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太陽光発電におけるパワーコンディショナーとは?役割や選ぶ時のポイントを解説

太陽光発電におけるパワーコンディショナーとは?役割や選ぶ時のポイントを解説

太陽光発電において、パワーコンディショナーは、“収益性と安定運用”を左右する要となる機器です。  

直流電力を交流に変換する基本機能に加え、発電効率の最大化や停電時の電力供給といった、安定した事業運用に不可欠な役割を担っています。  

本記事では、パワーコンディショナーの基本的な機能と、必要なメンテナンスの要点をわかりやすく解説します。

また、パワーコンディショナーを選ぶ際のポイントも紹介しました。ぜひ、最後までお読みください。

パワーコンディショナーとは?

パワーコンディショナーは、太陽光発電を最大限活かすために、かかせない重要な部品です。

太陽電池が発電した直流電気を家庭や施設で使用可能な交流電気に変換することで、発電した電力を最大限活用できるようにします。

パワーコンディショナーが壊れると、太陽光発電が機能しなくなってしまうため、太陽光発電の心臓の役割を果たすと言われています。停電時の自立運転機能など、詳細な機能については後述するので、以降をお読みください。

パワーコンディショナーの役割

パワーコンディショナーが果たす主な役割は、「発電した電力を交流に変換する」「発電力を最大化する」など、主に5つあります。それぞれ解説します。

発電した電力を交流に変換する

パワーコンディショナーは直流を交流に変換する機器です。

太陽光発電が生み出す電力は直流(DC)ですが、家庭用電化製品やオフィスで使う電気機器の電力系統は交流(AC)での使用が前提となっています。

この問題を解決するのがパワーコンディショナーです。

直流電力を交流へ変換するインバータ機能を搭載し、発電エネルギーを実用的な電力へと再構築します。

発電量を最大化できる

パワーコンディショナーには、MPPT(最大電力点追従制御)と呼ばれる機能が搭載されています。太陽光発電は、気候や気温より発電量が大きく左右されます。

パワーコンディショナーのMPPTは、太陽光発電特有の不安定さを解消する機能です。

MPPTを備えているメリットは、太陽光発電の発電効率を改善させ売電収入を増加できる点です。

太陽光発電の初期コストは高いものの、MPPTにより投資回収が早まることが期待できるでしょう。

系統連系保護機能

太陽光発電の事業者が電力を送電する際、送電線に接続するため、電力会社(一般送配電事業者)と系統連系の契約が必要です。

電力会社は、電気を安定して届けるために、電圧や周波数などが常に安定するよう調整を行っていますが、異常が発生した場合、安全装置が作動して発電が停止します。

一方、太陽光発電で、電圧や周波数に関わる不具合が発生した場合、そのまま電力系統につながっていると、周囲の地域全体に停電などの影響が及ぶおそれがあります。

系統連系保護機能は、このようなトラブルによる影響を広げないために、異常を感知すると自動的に電力系統との接続を遮断する、パワーコンディショナーの重要な機能です。

自立運転機能が活用できる

自立運転機能は、停電時に太陽光発電システムを電力系統から切り離し、発電した電力を専用コンセントから直接利用できるようにする仕組みです。

自立運転機能を備えたパワーコンディショナーなら、停電時に冷蔵庫や照明など最低限の家電を使用可能にします。

しかし、この機能はすべてのパワーコンディショナーに標準装備されていません。

太陽光発電で災害対応を行ないたい場合は、パワーコンディショナーに自立運転機能が搭載されている製品を選ぶ必要があります。

逆潮流を制御できる

逆潮流とは、太陽光発電で発電した電力が、電力会社の送配電網へ逆向きに流れる現象のことです。

全量自家消費型では、原則として逆潮流は禁止されていますが、売電を目的とするシステムでは、パワーコンディショナーに逆潮流制御機能が搭載されています。

逆潮流制御の目的は、電力需給のバランスを保ち、電力系統を安定化させることです。

売電するためには、パワーコンディショナーが発電電圧を系統電圧よりも0.1〜0.3V高く調整し、電力の流れを制御します。

パワーコンディショナーの期待寿命

パワーコンディショナーの期待寿命は一般的に約10〜15年です。長く稼働させるには、定期的なメンテナンスが必要です。

個人でも、フィルター清掃・外観の腐食の確認・通気口の塵埃除去・モニターのチェックなどのメンテナンスができます。

特に、フィルターは埃がたまりやすく、放置すると熱を排出しにくくなり故障の原因になるので、こまめな清掃が必要です。万が一、故障した場合の交換費用は、25円〜40万円が相場となっています。

