太陽光発電を売却する理由は?メリットや高く売るためのポイントも解説
現在太陽光設備を保有されている方は、「売却を視野に入れた方がいいのか」と疑問を感じている方も多いと思われます。
2012年頃より、再生可能エネルギーにシフトする投資家・企業が増え、2050年カーボンニュートラルに向けての投資意欲も上昇中です。
そのため、太陽光の「セカンダリー(中古)市場」が拡大していて、「どのタイミングで売却すればいいかわからない・・」「まだ償却期間は残っているから・・」とお悩みの方も問題ありません。
本記事では、太陽光発電を売却する主な理由やメリット、注意点について解説します。是非、一度チェックしていきましょう!
目次
太陽光発電を売却する主な理由5つ
太陽光発電を「いつ売却すればいいのか?」このポイントはとても悩みます。
そして実際に、「どのような理由で売却されているのか?」という部分も気になるポイントです。
ここでは、売却するに至った、主な理由を5つご紹介していきます。
まとまった現金が必要になったため
事業をしていると思わぬトラブルなどにより資金が必要になる場面もあります。
メーカー・企業様の方は、本事業とは別で再生可能エネルギー事業として太陽光発電を選択されていることも多いはずです。
近年では、遊休地を所有されている方も太陽光発電所を建設されています。
本事業の景気後退など急に資金が必要な場合は、太陽光発電は高額査定が出ます。
「拡大中のセカンダリー(中古)市場」であれば、思わぬトラブルでも安心して資金調達が可能です。
発電所の管理が大変なため
発電所のメンテナンス管理に関しては、専門業者に依頼しないと難しい部分があります。そのため、月々のランニングコストも発生します。
太陽光パネルは日射量で出力が左右されるので影の影響があるモノを定期的に排除することが非常に重要です。
影響があるモノを洗い出し、発電所の位置を正確に出し、太陽光入射角などを考慮して影響物を定期的に排除するのはとても大変です。専門の知識や技術がないと運営するのは難しく、売却されるケースもあります。
節税目的を果たしたため
太陽光発電所は「利益を生み出す設備」になります。もちろん、節税対象になり、その期間は「17年間」になります。
例えば、1700万円で設備を導入すると毎年100万円の経費計上が可能です。17年間経費計上した分に関しては、「所得税・税金」が減免されることになります。
年数 | 残投資費用 | 経費計上 | 節税効果 |
1年目 | 1600万円 | 100万円 | 〇 |
10年目 | 700万円 | 100万円 | 〇 |
18年目 | 0 | 0 | ✕ |
しかし、18年目には、減価償却期間が終わり節税効果がなくなります。節税目的を果たした後に、設備を維持するのか?売却するのか?という部分が大きなポイントになります。
発電量を確保できないため
発電量に関しては設備導入にあたってシミュレーションを行い、シミュレーションを元にアレイ配置・架台の高さ・アレイ間隔を決めていきます。
前項でも説明した、正確な位置・太陽光入射角・影響あるモノの高さなどを考慮した上で図面もしくは3Dで実施します。
太陽光発電は、気候変動や一瞬の曇り・害獣被害などの影響を受けやすく、常時シミュレーションの発電量を確保できるとは限りません。イメージ通り発電量が確保できなく、売却されるケースもあります。
他の事業に投資したいため
太陽光発電は魅力的な投資先ではありますが、太陽光発電の他にも、売電関係では下記の投資先があります。
- 風力発電
- 水力発電
- バイオマス発電
- 水上太陽発電
ほかにも、株式投資・先物投資など、太陽光発電以外の投資先があるのも事実です。
太陽光発電はメガソーラー(2MW級の高圧受変電設備)になると、総工費だけで「約3億円前後」の金額が動きます。他の魅力的な投資先へ資金流入させたい投資家・事業者も多く売却されるケースも増えています。
中古太陽光発電の売却が増えている理由
2017年頃からの「セカンダリー(中古)市場」拡大を踏まえて、新設した太陽光発電設備を売却したい事業者が増えています。
なぜ今中古太陽光が注目されているのか?新しい投資先を検討される方に必見の内容です。
中古太陽光発電は売り手市場になっている
2012年に開始された「FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)」の誕生により、次々に新しい太陽光発電所が建設ラッシュを迎えました。
新設発電所の場合、新たなIDや系統連系など複雑な申請が必要になりますが、中古で購入する場合は既に済まされているので必要ありません。
そして何より、既に発電量実績があるので購入者としても判断しやすいのも大きな点です。このような面から現在「売り手市場」へと変化しています。
年度 | 流通市場の発電量(MW) | 成長率(%) |
