太陽光発電のリパワリングとは?重要な理由や3つのメリットを解説 | 太陽光 | 再生可能エネルギー | 株式会社グッド・エナジー

太陽光発電のリパワリングとは?重要な理由や3つのメリットを解説

太陽光発電のリパワリングとは?重要な理由や3つのメリットを解説

太陽光発電所のリパワリングとは、経年劣化した太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの機器を新しいものに入れ替えることです。

経年劣化や故障により性能が落ちた機器を最新のものに交換することで、発電量を回復させたり発電効率の低下を防ぎ、長期的な収益性を確保することができます。

本記事では、リパワリングのメリットや注意点、リパワリングに関する疑問点などを詳しく解説しています。

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太陽光発電のリパワリングとは?

リパワリングとは、経年劣化した機器を新しいものに差し替える作業のことです。

太陽光発電の場合は、太陽光パネルやパワーコンディショナー(パワコン)などがリパワリングの対象となります。太陽光パネルはメーカーにより出力低下率の違いはありますが、設置から数年経つと少しずつ発電量が落ちてきます。

また、パワコンの寿命は10年〜15年と言われていますが、新しい製品が次々出され従来のパワコンより非常に効率が良いです。

経年劣化により性能が落ちたパネルやパワコンを新品に交換することで発電量の向上が期待でき、発電効率の低下を防ぐことができます。

リパワリングが必要な理由

リパワリングが必要な理由を3つにまとめました。それぞれ解説します。

  • 太陽光発電システムの経年劣化
  • FIT期間の売却益の最大化
  • 太陽光発電の機器の技術向上

太陽光発電は経年劣化する

太陽光発電システムは経年劣化により発電効率が低下します。太陽光パネルの期待寿命は20年〜30年で、ガラス部分の変色や破損、配線の腐食や半導体の劣化により、毎年0.25%から1%程度劣化します。

一方、パワコンは電力変換の機能低下が早く、寿命は10年〜15年と短いため、定期的な交換が必要です。

発電効率の低下は売電収入に影響を与えるため、回避するためにはリパワリングが有効な手段となります。リパワリングを行うことで、太陽光発電システムの性能を維持し、長期的な利益を確保することができます。

FIT期間の売却益を最大化する

太陽光発電の投資で売電収益を伸ばしたい場合は、FIT期間中にリパワリングを実施することが重要です。

FIT制度の固定買取期間は、出力10kW未満で10年間、10kW以上で20年間と定められているので、この期間中にリパワリングを行えば発電効率を高め発電量を増やし、売電収益を確保できます。

一方、卒FIT後の電力買取価格は、固定買取価格より1kWhあたり数円買取価格が下がるため、収益が減少する可能性があります。

したがって、FIT期間中にリパワリングを進めることが、売却益を最大化するためには必要なのです。

太陽光発電の技術は向上している

太陽光パネルや関連機器に組み込まれている半導体技術は常に進化しており、効率的に電気に変換できるようになりました。従来の太陽光パネルでは発電効率が15%〜18%程度だったのに対し、発電効率が20%を超えるものもあります。

また、パワーコンディショナーも電気の変換効率が高くなり、コンパクト化しています。

電力の流れの制御機能や、内部の温度をリアルタイムで監視する熱暴走防止機能が内蔵されている機器や、各太陽光パネルの発電量を個別にモニタリングし最適な状態に調整する「オプティマイザー」を内蔵している機器も登場しました。

これらの技術進歩により、長期的なコスト削減にもつながるでしょう。

リパワリングを行う3つのメリット

リパワリングを行う3つのメリット

太陽光発電所のリパワリングを行うメリットは3つあります。それぞれ詳しく説明します。

  • 売電収入の減少を改善
  • メンテナンスコストの削減
  • 事故や故障の防止

①経年劣化による売電収入の減少を改善

技術の進歩により、発電効率が高くなる、電力損失が削減されるなど、売電収入の向上が期待できるため、最新機器を導入するリパワリングのメリットは大きくなっています。

一般的に、太陽光パネルの保証期間は20年〜25年程度、パワーコンディショナー(パワコン)の保証期間は5年〜15年程度が目安です。

経年劣化により発電量が減少する傾向があるため、保証期間を考慮しつつもリパワリングにより、売電収入を向上させることが重要となります。リパワリングで導入可能な機器は以下の通りです。

  • 太陽光パネル
  • ケーブル
  • パワーコンディショナー(パワコン)
  • オプティマイザ

②メンテナンスコストの削減

太陽光発電事業の運用が進むと、機器の経年劣化により売電収入に影響が出てきます。

パワコンは電力を変換する精密機器なので、運用から10年が経過したころから内部の半導体やフィルター、コンデンサーなどが劣化してくると言われています。

故障しても修理は可能ですが、その間の発電ロスは避けられません。リパワリングで機器を交換すれば、故障頻度を抑えられます。

また、高性能なパネルに交換することで、同じ出力を維持しつつパネルの設置量を減らすことが可能です。その結果、メンテナンスコストの削減にもつながり、発電効率の向上も期待できます。

③経年劣化による事故や故障の防止

リパワリングは太陽光発電を安全に運用するためにも重要です。経年劣化でケーブルの被覆が破れたりするとショートやスパークが発生し、そこから火災や漏電を誘発するリスクがあります。

