太陽光パネルの買取相場は?交換のタイミングや出口戦略についても解説

太陽光パネルを交換する際は、売却や廃棄が必要となります。
FIT制度取得から年数が経過した太陽光発電所を所有する場合は、出口戦略を検討しておくことが重要です。「太陽光発電所の出口戦略」には、売却や廃棄含め多くの選択肢がございます。
本記事では、太陽光パネルを中心に、以下の項目に関して解説を進めます。
- 太陽光パネルの買取相場
- 太陽光パネルの買取金額を上げる方法
- FIT期間が終了を迎えた太陽光発電所の出口戦略
- 太陽光発電所自体を売却する方法
太陽光パネルの買取単価を上げる方法を知りたい、太陽光発電の出口戦略を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
太陽光パネルの買取相場
太陽光発電所の出口戦略として、太陽光パネルを売却する方法があります。太陽光パネルの買取相場を見ていきましょう。
- パネル1枚の買取相場=10,000円~12,000円程度
パネルは新品購入時、約20~25万円程度の金額になるので、残価率で計算すると「5~6%前後」です。残価率とは、新品時点を100%と考え、経年劣化により資産価値が低下することを指す数値になります。
残価率は、人気があるメーカーパネルになると上昇するので、出口戦略を含め人気メーカーパネルを導入する方法もございます。
ご自身で廃棄を検討している場合は、太陽光パネルは「産業廃棄物扱い」となるので別途廃棄費用が必要です。価格は業者によって変動するので、合い見積もりを取りましょう。
太陽光パネルの交換が必要な場面

太陽光パネルの交換が必要な場面について解説します。次の項に該当する方は、早めの対策を行いましょう。
経年劣化によりリパワリングする
太陽光パネルは経年劣化により、発電効率が低下します。太陽光パネルの耐用年数は「20~30年」と言われており、新品設置時より徐々に発電効率は下がります。
発電効率の改善策にリパワリングを行う方法があります。リパワリングとは、現在装着しているパネルを売却して、その売却資金を元に新しい高効率パネルへ交換する方法のことです。
運用からある程度のタイミングになり、収益予測が見込めそうな場合には、業者に査定依頼してみてはいかがでしょうか。リパワリングのメリットや費用感については、以下の記事で解説しているので、合わせてご覧ください。
災害によりパネルが破損した
自然災害でパネルが破損した場合は交換が必要になります。パネルが破損する可能性がある自然災害は以下のとおりです。
- 台風などによる飛び石
- 地震によるパネル同士の接触
- 大雨による浸水・電気短絡
- 野生動物による獣害
上記のような自然災害の対策例として、以下の項目があります。
- 排水系統を検討する
- 周辺に飛びそうな飛来物を撤去する
- 浸水対策で防水処理を検討する
しかし、野生動物の獣害は防ぎようがありません。実際のケースでも、野生の鹿が「延長ケーブルを噛み、ショートする」という事例も報告されています。野生動物による被害の場合は、地元猟友会などに相談を行う事で、駆除活動を依頼できる可能性があります。
太陽光発電設備を売却したい
太陽光パネルだけではなく、太陽光発電所を売却する方法もあります。発電所自体を売却するメリットは以下のとおりです。
- メンテナンス・維持費から解放される
- まとまった事業資金を確保できる
- セカンダリー市場の需要は拡大している
- 市場拡大により高価査定を期待できる
土地を残して活用する方法や、発電所と土地をまとめて売却する方法などがあり、詳細は太陽光事業者と相談することがポイントです。
以下の記事では、太陽光発電所を売却する手続きを解説しているので、設備の売却を検討している方は合わせてご覧ください。
太陽光発電用地の売却相場
遊休地・農地などを太陽光発電用地として売却する方法もあります。以下に、太陽光発電用地として売却する際の相場をまとめています。
大きさ(低圧) | 買取価格(万円) |
---|---|
1区画 | 80~150 |
1区画とは、その土地を利用するために区切られた単位を指します。以下のような条件が揃った土地は、査定価格が上昇する可能性があります。
- 広大な敷地
- 電力会社電柱からの距離
- 日射環境
- 近隣周辺の建物が少ない
- 地盤が強固である
- 土地へのアクセス性
以下の記事では、太陽光用地として売却するメリットや注意点を解説しているので、土地の売却を検討している方はぜひご覧ください。
太陽光発電のFIT買取価格と想定年間発電量
太陽光発電の投資資金回収期間は、FIT買取単価や想定年間発電量から概算値をシミュレーションすることが可能です。FIT制度とは、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度になります。
以下の表は、住宅用太陽光発電の場合でシミュレーションした数値です。条件は、設備容量4kW、FIT買取価格16円(住宅用10㎾未満)、投資資金70万円としています。
年間発電量 | 日中電気使用率 | 年間売電収益 | 投資資金回収期間 |
---|---|---|---|
4,000kWh | 30% | 約44,000円 | 15年 |
上記の場合、日中の電気使用率を下げれば売電収益が上昇することになり、投資資金の回収期間を短縮することが可能です。
2025年度のFIT買取価格は?
