太陽光発電投資の利回りはどこまで信頼できる?根拠ある判断基準を解説
太陽光発電投資を検討する方の多くが、まず気にするのが「利回り」ではないでしょうか。どれくらい収益を上げられるか数字で示される利回りは、投資を判断するための大きな基準となります。しかし、提示された利回りをどこまで信じてよいのか迷う場面も少なくありません。
本記事では、表面利回りや実質利回り、投資効率を測る指標IRRの考え方に触れながら、市場トレンドや中古案件のポイントを整理しています。根拠のある判断基準を示していますので、太陽光発電投資を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
太陽光発電投資の利回りが注目される理由
太陽光発電投資が注目を集める理由は、大きく分けて2つあります。 1つ目は、利回りという数字で収益性を明確に把握しやすい点です。 2つ目は、比較的安定した収益を見込める投資対象であるという点です。 以下では、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
利回りが数字で見えるから
太陽光発電投資の大きな魅力は、維持費などコストを含めた多くの要素を事前に把握でき、収益を数字で把握しやすい点にあります。不動産投資や株式など金融商品と異なり、空室リスクや株価変動のような不安定要素が少ない投資です。
また、固定価格買取制度(FIT)が適用される場合、売電単価が一定に固定されるため、将来の収入を具体的にイメージしやすくなります。このように利回りを数字で見られることが、太陽光発電投資が注目される理由のひとつといえます。
安定した収益が期待できる投資だから
太陽光発電投資が安定した収益を期待できる理由は、景気変動の影響を受けにくい収益構造にあります。太陽光発電投資は市場の値動きに左右されず、設備が稼働する限り発電し続けるため、長期的に安定した収益が期待できる投資です。
また、固定価格買取制度(FIT)が適用される期間は売電単価が一定のため、継続的な収益が見込めることも大きな魅力でしょう。発電量は天候によって変動するものの、年間を通じて大きく収益が上下するケースは多くありません。このような特徴から、太陽光発電は長期運用に適した投資として注目されています。
太陽光発電投資の利回りは平均7〜10%
太陽光発電投資の利回りは、平均で7%〜10%と言われています。ただし、利回りには表面利回りと実質利回りがあり、IRRという投資効率を測る指標もあります。それぞれ解説するので、指標のポイントをつかんでください。
表面利回りとは
表面利回りとは、年間の売電収入 ÷ 初期投資費用 ×100で算出される指標です。設備購入費や工事費などの初期費用のみを対象にするため、維持管理費や保険料などのランニングコストは含まれていません。投資前に大まかな収益性の目安をつかむには便利ですが、実際の収益とは乖離が生じる場合があります。
表面利回りだけでは実際の収益が正確に判断できないため、後述する実質利回りも併せて確認することが重要です。
実質利回りとは
実質利回りとは、年間の売電収入から維持管理費や保険料、固定資産税などのランニングコストを差し引いて算出する指標です。初期費用だけを対象とする表面利回りと異なり、運用後の利益に近い数値を把握できます。
太陽光発電投資では、この実質利回りを確認することで、より正確な収益予測が可能で、実際の運用に近い収益イメージをつかめます。投資判断に困ったときには、投資判断の信頼性を高めるためにも欠かせない指標といえるでしょう。
投資効率を測る指標(IRR)とは
投資効率を測る指標(IRR)とは内部収益率のことで、太陽光発電投資に投入した資金がどれだけ効率よく回収されるかを、投資期間全体を通して評価する指標です。
表面利回りや実質利回りが年間の利益割合を示すのに対し、投資期間全体を考慮しキャッシュフローが何年で回収され投資効率がどれほど高いかを示しています。
FIT価格の検討など行政分野でも活用されるほど専門性の高い概念なので、大枠を理解しておけば判断の質を高めることにつながります。
太陽光発電投資の利回りは本当に下がっているのか
太陽光発電投資の利回りは「下がっているのでは」と気にする声が増えています。とくに新設案件は環境変化の影響を受けやすく、一方で中古物件は安定しやすい傾向があります。ここでは、新設の利回り低下の背景、比較的堅実とされる中古案件、2025年の市場動向について整理します。
新設の利回りが伸びにくくなっている背景
近年、新設の太陽光発電は、以前ほど高い利回りを見込むのが難しくなっています。理由として、パネルや架台など設備費の上昇に加え、発電に適した良質な土地の確保が難しくなり、希少な適地の取得価格が上昇している点があげられます。
さらに、施工人件費も増加しており、初期投資の負担が重くなる傾向です。また、制度面では固定価格買取制度(FIT)の買取価格が年々下落傾向にあり、売電収入が以前ほど確保しにくくなっています。こうした複合的な要因により、新設では利回りが伸びにくい状況が生じています。
中古は利回りが安定しやすい
中古の太陽光発電は、すでに稼働している設備を引き継ぐため、発電量や売電収入の実績を事前に確認できます。最大の利点は、実データに基づいて収益を予測しやすく、想定との乖離が生じにくい点です。
