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太陽光パネルの種類は?選び方や太陽光パネルごとの特徴を解説

太陽光パネルの種類は?選び方や太陽光パネルごとの特徴を解説

「太陽光パネルの選択」は、売電収益にも関与します。適切な太陽光パネルを選択するために、太陽光パネルの種類を理解することは重要です。

本記事では、以下の項目について解説を進めます。

  • 太陽光パネルの分類
  • 化合物系太陽光パネル
  • 有機系太陽光パネル
  • 技術開発中の太陽パネル
  • 環境に合わせた太陽光パネルの選択

太陽光パネル導入・交換を検討されている事業者は、最後までご覧ください。

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太陽光パネルの構造

太陽光パネルの構造は、セルと呼ばれる最小部品から構成されます。セルは、薄いシリコン板になり、1枚10~15㎝ほどの大きさです。

上記セルが、縦横に数十枚組み合わさったモノが1枚の、太陽光パネル(モジュール)になります。太陽光パネルは、表と裏面があり、表面は「N型半導体(マイナス電荷)」、裏面は「P型半導体(プラス電荷)」です。

太陽光が当たることで、先述の電荷が表面と裏面に移動し、ケーブルを通じて直流電流として出力する仕組みになります。

太陽光パネルの発電効率は、14~22%程度となり、メーカーにより変換効率が異なります。

太陽光パネルは大きく4種類に分類できる

太陽光パネルの4つの種類

太陽光パネルには、大きく4種類に分類できます。それぞれの特徴について解説します。

シリコン系

シリコン系太陽光パネルは、現在最も広く普及しており、多くの発電所で採用されている太陽光パネルです。

シリコン系太陽光パネルの「特徴・メリットデメリット・主な使用用途」に関して、次項で解説していきます。

単結晶シリコン

単結晶シリコンは、高い発電効率と長寿命が特徴です。単結晶シリコンのメリットデメリットを、以下にまとめています。

メリットデメリット
発電効率が高い製造コストが高い
耐久性が高く、長寿命高温に弱い
世界的に普及され、信頼が高い大量生産に不向き

単結晶シリコンは、発電効率が、「20%前後」を実現することが可能で、高品質を求める住宅用太陽光パネルとして採用されることが多いのが特徴です。

多結晶シリコン

多結晶シリコンは、単結晶シリコンと比較して、コストパフォーマンスが高いパネルです。多結晶シリコンのメリットデメリットを、以下にまとめています。

メリットメリット
製造コストが安い単結晶と比べ、発電効率が下がる
量産性が高い構造上、構造欠陥が生じやすい
高温に強い単結晶に比べ、強度は低下する

多結晶シリコンは、発電効率は一般的に15%~18%程度で、コストパフォーマンスに優れている点から、メガソーラー等の大規模発電所に採用されています。

アモルファスシリコン

アモルファスシリコンは、特定の結晶を持たない形状で、現在注目されています。アモルファスシリコンのメリットデメリットを、以下にまとめています。

メリットメリット
軽量で加工しやすく設置自由度が高い発電効率が低い
単結晶・多結晶と比較して製造コストが安価初期劣化による出力低下がある
高温状態での出力低下が少ない単結晶・多結晶と比較して温度特性が悪い

アモルファスシリコンは、単結晶・多結晶シリコンと比べて、発電効率は8%~12%程度と低いです。現状では、実績が少ない点がデメリットとなります。

一方で、フレキシブル性に優れている点は大きなメリットです。

一例ですが、「建物の窓・日陰の多い場所・屈曲面」でも、光吸収率が高く発電が見込めるので、従来では不可能であった場所への設置も可能です。

化合物系

化合物系太陽光パネルは、シリコン以外の原材料を使用したパネルの総称です。

化合物系太陽光パネルの「特徴・メリットデメリット・主な使用用途」に関して、次項で解説していきます。

CIS

CIS太陽光パネルは、「銅・インジウム・セレン」を主な原材料としています。CIS太陽光パネルのメリットデメリットを、以下にまとめています。

メリットメリット
シリコン系より、製造コストが安い有害物質が含まれる
薄膜形成で、面積の拡大化が行える原材料の価格変動が社会情勢により変動する
高温時の出力低下が少ないシリコン系より、発電効率が低い

CISは、単結晶・多結晶シリコンと比べて、発電効率は14%~15%程度と低く、実績が少ない点がデメリットです。

シリコン系より、高温に強い特徴や、製造上「セルとストリング(電気回路)を一括形成」するので、影の影響を受けにくい特性もあります。

研究開発が必要ですが、将来的には、住宅用や、アモルファスシリコンと同じような「影の多い場所・屈曲した場所」でも使用可能になる可能性があり、今までは不可能であった場所への設置も可能になる可能性もあります。

