太陽光盗難対策の全貌|2026年最新の手口・新法・防犯策を解説
太陽光発電への投資を検討する中で、盗難に関するニュースが気になっている方も多いのではないでしょうか。実際、太陽光発電所を狙った盗難被害は増加傾向にあり、なかでもケーブル盗難が大半を占めています。
被害は売電停止や復旧費用の負担につながり、収益面への影響も無視できません。しかし、被害の背景や実情、防犯の考え方を順に整理していくことで、必要以上に不安を抱えずに判断できるようになります。
この記事では、最新の盗難手口や法改正の動き、防犯対策の考え方を整理し、安心して太陽光発電投資を検討するための情報を解説します。
目次
太陽光発電所における盗難被害の現状と推移
太陽光発電所における盗難被害の全体的な動向はどうなっているでしょうか。まず、ケーブル盗難がどの地域で、どのように増加しているのかを統計データから確認し、次に、金属盗対策法の施行が被害件数に与えた影響について解説します。
急増するケーブル盗難の統計データと地域分布
太陽光発電所におけるケーブル盗難は、2020年以降に急増しています。特に関東地方を中心に被害が集中しており、茨城県、千葉県、栃木県、群馬県、埼玉県では発生件数が全国の半数を占める状況です。
犯行は夜間に複数人で行われるケースが多く、事前に現地を下見したうえ短時間でケーブルを切断し、持ち去る手口が確認されています。
被害額は数百万円~数千万円規模に及び、中には1億円以上になる事例もあり、地域性と犯行パターンを把握することが重要です。
当社が管理している発電所では、低圧案件が約9割を占めることから、過去の盗難被害事例では1件あたり40万円から80万円程度の被害額となっています。
ただし、発電所の規模や被害範囲によって金額は大きく変動するため、高圧案件ではさらに高額な被害となる可能性があります。なお、当社が管理する高圧発電所において盗難被害に遭ったケースは現時点ではありません。
金属盗対策法執行の影響
金属盗対策法の施行により、太陽光発電所を狙ったケーブル盗難には一定の変化が見られます。金属スクラップ業者に対し、取引時の本人確認や記録保存が義務付けられたことで、盗品の換金は以前より難しくなりました。その結果、地域によっては盗難件数が減少したとの報告もあります。
しかし、被害が完全に収束したわけではなく、犯行の手口が巧妙化する傾向も指摘されています。法規制の効果を過信せず、事業者自身による防犯対策を併せて講じる姿勢が重要です。
太陽光のケーブル盗難が増加している背景と要因
太陽光発電所のケーブル盗難が増えている背景と要因には、「高騰する銅の資産価値」と、「組織化する犯行手口」の2点があげられます。それぞれ詳しく解説します。
高騰する銅の資産価値
近年、銅価格は世界的な需要増を背景に高騰しています。日本国内では、2020年頃には1トンあたり約70万円前後でしたが、2024年1月には約130万円まで値上がりしました。
2026年の国際銅価格は、為替水準にもよりますが、1トンあたりおおむね150万円〜200万円超で推移する可能性があると見込まれています。脱炭素の流れにより、電力インフラや電気自動車向けの需要が拡大したことが要因の一つです。
太陽光発電所で使用されるCVケーブルは高純度の銅を多く含み、100メートルあたり約50万円になるケースもあります。この高い換金性が、ケーブル盗難を誘発する一因になっていると考えられます。
組織化する犯行手口
近年のケーブル盗難は、個人による単発的な犯行から、複数人が関与する組織的な計画犯罪へと変化しています。実際、2025年に、静岡県警は外国籍の男6人が全国10県で計78件の窃盗に関与し、被害総額が約1億1000万円に上った事件を明らかにしました。
犯行前には現地を下見するケースが見られ、規模の大きい発電所では一度の侵入で作業が終わらず、数日にわたって侵入が繰り返される事例も確認されています。
このような状況から、事業者には偶発的な盗難ではなく、組織犯罪を前提とした防犯対策が求められています。
被害にあいやすい太陽光発電所の特徴
太陽光発電所の中でも、立地や設備の条件によって盗難リスクには差が生じます。ここでは、高圧設備が狙われやすい背景をはじめ、人目につきにくい場所やフェンスの状態、敷地管理の状況など、被害につながりやすい要因を順に見ていきます。
高圧が最優先で狙われる
太陽光発電所の中でも、50kW以上の高圧設備は盗難リスクが高い傾向です。高圧発電所では、低圧に比べて太いケーブルが使われ、1000kWあたり約5,500kgもの銅が使用されています。盗難被害の割合をみると、高圧が約5割、特別高圧が約3割弱となっており、被害の全体の8割弱となっています。
高圧発電設備は、低圧設備に比べて約1.5倍〜2倍です。被害総額では、高圧・特別高圧設備が低圧設備の「数十倍〜数百倍規模」で損害がでています。