また、過去のトラブルやメンテナンス履歴を把握したうえで検討できるため、リスクを理解した上で判断できることも大きな安心材料です。
太陽光発電の中古物件は固定価格買取制度(FIT)が継承され、前所有者の売電単価や残存期間をそのまま引き継げます。購入価格が割安な場合も多く、初期費用を抑えながら安定した利回りを得られる点も魅力です。
2025年の市場トレンド
2025年は、「新設の利回り低下」「中古市場の伸び」「地域主導の再エネ拡大」の3つが同時に進むターニングポイントと言えます。固定価格買取制度(FIT)の買取価格が引き下げられる見通しで、新設では以前より利回りを確保することが難しくなる状況です。
一方で、中古物件は実績に基づいて収益を見込みやすく、高い買取価格を引き継げることから関心が高まっています。また、自治体が主導する地域貢献型の再エネプロジェクトや、自治体新電力の取り組みも拡大し、地域の経済活動として太陽光を活用する動きが強まっています。
利回りの高い太陽光発電設備を見つけるポイント

太陽光発電投資を始めるなら、少しでも利回りの良い物件に投資したいと思っている方がほとんどだと思います。利回りの高い太陽光発電設備を見つけるためのポイントは以下の5つです。
①年間実発電量の確認②リスクの評価③劣化状況のチェック④出力抑制実績の確認⑤ランニングコストの把握
それぞれ解説します。
年間実発電量の実績を確認する
太陽光発電投資では、想定発電量ではなく、既に稼働している案件や、過去数年間の実発電量を確認することが重要です。
実績が高ければ予想より発電収益が伸びる可能性があり、逆に想定値と差が開いている場合は収益見込みを保守的に見直すことが求められます。シミュレーションと実際の発電量がかけ離れている案件は、シミュレーションの精度が低いことや、メンテナンス不足などが考えられます。
長期の運用で安定した収入につながるよう、実データに基づいて判断することが重要です。
設置地域の気象・災害リスクを評価する
太陽光発電の収益性は、設置地域の気象条件や災害リスクによって大きく変わります。豪雨や強風、積雪といった自然環境は、発電量に影響を及ぼし、設備の劣化を早める要因です。
また、災害が多い地域では補修や点検の頻度が増え、長期的なメンテナンス費用が膨らむ可能性があります。事前に気候データや災害履歴を確認しておけば、将来の維持コストをより正確に見積もることが可能となり、より現実的な収益計画を立てられるでしょう。
設備の劣化状況をチェックする
中古の太陽光発電設備を検討する際は、周辺設備の劣化状況を詳細に把握しておくことは必須です。パネルやパワーコンディショナーは年数とともに性能低下が進みます。
また、接続箱・集電箱、配線、ケーブル、ブレーカー・架台なども劣化します。契約前に必ず、点検記録・交換履歴・メンテナンス履歴を確認しましょう。
太陽光発電設備のランニングコストや収益低下のリスクをあらかじめ織り込むことで、長期運用の見通しをより正確に描けるでしょう。
過去の出力抑制実績を確認する
太陽光発電の出力抑制とは、電力の需要と供給の調整を目的として、発電量の一部が意図的に制限される仕組みです。ブラックアウトなどの大規模停電などのリスクを防ぐために行われます。
出力抑制をしている間は発電ができないため、収入が得られません。中古案件を検討する際は、過去の出力抑制の回数や実施時間を確認しておく必要があります。
抑制が多い案件では、売電収入が想定利回りから下振れする可能性があり、控えめに見積もることが賢明です。事前に出力抑制実績を把握することで、収益予測の精度が高まります。
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ランニングコストを把握する
収益を正確に予測するためには、初期費用だけでなく、年間のランニングコストを把握しなければなりません。ランニングコストを考えないままで進めると、表面利回りは良く見えても実質利回りが大きく下がる可能性があります。
土地賃料、電力系統利用料、定期点検費用、除草や清掃などのメンテナンス費用、固定資産税などの税金や保険料などの変動費を事前にチェックすることが重要です。変動費を確認することで、長期的に安定した収益設計を立てることが可能です。
太陽光発電投資の利回りを他投資と比較
太陽光発電投資の「利回りは本当に魅力的なのか?」と気になっている方は多いはずです。そこで、本章では太陽光発電の収益性をより立体的に捉えられるよう、株式投資や不動産投資といった代表的な投資商品と比較しながら、その特徴を分かりやすく紹介します。
産業用と住宅用で利回りは大きく違う
産業用太陽光発電と住宅用太陽光発電では、利回りに大きな差があります。10kW以上の産業用は売電利益の確保を目的に運用するため、一般的に 7%〜10%前後 を期待できます。
一方、10kW未満の住宅用の導入目的は電気代の削減であり、投資というより家計改善の色合いが強く、利回りは2%〜4%程度 にとどまることが多い状況です。
太陽光発電は、産業用も住宅用も同じ「高利回り」と考えられがちですが、産業用に限った特徴です。産業用の利回りを家庭用に当てはめると実態とずれるので注意しましょう。
株式投資との比較