2016年 | 200 | 100(基準率) |
2017年 | 300 | 150 |
2018年 | 450 | 250 |
2020年 | 800 | 400 |
表から分かる通り、年々中古需要は拡大を続けています。更には、2050年カーボンニュートラルを目指し、新しい施策なども期待出来るかもしれません。
世界的に見ても太陽光市場は拡大を続け、2021年から2027年の予測期間において、「年間平均成長率(CAGR)20.50%」が見込まれています。
中古市場もこれに伴い活性化すると考えられています。
出力制御による売電額の減少
出力制御とは、消費電力需要が少なく売電が供給過多になることです。出力制限をかけないと、電力の周波数に乱れが生じ、電力品質に問題が生じる可能性があります。
2023年には、九州地方で「再生可能エネルギー全体の約6.7%」の大規模出力制限が実施されました。
気になる今後の出力制御としては、2023年度を上回る出力制限が見込まれる状況です。では、どの程度される見込みなのか?下記の表のような推移が想定されています。
年度 | 出力制限量(億KWh) |
2020年度 | 4.0 |
2021年度 | 5.3 |
2022年度 | 5.7 |
2023年度 | 17.6 |
2024年度 | 24.2 |
このように、発電した電力を売電できない見込みが全国でされており、売却を考える事業者が年々増加傾向です。
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インボイス制度による影響
インボイス制度により、仕入税額控除の適用が出来なくなる場合があります。
事業者(電力) | 消費税10% | 電力会社売り手(電力) | 消費税10% | 消費者(電力) | 消費税10% | 税金額(合計) |
1,000円 | 100円 | 2,000円 | 200円 | 2,000円 | 200円 | 200円 |
仕入税額控除とは、例えば発電事業者が10KWを1,000円+消費税100円の1,100円で電力会社に売買を行います。
その後最終消費者が、電力会社より10KW2,000円+消費税200円の2,200円で購入します。この場合、発電事業者と電力会社は、それぞれ100円の税金を納め、最終消費者が負担する200円と同じ計算です。
買い手である電力会社は課税事業者になり、インボイス番号を求められると、売電事業者にインボイス提示を求めます。
最終的には電力を仕入れた電力会社が、200円-100円の税金控除が出来ますが、インボイス番号が取得されていないと、100円の仕入税額控除の適用ができなくなり、最悪の場合は取引の有無が変わる可能性があります。
参考:インボイス制度関連|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー (資源エネルギー庁)
中古太陽光発電を売却するメリット
太陽光を売却するとどのようなメリットがあるのか?現在稼働中の発電所でも意味があるのか?など、事業者が抱える様々なシーンに合わせた疑問を一挙解説していきます。
高額な売値を期待できる
中古太陽光発電所を購入しても、前項で説明した「節税効果」や「FIT残年数」によって長期的な収益が見込めます。
購入金額から、想定される収益を考える必要性がありますが、中古太陽光は新設太陽光とは違い、実績がデータベース上で閲覧が可能になります。
その発電実績は、シュミレーションとは異なり全く違った価値があり、梅雨時期・夏場・冬場などの季節を通した実績が保有されていることは何よりも強いポイントです。
特にFIT取得年度が古い発電所ほど、固定買取価格が高く魅力があります。好条件が揃った太陽光発電所は高値が期待でき、資金面で計画性が見えることも大きなメリットです。
自然災害や盗難のリスクを抑える
太陽光発電所を運営していると様々なリスクがあります。まずは「盗難」についてです。
太陽光発電所は、下記のように、耐電流値の高いケーブルが採用されています。(※発電所規模により異なります)
接続箱~パネルまで | 3.5sqケーブル |
接続箱~集電箱まで | 60sqケーブル |
集電箱からパワーコンディショナーまで | 100sqケーブル |
パワーコンディショナー~トランスまで | 100sqケーブル |
上記のケーブルは盗難率が高く、太陽光発電所でも盗難が増加傾向です。売却することで、盗難のリスクを抑えられることもあります。
次に「自然災害・害獣」についてです。集中豪雨や台風などでパネルが破損することもしばしばあり、鹿・イノシシなどがケーブルを噛み漏電したケースもあります。
上記リスクに対して追加費用を出して対策する必要がありますが、売却すればリスクを考えなくて済む点も大きなポイントです。
設備維持費のコストをなくす