人目につきにくい立地
太陽光発電所の盗難被害では、人の出入りが少なく人目につきにくい立地の発電所が狙われる傾向があります。窃盗犯は特に人の目を気にする性質があり、周囲に見守る目が少ない場所ほど侵入・作業が発見されにくい点が指摘されています。
たとえば、山間部や農地など、人の往来が極端に少ない地域では事件発生のリスクが高いです。また、内部が外から見えにくい環境や、草木が生い茂っている発電所も、犯行が起こりやすいでしょう。人目につきにくい立地では、防犯設備の整備や定期的な巡回による防犯対策が、より重要になります。
フェンスの不備
太陽光発電所では、フェンスに不備があると侵入のハードルが下がり、盗難の標的になりやすい傾向があります。隙間や低い囲いは乗り越えやすく、犯行時間を短縮できるからです。
被害にあいにくい発電所では、高さ2メートル以上のメッシュフェンスを基本に、忍び返しや有刺鉄線を組み合わせ、物理的障壁を強化しています。また、フェンス下部を地中30cm以上埋設する、フェンスを二重構造にするなども効果的です。
ただし実際の被害現場では、フェンスの高さが十分であっても、工具による切断や破壊によって侵入されるケースが多く見られます。
そのため近年では、各メーカーから特殊金属で1号柱や集電箱を囲う防犯対策も提案されており、フェンスだけでなく重要設備そのものを保護する多層防御が推奨されています。
管理不足が露呈している雑草放置
太陽光発電所で雑草が放置されている状態は、管理が行き届いていない印象を与え、犯行グループから警備が甘いと判断されます。雑草が伸びると敷地内の見通しが悪くなり、外部から侵入者が発見されにくくなります。
また、管理が行き届いていない太陽光発電所は、不法投棄などの問題が発生しやすくなる点も指摘されています。こうした状況を防ぐには、定期的な草刈りによって視認性を保ち、発電所が継続的に管理されている状態であることが一目で分かるようにすることが重要です。
太陽光発電所のケーブル盗難によるリスク
ケーブル盗難は、単なる設備被害にとどまらず、事業全体に影響を及ぼします。「売電停止による損失と復旧費用の自己負担」、「中古発電所としての資産価値下落」について、盗難が発電事業に与える具体的なリスクを整理します。
売電停止による損失と復旧費用の自己負担
ケーブル盗難が発生すると、発電が停止し、売電収入が得られなくなります。高圧の太陽光発電所は、1kWあたり年間約1,000kWhで1日あたり約2.7kWhの発電量があるため売電停止が続くほど損失が積み重なります。
また、復旧までの停止期間は設備状況にもよりますが、一般的に1か月から2か月程度かかるケースが多いです。
実際の被害では、復旧工事費を含めた損害額が約3,000万円と想定された例もあります。近年は太陽光発電所のケーブル盗難被害の多発により、保険で補償されないケースも多くなっています。このような損失や復旧費用は原則として全額自己負担となるため、保険内容の確認が必要です。
中古発電所としての資産価値下落
中古太陽光発電所の売買では、過去に盗難被害を受けた履歴が評価に影響します。盗難被害歴のある案件は、同条件の物件と比べて買取価格が下がりやすい傾向です。実際には、評価額が1割〜3割程度低下する場合もあります。
複数回被害に遭った物件では買い手がつかない事例もあるため、盗難対策は、発電収益だけでなく資産価値を守るうえでも重要です。
太陽光発電所の盗難被害を防ぐための防犯対策
太陽光発電所のケーブル盗難は、立地や設備の条件によってリスクを下げることが可能です。ここでは被害を防ぐために必要な、「アルミケーブルへの変更」「防犯カメラ・フェンス強化などによる威嚇」「定期的な見回り」について解説します。
アルミケーブルへの変更

アルミケーブルへの変更は、盗難抑止策の一つとして有効です。銅の価格は上昇を続けており1,000円/1kgをこえていますが、アルミの価格は200円/1㎏~400円/1㎏で銅の3分の1の価格です。転売益が小さいことから、銅からアルミへ切り替えた後、被害件数が減少したという報告もあります。
一方で、アルミは銅より導電率が低く、同等の性能を確保するにはケーブルの太さを約2倍にする必要があります。
また、アルミケーブルは銅ケーブルより安価ですが、太陽光発電所の設置状況により工事代金がかさむ場合があるため、導入に際しては専門業者に相談しましょう。
ケーブルの設置方法(埋設配線か地上配線か)によって工事費用に差が出るほか、アルミケーブル特有の接続部材が必要になるため、部材単価が高くなることも工事費増加の一因です。
このため、ケーブル本体の価格差だけでなく、接続部材や施工方法を含めた総コストで比較検討することが重要です。
防犯カメラ・フェンス強化などによる威嚇