CIGS

CIGSは、先述のCISに「ガリウム」を原材料として加えています。CIGS太陽光パネルのメリットデメリットを、以下にまとめています。

メリットメリット
高温時の出力低下が少ないシリコン系より発電効率が低い
経年劣化に強い有害物質が含まれる
原材料が少なく製作できるパネル重量が重くなる

CIGSは、単結晶・多結晶と比べて、発電効率は8〜12%程度と低く、まだ開発段階です。将来的には、住宅用や、建設物・電気自動車への装着が期待されています。

CdTe

CdTeは、テルル化カドミウムのことを指し、日本では販売実績が乏しいですが、海外では大規模発電所などで採用されています。

CdTe太陽光パネルのメリットデメリットを、以下にまとめています。

メリットメリット
高温時の出力低下が少ないシリコン系より発電効率が低い
薄膜化により資源有効活用が可能有害物質が含まれる
製造工程が短時間希少金属であるレアメタルを使用する

CdTeは、単結晶・多結晶と比べて、発電効率は16.4%程度と低く、まだ実績が少ない原材料です。日本での実績は少ないですが、栃木県那須郡にてCdTe太陽光パネルの運用が報告されています。

有機系

有機系は、先述のシリコン系素材の無機物とは異なり、有機物を使用しています。有機系太陽光パネルのメリットデメリットを、以下にまとめています。

メリットメリット
フレキシブル性に優れる現在、実用できる耐久性ではない
製造工程が少なくコストカットができるシリコン系より発電効率が低い
構造が単純で軽量外部環境により劣化しやすい

有機系は、単結晶・多結晶と比べて、発電効率は15%程度と低く、実用化には数多くの課題が残っているのが現状です。

一方、研究開発も進んでおり、現在、「森之宮 e METRO MOBILITY TOWN」で、有機系薄膜太陽光パネルの実証実験が行われ、今後の技術進歩にも大きく期待されています。

参考:世界初!カーボンナノチューブ電極を用いた有機薄膜太陽電池の実証実験を行います

量子ドット系

量子ドット系は、製品を最小分解することにより、太陽光パネルの高効率発電を目指す原材料の研究で、太陽光パネルは、「物体→構成物質→分子→原子→量子」と分解可能です。

「量子」は、科学的に分解可能な最小サイズになり、幅広い波長範囲(光の長さ)を拾える太陽光パネル技術が期待されています。

量子ドット系の変換効率は、理論上約70%になる可能性も示唆されていますが、現在技術が確立されず、実用化には至っていません。

注目が高まるペロブスカイト太陽電池

ペロブスカイト太陽電池は、近年注目を集める次世代太陽光パネルです。ペロブスカイト太陽電池のメリットデメリットを、以下にまとめています。

メリットメリット
軽量でフレキシブル劣化が早い
製造コストが安いシリコン系より発電効率が低い
設置自由度が高い有害物質が含まれる

ペロブスカイト太陽電池は、単結晶・多結晶と比べて、発電効率は15%程度と低く、実用化には数多くの課題が残っているのが現状です。

一方、軽量で薄膜製造が可能で、フレキシブル性も高く、設置場所の選択度がシリコン系と比べて大幅に上昇します。

NIMS (国立研究開発法人物質・材料研究機構)は、20%以上の光電変換効率 (発電効率) を維持しながら、60℃の高温下で1000時間以上の連続発電に耐えた研究開発に成功したと報告があり、今後の技術確立が期待されています。

出典:ペロブスカイト太陽電池で高い光電変換効率と長期耐久性の両立へ大きな前進

太陽光パネルを選定する時に確認するポイント

導入コスト

太陽光パネルを選択する際は、初期導入コストを意識しましょう。太陽光発電の投資は、長期間の運用が必要です。導入コストが高くなると、収益によって回収するまでに時間を要します。

導入コストを抑えるポイントを、以下にまとめました。

  • 地方自治体の補助金活用
  • 費用対効果のシュミレーション
  • 系統連系までの距離を確認する
  • メーカーを揃え価格交渉する

系統連系までの距離とは、電力会社との接続点(責任分界点)までの距離です。

太陽光パネル・パワーコンディショナーなどの機器は、およその相場価格が存在しますが、系統連系までの距離は相場がございません。距離が長くなれば、費用は膨らみます。

事業予定地と電力会社との接続点(責任分界点)までの距離も確認しましょう。

発電量

太陽光パネルを選ぶ際、発電量は重要です。発電量は、売電収益に直結します。発電量が低迷すると、売電収益は減少し、費用対効果も低迷することになります。事業予定地の日当たり(日射強度)も重要です。

