太陽光発電投資でシミュレーションは重要？計算方法や注意点をわかりやすく解説 | 太陽光 | 再生可能エネルギー | 株式会社グッド・エナジー

太陽光発電投資は初期費用が高額で、長期的に収益を得る仕組みであるため、事前のシミュレーションが欠かせません。シミュレーションを行えば、売電収入の目安や投資回収期間、ランニングコスト、外部要因による影響まで把握できます。

本記事は、シミュレーションの必要性や計算方法、注意点をわかりやすく解説し、投資を検討する方に役立つ情報になっています。ぜひ最後までお読みください。

太陽光発電投資でシミュレーションが必須な理由

太陽光発電投資は、初期費用が大きく長期にわたって運用するため、事前のシミュレーションが不可欠です。

シミュレーションを行えば、売電収入の目安や投資の回収期間が明確になり収益の見通しがたちます。また、ランニングコストや、設備の劣化、気候、出力制御などの外部要因の影響も事前に把握可能です。

シミュレーションは、複数方法があり、パネルメーカーへ依頼すれば、自社製品の性能に精通しているため、発電量の予測が的確にできるでしょう。設置業者へ依頼した場合は、専用ソフトを使い設置地ごとの日射量や影響を反映した試算が可能です。

公開されている無料ツールを使い自分で計算することもできます。

シミュレーションを行う際に必要な項目

太陽光発電投資のシミュレーションを実施するにあたって、以下の項目が必要となります。

区分	必要な項目	補足
初期費用	機器費用（太陽光パネル・パワーコンディショナー・架台など）、土地代、設置工事費、諸経費	投資開始時に必要となる大きな出費
ランニングコスト（年間の運用費用）	メンテナンス費用、保険料、土地の固定資産税	長期運用で毎年かかる費用
発電量	年間予測発電量
売電	売電価格	2025年：産業用8.9円/kW〜11.5円/kW「初期投資支援スキーム」2025年10月から19円/kWに引き上げ
借入	借入額、返済額、金利	借入を利用する場合に必要
パワコン	パワコンの個数	交換コストの面から考慮
減価償却費	発電設備一式	耐用年数（太陽光発電設備は17年）に応じて費用計上

太陽光発電投資のシミュレーションを行う方法

太陽光発電投資のシミュレーションには、大きく分けて手計算による方法と、ネット上のシミュレーションツールを使う方法があります。それぞれの特徴を解説します。

手計算で行う

太陽光発電投資のシミュレーションは、手計算で実施することが可能ですが、煩雑で時間がかかります。基本的な流れは次のとおりです。

• 発電量を計算

発電量（kWh）＝ 設置容量（kW） × 日射量 × 損失係数（0.7程度）

• 年間売電収入を計算

年間売電収入＝ 発電量 × 売電単価

• 投資回収期間を計算

回収年数＝ 初期投資額 ÷（年間売電収入－年間維持費）

注意点

気象条件や経年劣化、影の影響などを正確に反映するのは難しく、精度には限界があります。

シミュレーションツールを活用する

太陽光発電投資のシミュレーションを行なうには、インターネット上で公開されているツールを利用できます。住宅用用途、個人用途、法人用途など、様々な用途別の太陽光発電シミュレーションツールがあります。手計算に比べ、短時間で条件を変えながら試算できるのが特徴です。

代表的なツールは以下のとおりです。

関西電力：太陽光発電シミュレーション

京セラ：公共・産業用太陽光発電シミュレーション

シャープ：発電量シミュレーション

太陽光発電投資を始めるための目安費用

太陽光発電投資を始める際には、まず初期費用の目安を把握することが重要です。主に、太陽光パネル・パワーコンディショナーなどの機器費用、架台・フェンス・接続箱などの周辺設備、設置工事費、土地代や土地造成費などが大きな割合を占めます。

これらの費用はシミュレーションで用いられる項目であり、発電量や売電単価、維持管理費と組み合わせることで、投資回収期間や利回りを試算できます。

太陽光発電設備の運用にかかる目安費用

太陽光発電投資では、導入後の運用コストを、できる限り正確に見積もることが重要です。主な項目は、定期的点検やパネル清掃、除草作業を含むメンテナンス費用、自然災害や故障リスクに備える保険料、土地所有者が支払う固定資産税です。

その他、減価償却費、廃棄積立費、ローンの利息なども考慮します。この項目は毎年発生する支出なので、シミュレーションに組み込む必要があります。

ケース別のシミュレーション事例

太陽光発電投資は、家庭用では比較的短期間で回収可能なモデルが多く、産業用では大規模な投資と長期の収益計画が前提となります。以下でそれぞれの事例を詳しく解説します。

家庭用太陽光発電の場合

5kWの太陽光発電を設置した場合、1kWあたり28.4万円とすると初期費用は142万円です。年間の平均日射量3.76kWh/㎡・日とすると13.2kWh/日となり（3.76kWh × 5kW × 損失係数0.7 ）、年間発電量は約4,818kWhとなります。

発電した電力を自家消費すれば、年間で約14.6万円の電気代削減が期待でき、余剰分は売電収入にもつながります。5kWの太陽光発電の場合、維持管理コストは年間29,000円程でしょう。設置条件や地域による差はあるものの、10年程度で投資回収を見込めるケースが多いです。