防犯カメラの設置は、太陽光発電所の盗難対策として有効です。発電所の出入口や主要なケーブル経路を撮影できる位置に設置することで、侵入の抑止につながります。「防犯カメラ作動中」などの看板を目立つ場所に掲示するだけでも、防犯効果が期待できるでしょう。
ただし実際の被害事例では、カメラが破壊されたり叩き落とされたりするケースが多く、録画映像が残らない場合があります。また、仮に犯人が映っていても、よほど高性能なカメラでない限り顔の識別が困難で、犯人特定まで至らないのが現状です。
このため、単なる録画機能だけでなく、人感センサー付きで警告音を発するタイプなど、侵入時に威嚇する機能を備えたカメラの方が実効性が高いと言えます。警備会社が提供する人感センサー連動型の防犯カメラであれば、侵入を検知した時点で警告音を発し、犯行を未然に防ぐ効果が期待できます。
フェンス対策では、高さ2メートル以上で高強度な構造なものを導入し、有刺鉄線や忍び返しを追加することも有効です。物理的な侵入障壁と視覚的な威嚇を組み合わせることで、防犯効果は高まります。
定期的な見回り
太陽光発電所では、定期的に現地を訪問し設備や敷地内に異常がないか確認することが重要です。点検時には状況を記録に残し、盗難や破損などの異常を発見した場合は、速やかにメンテナンス業者や関係機関へ連絡しましょう。早期対応によって被害拡大を防げる可能性が高くなるでしょう。
遠隔地にある発電所では、オーナー自身による対応が難しくなるため、地元のO&M業者や警備会社と契約することで、専門的かつ確実な巡回サービスを受けられ安定した管理につながります。
万が一盗難被害に遭った直後の対応と補償
盗難被害が発覚した直後の対応は、その後の補償や事業継続に大きく影響します。ここでは、「被害発覚時の連絡手順」「保険金が支払われないケースと休業補償の必要性」「金属盗対策法の施行に伴う業界・行政の最新動向」の3点を解説します。
被害発覚時の連絡手順
盗難被害が発覚した場合は、まず警察へ連絡し、110番通報によって現場検証を依頼します。(ただし、時間がたって発覚した場合は、最寄りの警察署に連絡する)被害状況の確認後、被害届を提出し受理番号を取得します。この受理番号は保険金請求時に必要となるため、必ず控えを保管しましょう。
次に、加入している保険会社へ連絡し、補償内容や手続きの確認を進めます。初動対応を順序立てて行うことが、被害拡大や手続き遅延を防ぐポイントです。
保険金が支払われないケースと休業補償の必要性
太陽光発電所の盗難被害では、動産総合保険により盗難で失われたケーブルなどの実損が補償対象となります。ただし、動産総合保険には免責額(自己負担額)が設定されている場合が多く、高額になるケースもあります。
例えば当社経由でご購入いただいた事業者様がご加入されている保険では、盗難の免責額が20万円に設定されており、保険金申請時には20万円を自己負担し、残額を保険会社が負担する仕組みとなっています。
さらに、この保険では盗難補償の利用は1回限りという制約も付いているため、複数回被害に遭った場合は2回目以降が補償対象外となります。
一方で、売電停止期間中の逸失利益については、休業損害補償特約を付けていない場合、補償されないことがあります。また、特約が付いていても補償期間は30日までに限定されるケースが一般的です。
復旧までの停電期間は1か月から2か月かかることも多く、損失を全てカバーできない可能性があります。近年は補償期間が短縮される傾向にあるため、条件の確認が必要でしょう。
金属盗対策法の施行に伴う業界・行政の最新動向
金属盗難対策を目的とした「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」が、2025年に一部施行されました。この法律により、金属スクラップ業者には、取引相手の本人確認と取引内容の記録を3年間保存する義務が課されました。
対象となるのは、特定金属くずの買い取りを行う事業者で、違反した場合には行政指導や罰則の対象となります。こうした規制強化によって金属を取引する際の手続きは厳格化され、盗品の換金ハードルは高くなっています。業界全体で流通管理が進むことで、金属盗難の抑止効果が期待されます。
まとめ:トラブルのない安定運用を目指して
本記事では、太陽光発電所の盗難リスクと、その予防策、被害発生時の対応や補償の考え方まで整理しました。安定した運用には、設備・管理・初動対応を含めた総合的な備えが欠かせません。
盗難リスクが心配で太陽光発電投資に二の足を踏んでいる方、また、盗難を未然に防ぎ、万が一の初動対応を強化したいとお考えの方は、グッド・エナジーにお気軽にご相談ください。
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