FIT制度の買取単価は、発足当初より減少傾向にあります。2025年度の買取価格は以下の数値が発表されています。
設備容量 | 50kW以上(地上設置) | 10kW以上50kW未満 | 50kW以上(屋根設置) | 10kW以上50kW未満(屋根設置) | 10kW未満 |
買取価格(円) | 8.9 | 10 | 11.5 | 11.5 | 15 |
太陽光パネルの買取額を上げるために意識すること
続いて、太陽光パネルの買取価格を上げる方法に関して解説を進めます。パネルの売却を検討されている方は、内容を確認しましょう。
メンテナンスを施しておく
太陽光パネルの売却を検討している場合は、パネルのメンテナンスを実施しましょう。買い手からすると、同じ経年劣化しているパネルでも、キレイでメンテナンスが施されているパネルを購入します。
消費者心理に基づき、日頃の「メンテナンス・清掃・錆び落とし」などを忘れずに行うことが重要です。設置から年数が浅いパネルの売却を検討されている場合、早めに査定に出せば高額査定にも繋がります。
複数の買取企業に査定依頼する
太陽光パネルを売却する場合、複数業者に査定依頼を行いましょう。1社の査定金額だと、査定金額の相場感覚がわかりにくく、安価な金額で売却する可能性があります。
複数業者に査定依頼をするメリットは以下の通りです。
- 査定金額の交渉材料に使える
- 買取不可のパネルでも買い取ってもらえる場合がある
業者を選ぶ際は、査定のフローや実績を公開しているなど、信頼性が高い業者に査定依頼するようにしましょう。
周辺機器と一緒に売却する
パネルと一緒に周辺機器を売却すると、買い手がつきやすく買取金額が上昇する可能性があります。特に以下の周辺機器はパネルと一緒に売却するのがおすすめです。
- パワーコンディショナー
- 接続箱
- 集電箱
- 昇圧キュービクル
- 遠隔監視装置
- UPS(無電源電源供給装置)
- 配線・ケーブル
買い手側からすると、パネル単体で購入しても周辺機器が無いと運用開始までに時間がかかります。セットで売却することで、周辺機器を取り寄せる手間が省けるメリットがあります。お得に購入できる可能性があるため、高額査定に期待できます。
太陽光発電の2030年問題
2030年頃に、耐用年数を迎えた太陽光パネルの廃棄問題の深刻化が予測されています。太陽光パネルは、ガラスと金属と樹脂がピッタリ密着しているので、素材ごとの分離が難しく大半のパネルが埋め立て処分されています。
このことから、有害物質や再資源化の取り組みが注目されており、新技術として「熱分解処理」が注目されています。熱分解処理とは、二酸化炭素を排出・燃焼させず、ソーラーパネルを熱分解し高純度のマテリアルを抽出できる技術です。
上記の技術が確立されれば、埋立地ひっ迫などの問題も解決できます。
太陽光発電の出口戦略
「卒FIT」とは、固定買取価格期間が終了した状態を指します。FIT取得年度に応じた固定買取価格が無くなるため、買取価格が下がることになります。
売電収入を軸として事業を続けている方は、「太陽光発電の出口戦略」を立てることが重要です。例として、卒FIT出口戦略を3つまとめています。
出口戦略 | メリット | デメリット |
---|---|---|
継続した売電を行う(管轄の電力会社) | 新たな申請など切り替えの手間が不要 | 売電単価が大幅に下がる |
新電力会社に売電を行う | 売電単価が上がる可能性がある | 新たな申請など手続きが必要 |
蓄電池の導入 | 発電電力を自家消費に使える | 蓄電池導入費用が発生する |
卒FIT出口戦略として、将来性も踏まえた選択をしていきましょう。
太陽光発電設備を売却する方法もある
卒FITを迎えたり、長期運用によって維持管理コストがかさむ場合、太陽光設備自体を売却する方法があります。投資家から中古太陽光発電の人気が高まっていることもあり、発電所の高価買取査定が期待できます。
以下のように、セカンダリー(中古太陽光)市場は、年々活況になっていることが分かります。
年度 | 市場規模(MW) | 増減率(%)(2017年を100%と仮定) |
---|---|---|
2017 | 300 | 100 |
2019 | 730 | 240 |
2021 | 1210 | 400 |
グッド・エナジーでは、中古太陽光発電の無料買取査定を行なっているので、太陽光発電の売却を検討している方はぜひご活用ください。
まとめ:太陽光パネルの買取相場は10,000円/枚
本記事では、太陽光パネルの買取相場や太陽光発電の出口戦略に関して以下のことを解説しました。
- 太陽光パネルの買取相場
- 太陽光パネルの交換が必要な場面
- 太陽光パネルの買取価格を上げる方法
- 太陽光発電所の出口戦略
- 太陽光設備を売却する方法もある
太陽光パネル1枚の買取相場は「約10,000円前後」です。業者によって見積もり額は異なるため、複数の買取業者に依頼を出すことがポイントです。
また、FIT終了後に備えて太陽光発電の出口戦略を考えておくことは重要です。出口戦略の1つに、パネルのみではなく、設備自体を売却する方法もあります。
太陽光買取センターでは、中古太陽光発電所の買取を行っています。全国区(沖縄・離島除く)で買取可能で、査定価格に納得いかない場合は可能な限り調整させて頂きます。
買取価格が他社より100万円上がった事例もあるので、設備の売却を検討している方は無料概算査定よりお気軽にお問い合わせください。
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