株式投資は、企業の業績や市場の動きによって資産価値が増減する金融商品で、短期で資産を増やしたい人に向いています。一方で、価格変動が激しいため、リスク管理への意識が欠かせない投資方法です。分析が好きで値動きを日常的に確認できる人に向いています。
太陽光発電投資は、固定価格買取制度(FIT)で価格変動の影響を受けにくく、売電収入を中心とした長期の収益を見込めます。太陽光発電投資は、相場の上げ下げに振り回されたくない方に適した投資と言えるでしょう。
不動産投資との比較
不動産投資は、賃料による利益を自分で決められ、入居者がいれば継続的に家賃収入を得られます。また、物件価格の上昇による利益も得られ、オーナーの力量により大きな収益を得ることが可能です。
ただし、空室リスクや入退去対応などの手間が避けられず、修繕費などメンテナンスも欠かせません。景気変動の影響も受けやすい側面もあることから、資金的な余裕が不可欠です。
一方、太陽光発電投資は、対応する相手が電力会社で、メンテナンスなども管理会社が請け負ってくれるため手間がかからない投資方法といえます。
太陽光投資のメリット・デメリット
太陽光発電投資には、様々なメリットがあります。表面利回りが平均約10%前後と言われています。また、固定価格買取制度(FIT)により売電単価が一定期間守られるため、比較的リスクを抑えて運用できることも特徴です。
さらに、個人事業主や中小企業であれば各種の節税制度を活用でき、設備の寿命も長いため安定した運用を続けやすい側面があります。
一方で、デメリットとして、天候によって発電量が変動するため、収益が想定より上下する可能性があります。また、FIT期間終了後の売電単価は市場連動となるため、将来の収益構造を見直す必要が生じます。
電力需給の調整で発電を一時的に抑える「出力抑制」が行われる場合もあり、売電収入の減少につながる点は注意が必要です。
中古太陽光は最も安定した投資選択肢
中古太陽光発電は、稼働実績をもとに収益の見込みを把握できることから、安定性を重視する投資家に選ばれています。初期費用を抑えながら堅実に運用したい方や、副業として収入源を増やしたい会社員が取り組むケースが多いです。
中古太陽光発電は、過去の発電量やメンテナンス履歴を確認したうえで、投資するかどうか判断できる点も人気が集まっている理由です。新設と比べると、利回りの誤差が小さく、FIT単価・FIT期間をそのまま引き継げます。また、表面利回りが10%を超える高利回り物件があることも魅力です。
グッド・エナジーは全国でも上位の取扱実績を持ち、優良物件の紹介に加えてO&M支援まで提供しており、初めての方でも投資しやすい体制を整えています。
太陽光発電投資の利回りをシミュレーションで見てみよう
実際に茨城県で、中古の太陽光発電所を購入し、投資を行っている方の体験から実施したシミュレーションをご紹介します。
利回り10%超も狙える可能性がある
中古太陽光発電では、利回り10%超を狙える可能性があるとされ、初期費用を抑えながら収益性を確保したい方に適した選択肢となります。
設備費や土地代・諸経費などを含む初期費用が約1,000万円の場合、年間売電収入が約100万円となり、このシミュレーションでは表面利回りがおよそ10%(100万円÷1,000万円)になります。
中古物件は過去の発電実績を確認できるため、想定した発電量との差が小さく、収益を見積もりやすいです。設備の状態やメンテナンス履歴も事前に把握でき、長期運用の見通しを立てやすくなる点もメリットといえます。
実収益は88万円で手残りは意外と多い
中古太陽光発電の年間売電収入が約100万円の場合、維持費として保険料や点検費用など年間およそ12万円が必要です。差し引いた手取り収益は約88万円となり、初期費用1,000万円規模の中古太陽光発電であれば、実質利回りは約8.7%になります。
中古物件は発電実績を把握したうえで収益を見込めるため、予測と結果の差が大きくなりにくい特徴があります。このような点から、実質収益ベースで見ても堅実な運用が期待できる投資対象といえるでしょう。
現金 vs ローンで収益構造はどう変わるか
太陽光発電を現金で購入した場合、年間の手取り利益である約88万円が、そのまま収益として積み上がります。一方、1,000万円を年金利2%・10年返済でローン購入すると、年間返済額は110万円〜120万円となり、投資開始から数年間は手元に利益がほとんど残りません。
したがって、現金で購入した方が良いと言えます。
ただし、ローンを利用することで自己資金を抑えつつ運用でき、減価償却などの節税効果を受けられるメリットがあるため、資金戦略として検討する価値があります。
まとめ:太陽光発電投資の利回りについて解説
本記事では、太陽光発電投資の表面利回りと実質利回りの違い、IRRの考え方、市場トレンド、物件選びの重要ポイントを整理しました。
太陽光発電投資の成功の鍵は、発電実績や出力抑制の状況、維持費、残存FIT期間を丁寧に確認し、リスクを把握したうえで購入することです。
特に、これから太陽光発電投資を始める方には、収益を見通しやすい中古の太陽光発電がおすすめです。グッド・エナジーは、全国トップクラスの中古太陽光の取り扱い実績があります。購入後のO&M支援まで提供しており、初めての方でも安心して相談できる環境を整えています。
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