産業用太陽光発電の場合

産業用は50kW以上の規模で導入されることが多く、収益性や回収年数も家庭用とは異なります。例えば、低圧90kW・売電単価15.40円（2019年認定）のケースで、20年間の総発電量は約200万kWh、売電収入は約3,080万円と試算されます。

自己資金が400万円として、初期費用や借入、維持費などを差し引いた支出は約2,150万円で、消費税還付を含めると実質収入は約990万円となります。規模が大きい分、安定した収益が見込めますが、条件により利回りや回収年数は変動するため、事前の精密なシミュレーションが欠かせません。

シミュレーションを行う際の注意点

シミュレーションを行う際には、気を付けなくてはならない点があります。特に影響を受けるのは、経年劣化、気候、出力制限の3点です。以下、それぞれ解説します。

設備は経年劣化する

太陽光発電設備は長期使用によって性能が落ちます。特にパネルは10年、20年と経過する中で出力が下がり、メーカー保証にも0.5％〜1％/年の劣化率が見込まれると記載されています。また、パワーコンディショナーの寿命は10年〜15年なので、FIT期間中に交換が必要です。

シミュレーションは経年劣化なしの状態で算出されているため、実際の収益が予測より少なくなることが予想されます。設備が劣化することを頭に入れて、計画を立てることが重要なポイントです。

発電量は気候に左右される

太陽光発電は屋外に設置されるため、気象条件の影響を大きく受けます。日照時間が長ければ発電量は増加しますが、雨や曇りの日は大きく低下します。また、真夏の高温環境ではパネルの効率が下がることも知られています。このため、年間を通じて一定の発電量を確保することは難しいでしょう。

シミュレーションは平均的な気象データを基に計算されるため、実際には地域や季節による変動が生じる点を理解しておくことが重要です。

また、シミュレーションに近い発電量を得るためには、発電所のコンディションを適切にメンテナンスし、パネルの汚れや劣化、機器の不具合を早期に発見・対処することも欠かせません。

出力制御の影響を受ける可能性がある

出力制御とは、電力の需要と供給のバランスを保つために、国のルールに基づいて電力会社が発電量を抑制し、発電事業者が一時的に売電を停止させられる仕組みです。

太陽光発電の普及により電力が余剰になると、系統側の安定を守るために実施されます。この場合、売電収入が減少するリスクが生じ、投資回収期間にも影響を及ぼすでしょう。

2025年には、全電力管内で出力制御が実施されています。シミュレーション時には、このリスクを加味することが重要です。

今から投資を始めるなら中古太陽光発電がおすすめ

中古太陽光発電とは、既に設置・運用されている発電設備を購入し投資する方法です。新設に比べて初期費用を大幅に抑えられるうえ、稼働実績があるため発電量や収益性を事前に確認できる点が魅力です。

また、FIT制度の売電価格が高い時期に設置された物件を購入すれば、安定した収入を確保しやすいでしょう。さらに、中古物件は手続きが簡単で、購入後すぐに売電を開始できるというメリットもあります。リスクを抑えながら堅実に収益を得たい方には、中古太陽光発電が最適な選択といえるでしょう。

太陽光発電投資のシミュレーションに関するよくある質問

太陽光発電投資のシミュレーションを行う際に、多くの疑問がでてきます。利回り、誤差、補助金を使えるかなど、よくある質問をまとめました。

表面利回りと実質利回りの違いは？

表面利回りとは、年間の売電収入を初期投資額で割った単純な利回りを指します。経費や税金などを考慮しないため、あくまで目安の数値です。

実質利回りは、メンテナンス費用や保険料、税金、借入金の返済額などを差し引いた後の正味の収益率を示します。実際の利益を判断するには、実質利回りを重視することが大切です。

シミュレーションによる誤差幅はどれくらい？

太陽光発電のシミュレーションは、平均的な日照条件や気象データをもとに算出されます。そのため、実際の発電量とは差が生じることがあります。

誤差幅は数％以内に収まるのが一般的ですが、天候や設置環境によってはさらに変動する可能性もあるでしょう。あくまで試算値である点を理解し、余裕をもった計画を立てることが大切です。

補助金を活用することはできる？

太陽光発電投資では、国や自治体の補助金を利用できる場合があります。主に自家消費型の太陽光発電や蓄電池導入を対象としています。

一方で、売電を主目的とする産業用発電は補助の対象外となるケースが多いでしょう。ただし、省エネやBCP対策を目的とする設備は支援を受けられる可能性もあります。制度内容は地域や年度で異なるため、最新情報を確認することが重要です。

まとめ：太陽光発電投資のシミュレーションについて解説

本記事では、太陽光発電投資におけるシミュレーションの必要性、計算方法、注意点まで幅広く解説しました。

実際の収益は気象条件や経年劣化によって変動しますが、シミュレーションを活用すれば将来の見通しを具体的に描けるでしょう。気象変動や設備の劣化リスクを加味して計画を立てることも重要です。

また、これから太陽光発電を始めるなら、初期費用を抑えられ、過去の発電データを確認できる中古の太陽光発電も有力な選択肢です。

グッド・エナジーでは、中古設備の販売と運用サポートを手がけており、初心者でも安心して取り組める体制が整っています。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。