パワーコンディショナーが故障する原因

パワコンの主な故障原因は、経年劣化、設置業者の接続不良、経年劣化、風雨などの自然環境による劣化です。

フィルターの目詰まりによる過熱も故障の原因となります。故障した場合は交換する必要があり、交換費用がかかります。

費用は工事費込みで、25万円〜40万円ほどです。故障の原因が業者にある場合は、まずは施工業者まで確認の連絡を取ることが重要です。

交換をする際には、ハイブリッド型蓄電池にすることを検討するとよいでしょう。

太陽光発電と蓄電池を一台で制御でき、効率的な電力変換や停電時の自立運転などのメリットがあります。初期費用は100万円〜300万円と高額です。

パワーコンディショナーのメンテナンスは重要

パワーコンディショナーは太陽光発電の運用中、常に稼働し続けています。負担が大きいため、定期的なメンテナンスが非常に重要です。

メンテナンスを怠ると、発電効率の低下やシステム全体の故障につながり損失を招く可能性があります。

経済産業省の報告によると、地上設置型(低圧)の運転維持費は平均5,200円/kW/年で中央値は4,100円/kW/年とされています。

事業用は規模が大きいことから、専門業者による定期的な点検で異常を早期発見し、パワコンの長寿命化を図ることが大切です。

参考:経済産業省 令和6年度以降の調達価格等に関する意見

パワーコンディショナーを選ぶ時に確認すること

太陽光発電に必要不可欠な存在であるパワーコンディショナーを選ぶときに、確認しておくべき事項が6つあります。それぞれ解説します。

  1. 価格
  2. 変換効率
  3. 保証
  4. 大きさ
  5. 最大定格出力
  6. 出力制御

価格

パワーコンディショナーの価格は、定格容量やメーカーによって大きく異なります。各メーカーの価格を比較検討することで、初期費用を抑えることができます。

一般的に、価格は出力10kWの場合30万円前後、出力50kWで50万円前後、出力100kWで100万円前後が相場です。

価格を考慮する際には、単純なkW単価だけでなく、変換効率や保証期間など、太陽光発電システム全体で考えることが重要です。

近年は太陽光発電の技術が発達したことにより、以前よりも価格は求めやすくなっています。

変換効率

パワーコンディショナーの変換効率とは、太陽光パネルが発電した直流の電気を交流の電気に変換する際の、ロス量を示す指標です。

パワーコンディショナーはこの変換を担いますが、熱損失などの影響で100%の変換は不可能です。一般的に変換効率は95%〜98%の範囲で、98%なら性能が高いパワーコンディショナーといえます。

高効率なパワーコンディショナーを選べば、発電ロスを最小化でき、年間発電量が向上します。

効率モデルは価格が高くなる傾向があるため、初期費用と発電量増加分の収支バランスを考慮することが重要です。

保証

パワーコンディショナーを選ぶときには、保証期間にも注目しましょう。パワーコンディショナーの期待寿命は約10年であることを理解しておく必要があります。

保証期間はメーカーによって異なり、無償保証は5年〜10年が程度だといわれていますが、有償で15年〜20年の保証を設けているメーカーもあります。

保証期間が長い方が、費用を抑えられる可能性が高いです。

また、太陽光発電はシステム全体で相互に連携し稼働するため、パワーコンディショナー以外にも太陽光パネルの保証などシステム全体で考えることが重要です。

大きさ

住宅用の場合、パワーコンディショナーの大きさを事前に確認しておくことは重要です。スペースの問題で設置できない場合があるためです。

住宅用の場合、屋内専用と屋外専用とではサイズが大きく異なるので注意が必要です。住宅用は、縦500mm×横300mm×150mm、重さは 約15kg 程度です。

事業用の場合は製品によって高さや幅に差があり、一例をあげると、50kWクラスのもので、縦308mm×横1166mm×高さ656mm、重さ80kgくらいの大きさになります。

最大定格出力

最大定格出力とは、パワーコンディショナーが連続して出力できる交流電力の最大値を指します。

太陽光パネルの発電量が最大定格出力を超えると余剰電力が変換されずに失われるため、効率的な運用をするためには重要な指標となります。

過積載は、パワーコンディショナーの容量を上回る太陽光パネルを設置する方法で、発電量を最大化する一般的な手法です。朝夕や曇天時でも安定した発電量が得られます。

ただし、過積載を行うと、ピーク時には発電量の一部が変換されないため、慎重に検討し投資回収計画に基づいて導入するとよいでしょう。

出力制御

出力制御とは、電力の需要と供給のバランスを保つために、発電設備からの電力出力を一時的に抑制または停止する仕組みです。

電力の需給バランスが崩れると、電気設備が不調になるだけではなく、広範囲でブラックアウトが生じることもあるため、これを防ぐために出力制御が行われます。

太陽光発電システムを導入する際には、出力制御に対応したパワーコンディショナーを選ぶことが重要です。全国的に出力制御が実施されており、とりわけ野立ての太陽光発電では必須の要件となっています。

パワーコンディショナーの製品を比較

今回は、代表的なパワーコンディショナーメーカーとして、ダイヤゼブラ電機(旧田淵電機)、HUAWEI(ファーウェイ)の製品を比較しました。

メーカー名製品名出力制御対応価格変換効率
ダイヤゼブラ電機三相9.9kW 自立運転機能付EPG-T99MP5-GK対応約35万円最大93.7%
HUAWEI三相33.3kW 高圧用SUN2000-33KTL-NH対応約37万円最大98.8%
安川電機三相9.9kW 絶縁型CEPT-P2HA29P9B対応約47万円最大94.0%

太陽光発電においてパワーコンディショナーは必要(重要)な製品

太陽光発電システムにおいてパワーコンディショナーは不可欠な存在です。

直流電気を家庭用交流電気に変換するだけでなく、MPPT機能による発電量の最大化や系統連系保護による安全確保といった重要な役割を担っています。

導入時には変換効率の比較や過積載対応の可否、設置環境に適したサイズの検討が重要です。

長期的な運用効率を考えると、ハイブリッド型の選択やメーカー保証範囲の確認も有効です。

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