太陽光発電の発電ロスはなぜ起こる?原因や対策を分かりやすく解説
太陽光発電所を長期間運用すると、発電ロスが生じる可能性があります。
発電ロスは収益を悪化させるだけでなく、最悪の場合、機器停止などに繋がります。
本記事では、太陽光発電所の損失対策として、主に以下の内容を解説します。
- 発電ロスの原因
- 太陽光発電所の今後の見通し
- 設備を売却する方法もある
太陽光発電の発電ロスに悩んでいる方に向けて、発電ロスの対処法を解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
太陽光発電の発電ロスとは?
発電ロスとは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する時に発生する「損失」のことです。損失の割合は約80%程度になります。
発電ロスが生じてしまう主な要因は、以下の通りです。
- 電線ケーブルの抵抗ロス
- パワーコンディショナーの変換ロス
- 昇圧キュービクルの変換ロス
- パネルの経年劣化
- 天候や気温による発電ロス
- 機器などのメンテナンス不良
太陽光発電所を長期間運用する上で、発電ロス対策は収益に直結するため重要です。
太陽光発電の発電ロスが起こる原因
太陽光発電の発電ロス(損失)が起こる原因について、詳しく解説します。
すべての光エネルギーを電気に変換できない
太陽光(光エネルギー)を、100%電気に変換することは不可能です。
地球に降り注ぐ光エネルギーは、様々な波長の光があり、「波長が長いほどエネルギーが弱く、波長が短いほど強くなる」性質を持っています。
一般的に、前者のエネルギーを赤外線、後者のエネルギーを紫外線と呼びます。
例えば、太陽光パネルメーカーであるPanasonicのパネル変換効率は約20%前後となり、太陽光パネルに吸収できる光に限界があることがわかります。
天気や気温に左右される
太陽光パネルの発電効率は、天候や気温に左右されます。
シリコン系パネルは熱に弱く、パネルの温度が1℃上昇すると約0.5%の発電ロスが発生します。
メーカーが公表している公称解放電圧(太陽光パネルより出力される電圧)は、パネル温度が25℃での試算結果になるため、25℃を超えると発電効率が低下します。
太陽光発電は、私たちが普段感じることができる紫外線(約100nm)で発電することが可能です。
一方で、波長1.1μm(マイクロメーター)を超える光エネルギーの変換は行えません。
経年劣化している
太陽光発電は、経年劣化する設備となります。
経年劣化とは、新設時から年数が経過するにつれ発電効率が低下することです。
太陽光発電は、直流電力を交流電力に変換し、電力変換時には「熱損失・機械損失」が生じます。10年経過すると効率は低下するため注意が必要です。
太陽光パネルが発電可能な年数(期待寿命)は約30年と言われています。発電ロスを防ぐために、経年劣化の対策は重要です。
パネルが汚れている
パネルの汚れを放置した場合、ホットスポットが発生する危険性があります。
ホットスポットは、汚れを長期間放置することでパネルに光が当たらない状態となり、以下のような事態が懸念されます。
- 電気抵抗増大による故障
- 電気抵抗増大による発熱・火災
パネルが汚れてしまう主な理由は、以下の通りです。
- 鳥の糞
- 黄砂
- 落ち葉
- 泥
- 黄砂
- 火山灰
ホットスポットを防ぐために、定期的な清掃を心がけましょう。
ケーブルが劣化・断線している
太陽光発電所の電力を送電網まで送るために、ケーブルの管理は重要です。
太陽光発電用ケーブルは、一般の電気工事ケーブルとは異なり「耐候性・難燃性・耐候性・耐寒性」に優れています。
ただ、専用のケーブルを使用している場合でも、経年劣化による断線の可能性はあるため注意が必要です。
ケーブルの劣化が進行すれば、外部被覆の劣化が進行して、ケーブルの絶縁抵抗値が悪くなります。劣化を放置すれば、断線・ブレーカートリップへと繋がります。
ケーブルのメンテナンスを行う場合は、専門業者に依頼を行い、定期的に「絶縁抵抗測定」を実施しましょう。
太陽光発電の発電ロスを抑える方法
続いて、太陽光発電の発電ロス(損失)を抑える方法について解説します。
定期的にメンテナンスを行う
太陽光発電所の定期的なメンテナンスを行うことで、発電ロスは軽減します。