中古で太陽光発電所を売却すると維持管理コストが必要ありません。
太陽光は「メンテナンスフリー」などと言われていますが、実態はそうではなく定期的な点検・清掃が必要になります。
山奥の遊休地などで運営している場合には、遠隔監視装置などの問題が発生した場合、復旧に時間とコストが発生します。
特にパワーコンディショナー・遠隔監視装置のトラブルは費用が高く、交換工事となれば規模にもよりますが、総工事費100万円程度は軽くかかります。
上記のコストをゼロにできる点も中古売買するメリットになり、セカンダリー市場の拡大にも繋がっています。
中古太陽光を売却する時の注意点
では、売却時にどのような点を注意すればいいのか?この章では、売却時に注意するポイントを一挙解説していきます。
売却を検討されてる方は確実にチェックしましょう。
太陽光発電設備の売却益に税金がかかる
売却益は「譲渡所得」という部類に分類されます。譲渡所得とは、太陽光発電所の売却金額に課税される税金です。
その他にも、下記のような税金が課税されます。
- 住民税
- 消費税
- 法人税
- 法人事業税
- 法人住民税
下記の表に、各税金の計算式を簡単にまとめました。
課税種別 | 計算式 |
譲渡所得 | 売却益-(取得費用+譲渡費用) |
住民税 | 譲渡所得×(9%又は5%) |
消費税 | 売却額×10% |
法人税 | 売却額-取得価格=所得所得×(23.2%又は19%) |
法人事業税 | 売却額-取得価格=所得 所得×法人事業税(地方により税率異なる) |
法人住民税 | 地方自治体へ納付(法人資本金・従業員数によって変化) |
個人・法人で税金の種別が違うことがわかります。
また、後ほど別章で、「保有年数による税率区分の違い」なども解説しますので、是非チェックしましょう。
確定申告の手続きが必要になる
中古太陽光売買によって得た収益は、ある一定金額を超えると、必ず「確定申告」が必要です。
確定申告の経費項目に関しては、運営者が「個人事業主」「会社員」「法人」によって計上する所得区分・税率が変わります。
本年度に売買が成立した場合には、来年度の2月中旬~3月中旬にされる各所轄税務署での確定申告が必須です。
申請方法は、書面方式(白色申告・青色申告)・e-TAX(電子申請)が選べるようになっています。
名義変更の手続きが長い
自動車と同じように、太陽光も住所変更などの手続きが必要です。各種申請も1日で手続きが終えれるのではなく、「約1ヶ月程度」の時間を必要とします。
まずは、「重要な手続き」を説明します。
申請内容と種類 | 申請先 |
事業計画認定 | 国に対して申請 |
売電契約 | 所轄電力会社 |
土地登記簿 | 法務局 |
上記は申請内容が難しく、「土地登記簿」に関して、「新旧有者の印鑑証明書」「不動産登記法人証明書」などの書類が必要にもなります。そのため不動産登記に詳しい「司法書士」へ依頼することも多いです。
次に申請が必要手続きは、下記の通りで、新所有者は名義変更の必要があります。
- メーカー保証書
- 損害保険
- 定期メンテナンス
- 補助金
- 遠隔監視装置の名義変更
知識がない場合、「重要な手続き」に分類される申請に関しては、困難を極めてしまいます。グッド・エナジーでは、売却に関する手続きに関して解説しているので、お気軽にお問い合わせください。
太陽光発電の売却方法は2つある
太陽光発電所の売却方法は大きく2つの方法があります。それぞれの方法とメリット・デメリットついて解説を進めます。
仲介業者に売却する場合
まずは「仲介業者」に依頼する方法です。この方法は、所有者が希望する売却価格で売り手と買い手を繋げる仲介業者に依頼する方法になります。
以下にメリット・デメリットをまとめています。
メリット | デメリット |
運営者自身で設定が可能 | 仲介手数料が発生即金化が難しい |
希望する売却価格での決定が見込めますが、一方で相場より高い金額に設定すると買い手が見つからないことがあります。そして、仲介手数料を負担する必要もあります。
購入希望者が見つかれば、最善の売却方法です。
買取業者に売却する場合
次に買取業者に依頼する方法です。この方法は、「仲介業者」とは違い、売り手と買い手を繋げる形とは異なります。
以下にメリット・デメリットをまとめています。
メリット | デメリット |
即金化ができる仲介手数料が発生しない | 相場感覚を知らないと低い買取金額になる |
買取業者に依頼する場合、スピード感をもって売買が成立します。
査定金額に納得ができない場合、他社と競合させることで売却金額を交渉することも可能です。
どの買取業者も買い取りたいと考えているので、交渉することで運営者の希望金額に近い売却金額が出ることもあるので、粘り強く交渉をおこないましょう。
太陽光発電の売却価格はどうやって決まる?