太陽光発電と相性が良い立地条件を、以下にまとめました。

  • 南向きである
  • 影となる障害物・建物が少ない
  • 自然災害が少ない
  • 水はけが良い
  • 太陽光パネルの設置規制がない地域
  • 事業予定地までのアクセス性

太陽光パネルは、影の影響で出力が低下します。発電シミュレーションを行い、影の要因となる障害物がある場合は、撤去・伐採することが重要です。

設置予定場所の強度・形状に合わせた太陽光パネルの選択も重要となります。

メーカーの保証期間

太陽光パネルを選ぶ際、メーカー保証期間を確認しましょう。メーカー保証期間は、期間中であれば無償交換、無償修理が可能です。

太陽光発電は、自然災害の影響を受けるリスクもあるため、突発的な故障・破損のリスクに備えることが重要となります。

また、獣害の可能性もあり、以前の報告では「鹿がケーブルを嚙みきった」「イノシシが電気BOX(接続箱)を破壊した」等の報告があります。

万が一のことを想定して、メーカー保証期間を確認しましょう。

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環境に合わせた太陽光パネルの選び方

環境に合わせたパネルの選び方のポイントを4つ紹介していきます。類似条件で太陽光事業をされる方は、最後まで読んでいきましょう。

住宅屋根に設置する場合

住宅屋根に設置する場合、設置できる面積は限られているので、面積を有効活用するために「単結晶シリコン太陽光パネル」がおすすめです。

単結晶シリコン太陽光パネルは、発電効率が高い特徴があります。採用率が高いことから、太陽光パネルの市場価格競争も起こっています。

初期費用面や発電効率、設置面積を考慮すると、住宅屋根の場合では、単結晶シリコン太陽パネルが最適です。

産業用(大規模)の場合

産業用(大規模な)太陽光発電所の場合、単結晶シリコンより「多結晶シリコン」が最適です。

単結晶より発電効率は劣りますが、製造時のコストが安く、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。

過去の大規模発電所では、「日当たりが良く・変電設備から距離が近い」部分に、単結晶シリコンを採用して、残りの箇所に多結晶シリコンを採用したこともございます。

投資資金を考慮して、一部のみ単結晶シリコンを採用する方法も有効です。

荷重を気にする場合

荷重を気にする場所に太陽光パネルを設置する場合は、軽量化された太陽光パネルが最適です。

京都に本社を置く「京セラ」では、結晶シリコン系で従来重量の「約25%程度・2.5㎏(1㎡)」という結晶フレキシブル太陽光パネルが開発されています。

また、荷重を気にする場所の場合、接続箱や集電箱を荷重問題のない場所に設置するようにしましょう。そうすることで、ケーブルが長くなりコストは上昇しますが、荷重を気にする不安が解消されます。

参考:従来よりも大幅な薄型化、軽量化を実現したフレキシブル結晶シリコン太陽電池モジュール(開発試作品)

暑い地域に設置する場合

暑い地域に設置する場合、HIT(ハイブリッド型・ヘテロ接合型)が最適です。太陽光パネルは熱に弱く、1℃表面温度が上昇すると、0.5%の発電ロスが生じます。

夏場では、太陽光パネルの表面温度が「70~80℃」に上昇し、発電ロスが大きくなり売電収入の減少にも繋がります。

大阪に本社を置くパナソニック株式会社では、世界最高水準の高温下における発電性能とメーカー保証を付帯したパネルが販売されており、暑い地域には最適です。

参考:住宅用 太陽電池モジュール HIT® 新製品「P255α Plus」発売

おすすめの太陽光パネルメーカーを解説

おすすめの太陽光パネルメーカーを4つ解説していきます。

メリットメーカー(商品名)メリット発電効率(%)重量(㎏)特徴
Panasonic(HITP255α)19.915高温による出力低下を最大限抑える
東洋アルミニウム(Hane Module)17.48従来パネル重量の1/2
Trina(DEG18MC)20.730.1両面発電可能太陽光パネル
Panasonic(単結晶 285A)17.518.5多雪地域対応太陽光パネル

上記の表は、「高温地域・軽量パネル・両面発電パネル・積雪地帯対応」という条件で一覧にしています。

設置場所が限られている場合は、両面発電の太陽光パネルなどを導入する方法もあります。

高温地域や積雪地帯では、地域特有の気象条件を考慮して、太陽光パネルを選定することがポイントです。

まとめ:太陽光パネルの種類や選ぶ際のポイントを解説

本記事では、「太陽光パネルの種類」について解説を進めました。太陽光パネルは、地域と特有の気象条件に適合した太陽光パネルがあります。

事前に、事業を行う土地の気象条件を確認しておくことが重要です。そうすることで、導入コストと立地条件を合わせて、最適な太陽光パネルを選定できるでしょう。

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