 初期不良(ハンダ処理不良)
  • 経年劣化
  • 積雪荷重による破損
  • 落ち葉、鳥の糞などの局所的な汚れ
  • 配線・結線不良

ホットスポットを避けるためにも、定期的にメンテナンスを行うことが重要になります。

温度対策が難しい時は設備を売却する方法もある

太陽光設備の高温対策が難しい場合、設備を売却する方法もあります。高温対策は費用も高額になる場合があり、対策後に発電量が改善しない場合は、事業を継続しても黒字化することは難しいです。

設備を廃棄する場合の費用も高額となり、太陽光パネル1枚の廃棄費用は「約5,000円前後」とされており、その他にも「人件費・足場代・重機費用・運搬費」などが別途必要です。

特に、以下のような特徴がある発電所は早期売却を検討しましょう。

  • メンテナンス費用が重ねて発生してしまう
  • メンテナンス費、修繕費を売電量でリカバリーできない
  • 同じ個所の故障を繰り返してしまう
  • 重要設備がトリップしてしまう

グッド・エナジーでは、中古太陽光発電所の買取を行っています。設備の売却を検討した際は、お気軽にご相談ください。

まとめ:太陽光パネルは熱に弱いため注意が必要

本記事では、太陽光パネルと温度の関係について解説を進めました。以下に本記事のポイントをまとめました。

  • 太陽光パネルは高温に弱い
  • 太陽光パネルの最適な温度
  • 太陽光発電所の高温対策3つ
  • 発電量が低下する要因
  • 設備を早期売却する方法もある

太陽光パネルは外気温が高くなりすぎると、電荷キャリア移動時に抵抗が発生して発電効率が下がります。太陽光発電所を運営する上で、「熱(高温)対策」は必要不可欠です。

夏場の高温対策を行えば、発電効率の上昇が見込めるため収益の拡大が図れます。

グッド・エナジーは、太陽光発電所の買取、販売、メンテナンスまで一貫して行う企業です。累計の買取実績は300件以上と豊富な実績があります。

無料買取査定も行っているので、太陽光発電所の運用についてお気軽にご相談ください。

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