パネルの汚れ等の目視点検は、専用機器が必要ないため、個人でも行えます。目視点検では、以下の項目について確認します。
- 影の影響
- パネルの錆
- 周辺の雑草
一方で、電圧・抵抗値・絶縁抵抗測定などの点検は、専門知識がないと感電の危険性があるので、専門業者に依頼しましょう。
発電効率が高いパネルを選ぶ
発電効率が高いパネルを選ぶことで、発電ロスを軽減できます。
パネルの発電効率は年々上昇しており、新しいパネルに交換することで、既存の発電ロスを抑えられる可能性があります。
発電効率が高い太陽光パネルを検討する場合、発電効率が20%を超える製品を選ぶことがポイントです。
以下に製品事例を紹介します。
ケーブルの修復を行う
ケーブルの修復を行うことも、発電ロスの改善に繋がります。
経年劣化して抵抗値が悪化したケーブルは、所定の電力を送電できません。送電できたとしても漏電などが起こり、ブレーカートリップが発生して回路が遮断される可能性もあります。
また、ケーブルの「盗難対策」も重要です。
太陽光発電用ケーブルには銅が含まれているため、転売目的で狙われる危険性があります。
ケーブルが露出していると切断・盗難される危険性があるため、配管内への敷設や外部フェンスの設置を検討しましょう。
太陽光パネルを過積載で設置する
太陽光パネルを過積載することで、発電ロスを改善できます。過積載とは、発電ロスを想定してパネルを上乗せ設置することです。
設計パネル枚数が1,000枚の場合の例を以下に示します。
設計パネル枚数 | 発電ロス | 設置枚数 |
---|---|---|
1,000枚 | 10% | 1,100枚 |
上記の場合、発電ロス10%を見込んで、設置枚数をあらかじめ増やすことで、発電量を効果的に確保することが可能です。
過積載を行う場合、パワーコンディショナーなどの重要機器に負荷がかかるため注意が必要です。
また、メーカーの機器製品保証を受けられない可能性があります。メーカーの保証範囲について、事前に確認しておきましょう。
太陽光発電の今後の見通し
太陽光発電の今後について、発電効率と蓄電池の観点から解説します。
発電効率の改善
太陽光発電の技術は進歩しています。政府がカーボンニュートラルを宣言したことから、発電効率が高いパネルや次世代パネルの開発に期待が高まっています。
例えば、次世代のパネルとして注目されているペロブスカイト太陽電池は、設置場所を限定されないことや従来のパネルに比べて軽量な特徴があります。
印刷技術を使用するので、原価も「1/5程度」で製造が可能で、発電効率も20%を超えます。
蓄電池への期待
蓄電池の技術も進歩しています。蓄電池を導入すれば、日中に発電した電力を蓄え、夜間帯に電力を使用することが可能です。
蓄電池を導入することで、以下のようなメリットがあります。
- 発電した電力を蓄えられる
- 非常用電源として活用できる
- 電気代を削減できる
太陽光発電は、今後も増加する見通しがされていますが、急激な増加による系統接続への不安なども同時に懸念されています。
蓄電池を導入することで、系統の安定化や出力抑制を回避する可能性が高まります。
太陽光発電所を売却する方法もある
損失の対策に時間と費用がかかり、収益が減少する場合、太陽光発電所を売却する方法もあります。
損失の対策には、メンテナンス費・修繕工事費・外注費・人工・仮設足場代やケーブル費用など様々な費用が発生します。
太陽光発電のセカンダリー市場は、年々拡大を続け、2030年度には「2017年度費+500MWの6,049MW」と予測されています。
中古の太陽光発電所は、「過去の売電実績が分かる」などの理由より、投資家の間でも人気となっています。
まとめ:太陽光発電における発電ロスの対処法を解説!
本記事では「太陽光発電の損失」に関して、以下のことを解説しました。
- 発電ロスが発生する原因
- 発電ロスを抑える方法
- 太陽光発電の今後の見通し
- 設備を売却する方法もある
太陽光発電の運用は、「いかにして損失を減らすか」を考えることが重要です。
発電ロスの改善に時間や費用がかかり黒字化が難しい場合は、設備を売却する選択肢もあります。
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