売却価格は、対象の発電所が今後どのように収益をもたらすのか?日々のメンテナンスなどはされているのか?アクセスや周辺環境まで調査され金額が出ます。
さらに「10KW以上」太陽光発電所には「廃棄費用の外部積み立て」が義務化されています。
以下は稼働年数と「廃棄費用の外部積み立て」を表した一覧表です。
売電期間 | 廃棄費用の積み立て |
1年~10年 | 0 |
11年以降 | 発電量に応じて徴収される |
この費用は「稼働11年目」より発電量に応じて源泉徴収される仕組みになっています。
売電価格が高いほど、外部積み立て費用も高くなります。売却を検討されている太陽光発電所が適用される年度なのか?まだ適用されていない築浅太陽光なのか?という部分も現在も売却金額に影響をあたえています。
高額売却を実現するために確認するポイント
高額売却を目指すために事前に確認すべきポイントがあります。
ポイントを知っているだけで、金額に差が生じるので是非確認していきましょう。
直近1年間の売電実績
太陽光発電所は、発電によって収益を得る設備なので、「直近1年間の発電実績」は最も重要視されています。対象発電所が持っている発電実績パフォーマンスは、購入希望者の購買意欲を高める大切な部分です。
さらに、「梅雨時期」「夏場」「冬場」「冬至(とうじ)」の時期まで詳細な実績パフォーマンスを所有している発電所は高額売却が期待出来ます。「冬至(とうじ)」とは、1年で一番昼が短く、夜が長い日になります。
太陽の光を元に発電をする太陽光発電所にとって、日射時間が短い「冬至(とうじ)」の発電実績は高額売却の1つのポイントにもなります。
定期的なメンテナンスの有無
定期的なメンテナンスも重要項目になります。発電所で経年劣化している箇所などは、修繕などを行うとより高額売却が期待できます。
購入後にメンテナンスが必要となれば、もちろん価格も下がる可能性があります。特に重要になるのはは下記の通りです。
- 太陽光パネルの損傷
- パネル解放電圧記録
- 土地の雑草対策
- フェンス
- パワーコンディショナー
- 受変電設備
上記については、定期的なメンテナンスとメーカー点検記録など保管しておくことがお勧めです。
書類が紛失してわからない場合は、施工者から事業者様へ「完成図書」として各重要機器の点検検査記録表などが、納品されるので、そちらもチェックをしましょう。
設備の保有期間
太陽光発電所で得た収益は「譲渡所得」という部類に分類され、税率は保有年数が「5年を超えるか超えないか」で税率が変化します。
そして、「太陽光設備」と「土地」では税率適用の考え方も異なるので、下記一覧表にまとめています。
保有期間 | 課税範囲 |
1年~5年 | 譲渡所得の全額 |
5年目以降 | 譲渡所得の1/2 |
保有年数 | 税率(所得税+住民税)(%) | 税率区分 |
1年~5年 | 30+9 | 短期譲渡所得 |
5年目以降 | 15+5 | 長期譲渡所得 |
このように「保有期間5年を境目」をして、課税率が大きく変化します。売却を検討されている事業者さんは、まず自身運営太陽光の「保有期間」を確実に確認しましょう。
個人事業主の場合は「5年後の売却」が非常におすすめです。
グッド・エナジーの中古太陽光発電の買取事例
三重県M様の物件
買取金額 | 1,700万円 |
売電単価 | 18円 |
都道府県 | 三重県 |
パネル容量 | 102.6kW |
千葉県W様
買取金額 | 710万円 |
売電単価 | 36円 |
都道府県 | 千葉県 |
パネル容量 | 28.9kW |
山梨県F様
買取金額 | 1,730万円 |
売電単価 | 24円 |
都道府県 | 山梨県 |
パネル容量 | 70.8kW |
【まとめ】中古太陽光発電の高額査定ならグッド・エナジーにお任せください
本記事では「太陽光売却する理由」に関して解説を行いました。「今後太陽光発電所をどうすればいいのか?」など、事業者さんが抱く疑問・不安な点を解消できる内容になっています。
本記事で解説したポイントは以下の通りです。
- セカンダリー(中古)市場の拡大
- 世界規模で見て年間平均成長率(CAGR)20.50%が見込まれている
- 太陽光を売却するメリット
- 太陽光を売却するときの注意点
- 高額売却できる太陽光のポイント
- 保有期間5年を境目に税率が変わる
今後もカーボンニュートラルに向けての「セカンダリー(中古)市場」が注目されていくことが予想されます。
グッド・エナジーは、事業者様が抱える太陽光発電の売却に関して、最適なアドバイスをさせて頂きます。概算査定も行っているので、お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。
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