火災などの事故が起こると周辺地域にも不安を与えることになるので、事故リスクの低減と安全性の向上を図るためにも、定期的なリパワリングを行うことが重要です。

リパワリングで導入可能な設備

リパワリングで導入可能な設備

リパワリングを行う際に、導入を検討したい主な設備は以下の通りです。

  • 太陽光パネル・・・発電効率が高い太陽光パネルを導入することで、パネル枚数が減り、運用を最適化できます
  • パワーコンディショナー・・・FIT初期と比較して変換効率の性能が上がっている製品が発売されています
  • ケーブル・・・耐久性の高いケーブルを導入することが可能です

定期的にメンテナンスを行い、所有する設備の状態を自分自身でも確認しておくことが重要です。

リパワリングを行う時の注意点

太陽光発電のリパワリングを行うメリットは大きいですが注意する点もあります。それぞれ解説します。

  • 機器購入に費用が掛かる
  • 増設分が最新価格に変更になる
  • FIT認定が早い方が効果がある

機器の購入に費用がかかる

太陽光発電所のリパワリングには、各機器の購入および交換による費用負担が発生します。事前にリパワリングを行うための予算を確保するために、計画を立てておかなくてはなりません。

リパワリングを行う際は、太陽光発電の施工会社や販売店に相談するか、リパワリング専門の業者に依頼することが一般的です。

どちらの場合でも、機器の購入費用と交換工事費用がかかるため、100万円単位の予算が必要となります。最新のパワコンや高性能パネルの導入には、従前の機器と比べ高額になることもあります。

増設分は最新価格相当に変更になる

太陽光パネルの新設による合計容量の増加には経産省の規制があります。2024年3月までは、パネルの出力を3%以上または3kW以上増やすと、設備全体の買取単価が最新価格相当まで引き下げられることになっていました。

しかし、2024年の改正再エネ特措法により、この規制が緩和され2024年4月以降は新設分のみが最新価格相当に変更されることとなり、既存設備の買取単価は維持されつつ、新しいパネルの設置が可能になっています。

参考:【経済産業省】改正再エネ特措法の施行に向けて

以下の記事では、2024年における再エネ特措法の改正点を分かりやすく解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。

FIT認定が早い設備ほど効果を期待できる

FIT認定を受けた時期によって、リパワリングによる収益率の改善は異なります。FITの売電単価は年々低下しているため、2012年に近い時期に認定を受けた設備ほどリパワリングの効果を期待できます。

リパワリングの目的は収益率を向上させることなので、単なる機器の更新とならないよう、費用対効果を正確にシミュレーションできる業者に相談することが重要です。

リパワリング時期は運転開始から10年が目安

パワコンの寿命は約10年〜15年とされ、設置から10年目が交換の目安です。変換効率が下がると電力量が減少し売電収入が減ることになります。

FIT制度初期の設備は、2023年時点で交換のタイミングになっているので、パワコンを新しいモデルに更新しリパワリングを行う必要があります。

電力の変換効率を向上させることができるリパワリングは、太陽光発電システムの性能向上と長期的な利益確保に有効です。

太陽光発電のリパワリングに関するよくある質問

太陽光発電所のリパワリングに関する質問は、以下の3つが多くなっています。それぞれ解説します。

  • リパワリングにかかる費用
  • リパワリングとリプレイスメントの違い
  • リパワリングとメンテナンスの違い

リパワリングにかかる費用は?

太陽光発電所のリパワリングには数百万の費用が必要になります。経済産業省の資料によると、相場費用は、太陽光パネルが1kWあたり9.5万円で、パワコンは1kWあたり3.0万円となっています。

10kWの設備の太陽光パネルとパワコンをリパワリングすると、最低でも130万円程度は必要です。太陽光発電設備の規模が大きくなれば、それだけリパワリングの費用も大きくなるので、数百万円は見積もっておく必要があります。

参考:経済産業省 令和6年度以降の調達価格等に関する意見

リパワリングとリプレイスメントの違いは?

リパワリングは経年劣化した設備を取り替え、性能を回復することです。これに対し、発電所を新しく建て直すのがリプレースです。

リプレースは、劣化が著しく、リパワリングでは性能が回復できないと判断した場合や、設備自体を最新機器に取り替え効率的に発電したい場合に行われます。

発電所を立て直すことになるので発電効率は上がりますが、大きな投資が必要になります。

リパワリングとメンテナンスの違いは?

リパワリングは、経年劣化した機器を新しいものに差し替える作業のことです。具体的には、太陽光パネルやパワコン、ケーブル、オプティマイザなどを、新しい機器に交換して、発電効率を上げます。

これに対し、メンテナンスは改正FIT法により義務化されており、定期的に保守点検作業を行い太陽光発電設備の正常な運転を継続し故障や劣化を防ぐために行われます。

発電効率の改善ならリパワリングを視野に入れる

リパワリングとは、経年劣化した太陽光発電システムの機器を最新の機器に交換することを指します。

リパワリングを行うことで、太陽光パネルの発電効率を向上させ、FIT期間内に売却益を最大化しながら長期的に運用していくことが可能です。リパワリングのメリットとしては以下の項目があります。

  • 売電収入の減少を改善
  • メンテナンスコストの削減
  • 事故や故障の防止

一方で、リパワリングの費用は高額になることや、増設分のパネルが最新価格になる点には注意が必要です。

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